海と緑とこどもたち HONDA ECOACT

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ささやま活動レポート 5月23日

2015-05-24 11:50:09 | ささやま里山

 5月23日 毎月定例のユニトピアささやま里山再生活動です。
 きょうは田植えということで、田んぼ周りは草刈りが施されました。また、毎年シカにコメを食われているので今年こそはという意気込みで、厳重な防護柵を施すことになりました。きょうはその基礎部分を作りました。また、周辺の防鹿柵のメンテナンスなども行われました。(以下、植物は基本的に花で確認したもの。葉・実で確認したものは種名のあとに葉・実と記載。)






さて、生物を見ていきましょう。

まずは、ヒキガエルが産卵していた池ですが、たぶんヒキガエルのオタマジャクシと思われるものが、今も見られます。
4月と比べてさほど成長しているように見えませんが、後ろ足が出てきています。大半は池の片すみに固まっています。
もうすぐ水中から出ていきそうですが、そのときにはヤマカガシが出迎えにやってくるのでしょうか?




池・湿地の植物としては、ニガナ、スゲ類、イ、クサイがありました。


次は小川沿いですが、4月にみつけたイチリンソウを作業で踏んづけたり、シカに食われたりされないように囲みをつくってもらいました。今日見るとフキが成長し、イチリンソウは見られなくなっていました。もう、囲みは解除して良さそうです。


小川の下の方ではニホンカワトンボがいました。田んぼの横の小川ではあまり見ないのは、草の量が少ないからかもしれません。植物は、ミズタビラコ、キショウブ、トウバナ、アオスゲ、セキショウ葉、ニガナ、フジ類、イタドリ、ミゾホオズキ、フキ葉、ノイバラ、イチゴツナギ?などが見られました。


ミズタビラコ


キショウブ(外来種)


ミゾホオズキ


ノイバラ これが咲くと夏が近いなという感じします。


林の入口のアベマキの萌芽は元気に育っています。


この近くにタチドコロがありました。これをはじめイカリソウと間違えました。ヤマノイモみたいな形だなと思いつつつい、欲目です。今までユニトピア周辺でみつかっているイカリソウはいずれも竹林でみつかっています。今後も竹林が要注目かもしれません。なお、タチドコロの周辺には貴重な草本がみつかることがあるとの情報もあります。


下の田んぼ周りではシロツメクサ、スゲ類などが見られました。湿地から上の田んぼ周りの畦畔やのり面ではケキツネノボタン、ニガナ、ハハコグサ、ヘビイチゴ実、トウバナ、カタバミ(オッタチ?)、オオイヌノフグリ、ニワゼキショウ、ハルジオン、コメツブツメクサ?、オニタビラコ、スズメノカタビラ、スギナ葉などがみつかりました。

ヘビイチゴ実


北側の畑の間やのり面では、ニガナ(多数)、ヒメハギ、チガヤ、ブタナ、キランソウ、コナスビ、スズメノヤリ、イタドリ、オカタツナミソウ、チチコグサ、フジ類葉、コナラ葉、ネムノキ葉、ノアザミ、ハハコグサ、タチスゲ、ハルガヤ、スズメノヤリなどがみつかりました。特筆すべきはオカタツナミソウで、去年みつからず、消失したかと心配していたのですが、崖の下に何株かみつかりました。
オカタツナミソウ


コナスビ


ヒメハギ


ニガナ


ハルガヤ(外国産の牧草) 標本にすると甘い香りがしますが、くしゃみが出ました。


なお、畑の間にはエノキの木にネットを巡らせて、オオムラサキを野外展示する場所が作られました。少しわかりにくいですが、まんなかにいます。


 また、農作業用の水槽があり、ここにはマツモムシと正体不明のオタマジャクシ(下のほうにうっすらと写っています。)がいました。水槽は二枚目の写真のように吸盤のあるカエルでないと登れないので、ニホンアマガエルじゃないかなと思っています。
 なお、蚊の発生を心配する声がありましたが、マツモムシが食べてくれるんじゃないかと期待しています。




林縁部では、エゴノキ、モチツツジ、ヒイラギ葉、ウスノキ実、チゴユリ葉、アケビ葉、ミツバアケビ葉、サルトリイバラ、ナガバノモミジイチゴ葉、ニガナ、クズ葉、アベマキ葉などが確認されました。

エゴノキ


モチツツジ


動物類ですが、昆虫は、さきほどのニホンカワトンボのほか、クロヒカゲ、シリアゲムシ(ヤマト?)、キンモンガ、ベニシジミ、マツモムシ、シオヤトンボ、キリギリス類、ヒシバッタ類、アオスジアゲハ、オオシオカラトンボ♀がみつかりました。里山再生エリア外では、コジャノメのほか、黒白まだらのチョウが早いスピードで飛ぶのを目撃し気になりました。また、ヤツボシハムシがいました。このハムシもエノキが食料です。

クロヒカゲ


キンモンガ


コジャノメ


ヤツボシハムシ


カエルは、上記のほかトノサマガエルが多数走り回っていました。
鳥は、グループの人が巣箱をつけたところで、シジュウカラが繁殖したとのことです。その親子らしきペアが周辺を飛んでいました。また、サンコウチョウがさかんに鳴いていました。

それからうれしいニュースですが、これは里山再生エリア外ですが、去年見られなくて絶滅したかと心配していたササユリが1本つぼみをつけていました。


丸山湿原に行きました。

2015-05-18 19:36:35 | あちこち自然探訪

5月10日、自然のみかた研究会の仲間と丸山湿原に行きました。
JR道場駅で降りて、千刈水源地方向へ進みます。最近、遭難があったとかで、おまわりさんに注意書きをもらいました。
道場駅の南側の鎌倉峡には何度かいったことがありますが、こちらははじめてです。途中まで近畿自然歩道を歩きます。


道場駅の北側はロッククライミングで有名。


上の岩場の遠景。


途中見た虫たち、モンスズメバチ、ニワハンミョウ。




道は川に沿っています。


やがて道は山の中に入ります。丸山湿原の中ではないですが、途中の水がしみだしているところではモウセンゴケを見ました。




丸山湿原に入りました。
樹林化をリセットするために谷筋は伐採しています。


そこで、ムカシヤンマを見ました。


丸山湿原の解説板。人との関係などけっこう詳しく書かれています。


視点場ってなんでしょう。そこには湿原を見渡す展望台がありました。


視点場からの眺め。ロープがはりめぐらされています。そこが湿地と陸との境のようです。また、調査も行われているのか。コドラートも作られていました。


以下は視点場とは別の場所です。きょうは生き物はまだ早かったようですが、夏に来たらいろいろ見れて楽しそうです。




湿原の周辺の樹林もあるていど伐採されていますが、もともと里山として使われていた山で、そのなごりの株立ちがあちこち見られます。



ギンリョウソウもありました。


これが丸山らしいです。登る道はありません。


マツの木についていたマツノキハバチ。


途中キジの♀出現。


帰りに、県立宝塚西谷の森公園によってみました。田んぼがあるということで期待したのです。先日のNHK「さわやか自然百景」で西谷地区が紹介されていましたので、期待していました。しかし、テレビで見た畦畔の植物などがたくさん見られるところはありませんでした。ここではないみたいです。奥の日本家屋は公園の施設です。


保護されているサクラバハンノキの樹林


立派なビジターハウス。


でもここ虫とりできないんですね。なにか貴重なものがいて一律で保護の枠をかけているのか?しかし、こどもはどこへいきゃいいんでしょう。


えさにかぶりつく、トカゲさん。


遠くには有馬富士が見えます。


高知市に行ってきました。

2015-05-08 14:13:56 | あちこち自然探訪

ゴールデンウイークに高知市に行ってきました。

JRで瀬戸大橋を渡ります。思ったよりあっけなく、あっという間に通り過ぎました。海を越えるとういうよりもいくつも橋を渡ったという感じ。


大歩危周辺、さすが、谷の切れ込み方が鋭い。


高知市に着きました。街中にお遍路さんのための道標があります。


桂浜 きれいな砂浜ですが、波が荒く遊泳はできません。波打ち際に近付くと警告の放送があります。


桂浜周辺は常緑樹林。下の方はツワブキやシダ、低木層にはトベラなどがあり、高木層に途切れなく続く。公園化されていますから、道路にはみ出した枝などは切ると思いますが、久々にきれいな林縁を見ました。


龍馬像 行ったのが午後だったので後光が射しています。


夕食に出たチャンバラガイ。商店街でも売っていました。


これがチャンバラガイの刀らしき部分。


同じくのれそれ。アナゴの稚魚です。


牧野植物園はぜひ行きたいと思っていたところですが、まず、ガーデンとして見ごたえがありました。この雑木林はエントランス部分で、高知の植物を野外展示しています。小さな立札が植物の説明板ですが、これがなければ普通の雑木林にしか見えません。近くに渓流もありましたが、山の上なので、たぶん人工の渓流と思います。


次に建物が見ごたえがありました。木をふんだんに使ったUFOのような牧野富太郎記念館本館。まんなかは中庭になっていてタイワンマダケが育っています。ここにはショップとカフェなどがあります。もうひとつある牧野富太郎記念館展示館には牧野富太郎氏の生涯についての展示があり、牧野氏を知らない人にとっても明治の知識人の一典型として興味深いのではないかと思います。


園内の展示が系統的に植栽されているかどうかは詳しく見なかったのでわかりませんが、面白い植物が多数見られます。これはムサシアブミ。ユキモチソウなどの仲間ですが、巨大です。となりにユキモチソウもあります。


びっくりしたのは、ケシを植えてあることです。もちろん研究用で厳重に囲われています。また、四国厚生支局の許可証もありました。


その近くに展望台があり、左方向の山にけっこう大きなサギコロニーが観察できます。


説明板には6種のサギが紹介されていますが、ざっとみたところ、アオサギが一番多かったです。


高知市の山はシイノキが多く、花盛りで山がまっしろに見えました。


中国産のトビカズラという植物の花です。果実表面にはとげがあり、ささると痛いそうです。中国の観光客がさかんに写真を撮っていましたが、母国では見たことあるんでしょうか?


ナンジャヤモンジャも花盛り。


大阪にも牧野氏の名前をつけた植物がいくつかありますが、これはそのひとつスイタクワイ。こうして水盤に植えるとなかなかきれいです。牧野植物園は温室の横に南門がありますが、南門から入り、正門に向かうほうがよさそうに思えました。もっとも正門と南門はそれほど離れていないですが。


高知市は喫茶店文化が盛んということで、ホテルの近くでモーニングを食べました。これは「高知のモーニングパート2」というメニュー。パート1はありませんでしたので、リニューアルされたのでしょう。ただ、朝の開店時間は全国チェーンの店の一部をのぞき、早くて8時からでした。


高知といえば坂本龍馬。これは龍馬生誕の地。


龍馬の生まれたまち記念館。郷士と町人が一緒に住むまちだったようです。


龍馬の生まれたまち記念館から南にすぐのところが鏡川。住民たちが鏡川沿いを工事して街を作ったそうですが、そうしてできた屋敷を築屋敷と呼んだそうで、龍馬の通った日根野道場もこのあたりにあったそうです。


高知城は苔むした石垣に魅力がありました。


しかし、このぼんぼりはいただけない。


高知城の展示にあった、クジラ解体のようす。これってマグロやカツオの解体みたいですが、本当にここまで切っていたのでしょうか?


城下町の名残を探して歩きました。高知は歴史資源がいっぱいあるところで、町の片すみにも歴史の逸話が隠れています。しかし、体系的に紹介するものがほしいなと思いました。高知城の前で高知城博物館というのが建設中で2017年に開館するそうですから、それができれば歴史散策はしやすくなるんではないでしょうか。

これは山之内家の下屋敷の長屋門です。敷地内はホテルに変わり、この部分しか残っていません。ただ、この建物の用途はよくわかっていないとのことです。


これは城の北側にある大川筋武家屋敷資料館。この屋敷には保存運動があったそうですが、改築などが行われていたため保存の価値は小さいと判断されていたそうです。ところが、いまやこの屋敷と上の長屋門ぐらいしか見ることができません。


大町桂月氏も高知の生まれ。大町桂月氏は今日日本の景勝地のリストアップをしたような人で、有名観光地には必ずこの人の足跡があります。


寺田寅彦氏も高知の生まれ。彼が4歳から19歳まで過ごした家が復元されています。はなれの書斎はもとのもので、少し位置をずらしています。ただ、ここにはあまり資料類はなく、そうしたものは城内の高知文学館にあるそうです。庭にはカシワやイチョウが見られ、これらは寺田寅彦氏の随筆に出てくるようです。