海と緑とこどもたち HONDA ECOACT

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ささやま活動レポート 2016年10月22日

2016-10-24 00:06:13 | ささやま里山

 月例のユニトピアささやま里山再生活動。
 今回は黒豆の収穫がメインでしたが、野生動物の食害で収穫ができなくなりました。作業は黒豆の畑の囲いの撤去などとなりました。
 私の方は調査とドングリ、マツボックリの採集を行いました。
 秋が深まり生き物たちは少しづつ寂しくなってきています。 


ヤマハッカ


ジョロウグモ


チャの花 棚田周辺にはたくさんありますので、かつて自家製のチャが植えられていたのかもしれません。


キンエノコロ エノコログサもありますが、棚田では一番多いように思います。
 

マツカゼソウ 花はこれだけでした。
 

湿地でみつけたオトギリソウ 図鑑で調べたのですが、花が黄色なのではじめ気がつきませんでした。花が終わると紫褐色になるようです。
 

林縁のシラヤマギク
 

耕作していない畑にはノコンギクが大きな群落になっています。
 

先月みつけたオミナエシ 最上部の花は終わっていましたが、途中について花がまだ咲いていました。
 

リュウノウギク はじめなんだろうかと思いましたが、いいにおいがするのと葉がノコンギクやヨメナと違うので、それを頼りに調べたところリュウノウギクとわかりました。しかし、図鑑やネットではニオイのことはあまり詳しくふれていません。もうすこし書き込んでくれても良さそうに思いました。資料によるとリュウノウのにおいというが実際は樟脳と成分が同じと書いている物がありましたが、樟脳のニオイとは違うと思います。
 

なにかのクモの卵のう。
 

ノコンギク
 

食害を受けた黒豆畑 掘り返しがないのでシカではないかと思います。周囲にはイノシシも来てはいますが。
 

収穫できた黒豆はこれだけでした。
 

林縁のアキノキリンソウ
 

林縁のタンキリマメ
 

アキノタムラソウ ヤマハッカはまだまだありますが、この花はほぼ終わりです。
 

湿地のヤノネグサ タデ科ですが、違うグループのようなおとなしい花です。
 

棚田の法面の上部にできたノコンギクの群落
 

ヒヨドリバナ アサギマダラの来訪は見かけませんでした。
 

ススキ 銀色の穂になるのはこれからです。


水溜で見たマツモムシ 落ちてきたと思われるアブのような虫に食らいついています。


オオアオイトトンボ


アキアカネ


黒豆の収穫がなかったので、里山の秋の実りをあつめてみました。このうち、ドングリ(アベマキ)はユニトピアの人に圃場で植えてもらうことにしました。樹林ゾーンにあるナラ枯れにやられたアベマキ列植の2代目にしたいと思います。


野生動物による食害はユニトピア全体に及び、里山再生地区だけではなく全体の対策が考えられています。その中で棚田の利用計画の見直しも考えねばなりません。下の2枚の田んぼと上の3枚の田んぼ(写真では右端に1枚だけ写っている。)のうち、上の方の耕作はあきらめてビオトープ的に利用し、下の田んぼの隣に保存湿地としてのこしてあるところを田んぼに直して利用してはどうかという案が出ています。現在の労力とフェンスでは限度があり、集約して守るのはいい案ですが、田んぼは新たに粘土を入れているので放置しても保存湿地のようには再生しない可能性があります。それに対し、保存湿地は少なくとも70年以上まえからこの状態で維持されているので様々な種子が埋蔵されている可能性があります。また、ヒメアカネが継続してくるかどうかも気になります。反対に土を移転して休眠種子を起こすのも面白いかとも思います。どうしたものか考えています。

今年は結局リンドウを見ることができませんでした。里山・棚田の再生をはじめてからいろいろな植物が確認できていますが、1回きりのものもあり、ストックされていたわずかな種子が次々消耗されているだけではという危惧を抱いています。複数の個体が生育し新たな種子を作れる体制があればいいのですが、むつかしいです。

帰りに再生中の灰屋のようすを車中から撮影しました。壁の土を積んでいる途中とのことです。


帰りにボランティアの方から黒豆をお土産にいただきました。ありがとうございます。おいしくいただきました。


ささやま活動レポート 2016年9月24日

2016-09-24 22:32:17 | ささやま里山

 月例のユニトピアささやま里山再生活動。8月はお休みでしたので、2ヶ月ぶりです。秋の花がいろいろ咲いていました。
きょうの活動は稲刈り、黒豆の防鹿柵のメンテナンス、増水で荒れた水路の補修などです。灰屋の屋根もできました。メインは稲刈りで、女子大生の大応援部隊もやってきました。ただ、少し前にイノシシに襲われて、上半分の田んぼが荒らされてしまいました。下半分だけになりましたが、無事収穫できました。






田んぼにはカエルがつきものですが、今の棚田地区で見られるカエルはトノサマガエルばかり。


それを狙ってやってきたのか、マムシが現れました。


アカガエルは棚田地区以外の場所ではみかけます。


ところで、きょうのトピックスはオミナエシの出現。話題になっている植物ですから絶滅危惧種に指定されているのかと思っていましたが、兵庫県は指定されていませんでした。しかし、隣の京都府では要注目種(今後の動向に注目すべき種。情報不足)、大阪府では準絶滅危惧種ですので、あまり安定的ではないのでしょう。


ツルリンドウの花も棚田地区ではじめて確認しました。葉はすでに確認していましたし、ユニトピアささやまの他の場所では見ていたのですが、花が確認できてなによりでした。(と思っていたのですが、実は去年も確認していました。別の場所での確認と勘違いしていました。)


そのほかの花も見ていきましょう。
毎年川沿いで見られるアケボノソウ。


イボクサ 写真ではよく出ていませんが、ふちがほんのりピンク色しているのがきれいです。


ミゾソバ


イタドリ 花はあまり注目されませんが、きれいです。


ヤマハッカ これは棚田の法面などにたくさんあります。


ノササゲ これははじめてじゃないかなと思います。タンキリマメは今年も林縁に出ました。


キンエノコロ


キンミズヒキ ミズヒキはほぼ終わりましたが、こちらは今が盛りです。


ゲンノショウコ きょうは一番多かった。


アキノタムラソウ


アジアイトトンボかな。


ハグロトンボ これは棚田とは別の場所。


ヤマジノホトトギス 盃岳登山道入り口ですが。保護柵の外で咲いていました。


あとひとつ 棚田地区の小屋の柱にうどんげの花がついていました。クサカゲロウの卵とのことです。



ささやま活動レポート2016年7月19日

2016-07-19 23:06:41 | ささやま里山

 ユニトピアささやまの月例里山再生活動(生物調査)に行ってきました。本来は、この週末が活動日なんですが、私用で行けないため、Mさんに協力していただき今日行ってきました。

この日観察した生物を見ていきます。

ダイコンソウ 棚田地区を流れる川沿いに見られます。棚田を開く前にたくさんありましたが、開設後はやや少なくなりました。しかし、毎年花を見せてくれています。


ミツバ あのミツバです。川沿いにたくさん見られます。花がとても小さい。
 

アキノタムラソウ まだ7月なのに少し早いような気がしますが、棚田法面でもっとも多い花のひとつです。


ネジバナ 棚田の夏を飾る花のひとつ。湿地の奥の水分の少ないところにたくさんありますが、今年は下の田んぼのあぜにもたくさん咲いています。


クルマバナ アキノタムラソウと同じくシソ科です。花のつけねあたりがごしゃごしゃしています。


キツネノマゴ これもこれから秋にかけて見られるシソ科の植物です。とても小さな花ですが、ちゃんとシソ科らしい姿をしています。


上の田んぼの間の法面です。ここは田んぼ作業の都合上頻繁に草刈りが行われています。湿地の法面のようにあまり草刈りを行わないところと違った性格の草地ができそうで楽しみです。
 

こちらは湿地の横の法面 ノアザミやアキノタムラソウなどがたくさん咲いてお花畑風になっています。
 

こちらノアザミのクローズアップ。
 

次は動物です。

きょうはトノサマガエルとニホンアカガエルの若い成体を見ました。
池の中にはオタマジャクシが泳いでいますが、種類は不明です。この池の上の木に毎年産み付けられていたモリアオガエルの卵塊が今年はみられませんでした。残念です。


同じく池の中のサワガニ。


昆虫たち これはウバタマムシ。ヤマトタマムシがあまりにもきらびやかなので、地味な存在ですが、背中がすごくごつい感じです。


ツマグロバッタ と思います。


ツチイナゴの幼虫がいますが、どこにいるでしょう?


ニイニイゼミ ぬけがらを2個採集しましたが、まだ羽がのびきっていないのか?草むらで時をすごしている個体がいました。ニイニイゼミのほかアブラゼミも鳴いていました。ぬけがらも採集しました。


モリチャバネゴキブリ 家の中にいるチャバネゴキブリとの違いは2本の黒すじのふとさと曲がり具合とのことです。チャバネより大きいように思います。


しかし、きょうのトピックスはなんといってもカミキリ
こちらはクワカミキリ。クワにもつきますが、ここではイチジクの木の上にいて、樹皮をさかんにかじっていました。おしりから緑色の物質を出しており、産卵と思ったのですが、後で考えるとそれは早計かなと思います。ただこれだけまじまじとクワカミキリの生態を見たのは収穫でした。なお、クワカミキリは兵庫県のレッドリストでは情報不足で評価できないとのことで、「要調査」にカテゴリーされています。


こちらはおそらくオオヨツスジハナカミキリではないかと思われる個体です。東京では準絶滅危惧種らしいですが、兵庫県ではレッドリストには出ていません。しかし、あまり多くはないとの話もあります。


棚田の常連オオシオカラトンボ 近くでメスがうろうろしていました。トンボはこのほかオニヤンマが数個体見られました。


こちらは少し変わった面相のヤゴ(ぬけがら)。未同定です。

 夏休みはこれからですが、少しづつ自然は秋にむかっているみたいです。
 園内の植物保護区を見ましたが、期待していたキツネノカミソリの開花はまだでした。去年はいまごろ見ることができたのですが、今年はまだのようです。ヤブカンゾウも開花していませんでした。こちらはササに圧倒されており、管理方法を少し考えないといけないかなと思っています。

 帰り、再生中の灰屋(はんや)を見学しました。灰屋はこの地方に多い農業施設で、この中で草などを燃やして肥料を得るものだそうです。屋根の骨組みができ、トタンをかぶせている途中です。屋根が完成したら、土製の側壁を修復するそうです。仕上がりが楽しみです。


そのとなりに、再生の済んだ井戸があります。すでにポンプがつけられています。これらはMさんたちの仕事です。


ささやま活動レポート2016年6月25日~26日

2016-06-27 22:09:31 | ささやま里山

 田植えから1ヶ月目。本日も作業いろいろです。黒豆の植え付けも行われ、その前に雨がたまった畑の排水溝掘りなども行われました。



 私の担当は園内にもうけた植物保護区のフェンスの修正および新設。定例の動植物調査。そして夜のホタル調査。

 植物保護区は昨年の6月に設置したものですが、以前書いたと思いますが、キツネノカミソリのフェンスは地上部のないときに設置したので、実態と少しずれがあり、これを拡張することにしました。

 作業中のようす 川が増水していたので、川縁の作業が苦労しました。

完成したもの。真ん中の支柱から手前の木のところまで延長しました。
 

次は新設。今年ササ刈り後に発見されたナルコユリなどの群落対象のフェンスを設けました。ここは継続的にササを刈る必要があるでしょう。なお、近くのササユリ用の保護区ではそれらしき株が育ったのですが、花芽をつけるには至りませんでした。
 

最後は棚田のそばの林内ですが、リンドウのある場所を囲むものを設置しました。なお、設置したネットの足下はいずれもめくられないようにペグのようなものを打ち込んでいます(写真)。作業お手伝いいただいたみなさんありがとうございました。
 

林内でみつけたキノコ。カエンタケか?ナギナタタケか?暗くてぼけています。もう少し大きくならないとわからないかも。
 

次は動植物調査のあらましです。

ヒキガエルのオタマジャクシはもう姿がありません。


トノサマガエルは成体がいました。


シュレーゲルアオガエルの卵塊がありました。先月のものとは別と思われます。去年は今頃見られたモリアオガエルの卵塊は未だみつかりませんでした。


昆虫たち
セマダラコガネ 普通種です。ほかでもこの時期に出てきています。なお、スタッフの人が小型のゲンゴロウを見たようです。


キリギリス かなりたくさんいました。


ホタルガ ホタルのころに出るからなのか?姿がホタルを連想させるのか?スタッフの人が持ってきました。ヒサカキが食草とのことですから、周辺の樹林で育っているのでしょう。


ハンミョウ どういうわけか田んぼのネットでじっとしていました。ネットにはイトトンボもとまっていましたが、逃げられました。周辺樹林ではニイニイゼミが鳴いていました。


夜、川沿いでさかんに上下運動しているのでつかまえてみたら、カゲロウでした。種類は不明。


植物ではドクダミがとにかく多い。


アケボノソウは準備中。


チガヤの穂も盛り。


ノアザミが出てきました。これから増えるでしょう。園内にはホタルブクロもあるのですが、今年は見当たりませんでした。


さて、ホタル調査ですが、今年は棚田再生地区のみの調査にしました。去年はゲンジとヘイケの両方が見られましたが、今年はゲンジのシーズンがもう終わったのか、ヘイケボタルのみでした。日が暮れると、棚田の横の樹林から現れ、田んぼのネットにやってきました。昼間は樹林内で休んでいるようです。
今回総数20個体ほどのヘイケボタルを見ました。 



ヘイケボタルの光。なお、ヘイケボタルは兵庫県の絶滅危惧種に指定されています。


翌朝、棚田の上をツバメの群れが乱舞していました。虫が棚田の上にあがっているのです。これも棚田を再生して見られるようになった風景です。

 

 


ささやま活動レポート2016年5月28日

2016-05-28 22:14:30 | ささやま里山

 月例の里山再生活動。

 今月は田植えそして田んぼを鹿から守るフェンスの設置がメイン。大学生の協力者も大挙やってきておおにぎわい。





植物は端境期なのか、田植え前の草刈りの影響なのかやや少なめ。たぶん端境期なんでしょう。
きょうの見物はオカタツナミソウの満開。昨年と同じ場所で増えていました。

川沿いではミズタビラコ

モチツツジはもう盛りを過ぎていました。

エゴノキももう終わり、先月の活動日と今日の間が見頃だったようです。

ヒメハギ

コウゾリナ

ハルガヤ

下の池にはもうヒキガエルのオタマジャクシはいませんでした。もうでていったのでしょうか?
底になにかがはったあとがあります。これはサワガニによるものでした。

上の池にはまだヒキガエルのオタマジャクシがいっぱいいました。ここは日陰でえさ不足なのかもしれません。

田んぼのあぜにシューレーゲルアオガエルの卵塊が産み付けられていました。2個ありました。もう少しするとモリアオガエルもやってくるでしょう。

トンボは今回アオイトトンボを見たのみでした。

オバボタルもいました。

マムシも出ました。ただし、殺されてしまいました。

園内の矢代池ではカルガモがたくさんの子どもを連れて泳ぎ回っていました。