6月入梅とともに、テイカカズラの花の季節になりました。
この花についてもどんな観察ができるか調べています。花にやってくる昆虫の代表はズズメガらしいですが、彼らは長いストロー状のくちばしを持っていてホバリングしながら蜜を吸うようです。彼らが花粉媒介に関わっているかどうかはまだわかりませんが、テイカカズラの花を見ると確かに細長いストローでないと花の奥にとどかいないように思えます。
1枚目の写真は花を上から見たところで、細いスリットのようなものが5本放射状に広がっています。この奥にメシベ、オシベがあります。
花を開くと5枚のペン先のようなものがあり、これが合わさって1本の塔のようになっていました。これがオシベとのことです。ただし、先の写真のスリットよりオシベが飛び出ているようすはありませんでした。スリットは内側にすこし反った形状であり、もしくちばしに花粉などがついていれば、ここにひっかかって内側にこそげ落とされそうです。しかし、それは最初にくちばしを突っ込んだ場合でも同じなので果たして花粉をつけたままうまく外に運び出せるのか?疑問をもちました。
オシベ先端の内外に顆粒状の物質があり、これが花粉のようです。また、内部の下のほうには液状のものが見られ、これが蜜?でしょうか。
しかし、メシベが見当たりません。再度野外で観察したとき、花を引きちぎったときに植物本体にメシベが残ることに気づきました。長さから判断するとオシベの塔の中にかくれる大きさのようです。
かようにテイカカズラの花は虫にとって敷居が高いように思えました。スズメガの訪花となると夜のことで、テイカカズラのあるような場所は密生した樹林の中が多いですからなかなか観察にはいけません。どのように虫が訪れ、どのように花粉を媒介しているのでしょうか?なかなかテイカカズラはややこしい。