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音訳校正の“余禄”

2016年08月17日 19時44分26秒 | 日記
    自分では決して読むことのない本、
   それを読み聞かせてもらう楽しみ
 


 ボランティアで音訳校正(読み手が書籍を朗読して録音したものを、原本書籍と照合して校正校閲する)というものをしています。
 主に目の不自由な方々がこの朗読録音(CDかな?)を利用されています。

 おもしろい!

 文字の校正なら、変換ミスというものが必ずあって、ゲラ(校正刷り)の段階でこれを発見できないような編集者とか校正者だとメシの食いあげ、ということになります。
 ところが、音訳ですと、原文の刊本に変換ミスがそのまま刷られてしまっていても、音は同じなので問題がないのです。
 
 例えば、
 ええーと、すぐに思いつかないのですが…、あとで出てくる「苗木を移植」が「苗木を衣食(とか異色)」に間違って刷られてしまっていても、読みには変わりがないので、音訳者は誤植に気が付こうが付くまいが、「いしょく」と読めばそれでいいのです!
 
 と、いうようなわけですが、この音訳校正をやっていると、ふつうならクンちゃんなど決して読むはずがない本を扱うことも珍しくありません。
 そうして、それらの本の朗読を聴いていると、時々、ハッとさせられる記述に出あい、ふつうなら読むはずもない自分という存在を恥ずかしく思うこともしばしばです。

 きのう、春名康範著『生きる力』を音訳校正していたのですが、このときもそういうことがありました。

 宮大工の西岡常一さんは、『木のいのち、木のこころ』註1という本の中で、苗木を移植するときには南に伸びていた枝は南に向けてやらないとやがて木がねじれて育つと言っておられる。「堂塔造営の用材は木を買わず山を買え」「木は山の生育のままに使え」「木組みは寸法で組まず木の癖で組め」とも言っておられる。南の斜面で育った木は、建物の南側の用材として使い、山の北側の斜面に育った木は建物の北側の用材として使うならば持ちがいいそうだ。それを安く上げようとして、木が育った環境も心にとめず寸法だけで使うと木がよじれ、そり、ねじれて建物も長く持たないのだそうだ。木の個性や素材なんか関係なく合板にして使いやすくして用いると建物も30年もすれば持たなくなる。木も人間も同じだと言っておられる。人それぞれの個性や育ってきた歴史を無視して、役に立つ人間にしようとして圧力をかけるとねじれやよじれが起こってくる。註1(3部3冊のうちの「天」1993草思社=文芸社に駆け込む前の良い時代の産物)

 結構長く生きてきて、こういうことをまったく知らなかったのです!恥ずかしい次第です。
 南産は南で使用、北産は北で使用。
 「人それぞれの個性や育ってきた歴史を無視して、役に立つ人間にしようとして圧力をかけるとねじれやよじれが起こってくる。」
 なーるほどねえ。そういう例をしばしば見るような気がしますね、偉い人たちに!
 いろんなことにあてはまるのでしょう。

 ただし、ヒトの場合は「可塑性」というものがありますから、出自が百パーセントその人を決定するわけではないようですよ。可塑性とは、若年の犯罪を犯した人たちの減刑を求める理由として用いられることが多いのですが、なにも若者に限ったことではないでしょう。ですから、出自から推定される人物像の範疇から抜け出る例があることは間違いないと思います。


   
   太陽の光が大好きなプルメリア!たくさん陽に当ててやろうと、2階ベランダの手すりの角に板を渡してその上に鉢をのせました。
    7月中旬の風の強い日に、大きく育った葉が風をはらみ、
    どかーんと地面まで落ちてしまいました。三叉に分かれていた幹は3分裂、そのうち2本はなんとかなりそうなので包帯で巻いて養生していました。
    きょう、ふと見ると花芽らしいものが見えました、2本ともに!危機を感じて、花時を早めているのでしょうか!?



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