このところ続報がないですが、3月に行われた千葉県知事選で森田氏が当選し、その後無所属かどうかや資金の問題がニュースになっていました。そうした問題とは別の問題にふれてみたいと思います。
森田知事の前の堂本知事は生物多様性に大きな関心をもっていた知事でしたが、同時に「千葉県方式」といって独自の県民参加方式を進めていた知事でした。白紙の状態で県民に計画を考えてもらうというもので、福祉そして自然環境保全などの分野でこの方式が進められました。しかし、知事が代わったことで、この県民参加が今後どうなるか、私はここに関心を持っています。ここ十数年の間、市民参加ということが盛んに言われ、各地で参加のシステムが作られていきました。しかし、印象で言うとあまりうまく機能していないように思います。そのかわり最近は「強い政治家」への期待が高まっているようです。
そもそも市民参加が必要とされたのは、既存の行政の規模と決定システムが、現実の住民や市民の望みをうまくすくい上げられないためだったはずです。その意味でいくら強い政治家、優秀な政治家が出ても市民参加の必要性はなくならないと思います。問題は参加のシステムです。これまでの経験から「誰でも参加・自由に言いたいこと言う」システムは難しいでしょう。あるていど各分野の知識や経験を持った人物の参加とコーディネーターの介在が必要になるでしょう。また、そうしたコーディネーターを職業として確立しようという動きもあるようです。