海と緑とこどもたち HONDA ECOACT

地域にこどもたちと自然とのふれあいの場をつくろう!

里山のすがた今昔

2008-11-28 10:45:50 | 自然

 11月13日に中川重年さんの講演会、11月17日に環境動物昆虫学会(環動昆)の研究会に参加しての感想。

 中川さんは全国雑木林会議の世話人で、今盛んに行われている里山での作業や楽しみを普及するのに力があった人です。中川さんは最初中国の里山の写真を見せました。それはナラの林らしいですが、木を短期間で切るので2mほどしか高さがありません。しかし、樹間の草の中にいろいろな希少種が混じっているというのです。

 中川さんがこの写真を見せたのは本来の里山の姿がどうだったのかを示すためですが、中国でもこうした風景は少なくなってきているそうです。もちろん日本ではほとんど見られず、大阪近辺では妙見口近くの薪炭林が希少な例だそうです。

 かわって17日の環動昆研究会では「COP10につなげる里山再生」と題してミニワークショップが開催されましたが、その中で里山放置林の再管理で主流となっている「ササや低木など下層植生のみを管理する方法」の昆虫への影響が森林総合研究所松本氏から報告されました。一部を報告資料から引用します。

 「ゴミムシ類では、放置林には安定した環境を好む種を含む森林性種と生息場所選好性の幅の広い生息場所ジェネラリストと森林性ジェネラリストが生息している。下層植生のみを管理している高木林のゴミムシ相は基本的に放置林のそれであるが、管理(=撹乱)によって安定した種が損なわれ、ジェネリストが残されて群集構造が単純化する。また、下層のみ管理しても陽性草本など草原性種を含む薪炭林的なゴミムシ相は回復しない。」

 これに対しチョウの場合は個体数比が変化するが、構成種にはほとんど変化がないとのことでした。また、一般にゴミムシ類は動かない昆虫の例として生物相が持続していることを示すと考えられます。

 里山管理ではつい大きな木を残したいという気になるものですが、本来の里山の姿とは似て違うものではないか?と疑ってみることも必要ではないかと思います。


カニ釣り

2008-11-23 12:17:27 | 浜寺公園の自然

 11月22日、浜寺公園の水路際、海浜生物観察所でカニ釣りをしました。もともとは2週間前に予定していたのですが、雨で延期しました。例年子どもたちに人気の行事で、本日釣れたのは、チチュウカイミドリガニ2(2.45cm)、タカノケフサイソガニ(2.125cm)、ケフサイソガニ(1.8cm)、( )内はサンプルを測定した平均甲幅。

 午後から満潮だったので1時半集合としていたのですが、はじめは干上がっていてあわてました。しかし、2時前ごろから急に海水が進入してきて釣りやすくなりました。水が少なくて隠れ場所が小さい場合はカニたちは消極的、水が増えると積極的に餌にアタックするようになるように思います。

 甲幅の測定はそれぞれのカニの成長度合いをみる目的です。チチュウカイミドリガニはそろそろ季節が終わりかなという感じですね。
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かんさい自然フェスタに参加しました。

2008-11-23 12:00:58 | 自然

 11月15日、16日、大阪自然史博物館で開催された「かんさい自然フェスタ」に予定通り参加しました。といっても私本多は、シンポジウムに参加していて、フロアのポスターやアトラクションはあまり見ていません。

 今回のフェスタは関西自然保護機構と博物館(友の会?)との合同イベントであったためもあり、いままでより自然保護にシフトしたものになり、シンポジウムへの力の入れ具合がやや大きかったように思います。ただ、もう少し議論の時間がほしかったですが・・・。自然保護教育のシンポでは発言したものの論点がずれたままで終わってしまって残念でした。

 写真は、私の関わっている浜寺公園自然の会、自然のみかた研究会、こども昆虫塾の展示されたコーナーです。右から二つ目は高山昆虫調査を共催している生駒の自然を愛する会です。こども昆虫塾はこども達が来てにぎやかでした。

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かんさい自然フェスタに参加

2008-11-07 11:14:38 | 自然

 11月15日(土)、16日(日)の両日、大阪市の長居公園内にある大阪市立自然史博物館で開催される「かんさい自然フェスタ2008」に「自然のみかた研究会」「浜寺公園自然の会」「こども昆虫塾」のポスター展示を行います。当日は下記のようにシンポジウムなども立て続けにあり私本多はたぶんそちらに行ききりになると思います。お時間のある方はどうぞご覧ください。なお、料金は当日は関西文化の日で入館無料です。(但し地震展は有料です。)

●プログラム:ブース・ポスター展示:ナウマンホール、ポーチ・ポーチではいろいろな団体のアトラクションも楽しめます。
●講習会:谷口高司のタマゴ式鳥絵塾
●ワークショップショーケース
16日鳥見隊・日本野鳥の会大阪支部(長居植物園の鳥を観察)・100円
15日プロジェクトワイルドプログラム体験・公園緑地管理財団・無料
15,16日長居植物園ミニ水族館・生態工房(公園の池にわなをしかけて捕れた生き物を展示します。)・無料
●講演会:「カエルのきもちを忘れない」カエル探偵団長谷川雅美(東邦大教授)15日14時半~16時(カエル、クツワムシなどの研究を紹介)
●シンポジウム:会場:博物館講堂
15日10時~12時「大阪湾の自然再生をめざすネットワーク活動の方向性を考える」
15日12時半~14時20分「シカが森を食べつくす前にー研究から保全への展開をさぐる」
16日10時~12時「自然保護運動に役立つ自然保護教育とは」
16日12時半~13時50分「近畿地方における外来種問題への取り組み」
●16日14時~14時半関西自然保護機構四手井賞記念講演「近畿における在来・外来・雑種タンポポの分布状況」
●16日14時半~16時半自然保護レクチャー「開発から自然を守るにはー開発計画への予防と対策」