8月16日 岸和田しぜん資料館の行事で岸和田市沖に作られている阪南2区人工干潟に行ってきました。
岸和田カンカンのすぐ先といってもいいほど近い沖合の埋立地にあり、そこまではバスで行きました。バスを降りて堤防を歩きます。
堤防には木道が置かれていますが、別に観察の便宜というわけではないと思います。
人工干潟に到着しました。阪南2区の北側は大阪湾に向かって開けた大きな入江になっていて、その一部に人工干潟が作られています。入り江全体が干潟になるというわけではなく、マリーナなどが作られる予定です。ただ、比較的浅い海にはなるかもしれません。なにかに似ているなあと思ったら、ちょうど淡路の成ケ島を反転したような感じです。
人工干潟の浜は海側がアオサのたくさんある場所、それより上に砂地の場所、その上がハマヒルガオの群落、その上がヨシ群落、さらに外来雑草などの群落へとつながっています。
海側のアオサ帯のようすです。
砂地部分にはスナガニの巣があります。
ヨシ群落のヨシの地上茎
アオサ帯は水中にも続きます。
そこでたくさん見られるのがアラムシロガイ。腐肉などを食べている貝とのことです。
そしてウミニナ。ウミニナは最近増えてきているとのことです。水質が変化してすみやすい水質になり、幼生が水中を漂うウミニナは広がっているようです。ホソウミニナは幼生時代から貝をもつので広がりにくいとか。
アラムシロガイ(上)とウミニナ(下)拡大図
干潟の北の端へ向かいます。ここの地面に凹凸があります。さわってみると、ホトトギスガイが作った砂団子でした。ここは波が荒いので間の砂が取り除かれ、その結果こうした凸凹した地表になったと見ました。
ホトトギスガイの殻です。羽のような模様があるからホトトギス・・なんでしょうか?
ホトトギスガイ拡大図
干潟の北端です。
干潟の海側には石積みの護岸が作られて干潟を荒い波からさえぎっています。
その南端です。間の水中に人が入っていますが、ところどころ深みを表示するくいが打たれ、そこは入らないように言われました。
魚を投網で狙っています。残念ながら魚はあまりたくさんの種類が記録されなかったようです。
ウチムラサキ 大きな貝ですが、砂を導入したときに混入したもののようです。
カガミガイ ウチムラサキに似ていますが、横幅がやや狭い。これも混入したものらしいです。
マテガイ これは阪南2区Nativeです。
ヒメハゼ
ミミズのようですが、ヒモイカリナマコだそうです。
ウミウシの仲間がいろいろ見られたのが驚きでした。
オショロミノウミウシの仲間。外国から来たものらしいです。漁港、貯木場など淀んだところにいるとのことで、高師浜でも探してみようと思います。
これもウミウシの仲間 イズミミドリガイ
ヤツミノウミウシ
貝の仲間 真ん中に穴があるない、ふたがあるないなど見分けが難しい。なお、右のふたつは生貝です。
オバクサ
人工干潟といってもやや沖合の外海に面したところにあるせいか、いろいろな生物が入り込んできていました。貝の種類やウミウシが多くて、ウミウシはこういう場所でも見られるということが勉強になりました。
チリモン、チリメンモンスターというのは、チリメンジャコ(カタクチイワシ)の中に混じるさまざまな魚介類のことですが、年明けにチリメンモンスター体験の指導をする予定なので、今はウオーミングアップの時期。
12月11日、岸和田で開かれた「チリモン勉強会」に参加してきました。材料は大阪湾産と和歌山沖産の2種類から、種類の多そうな和歌山産を選び、およそ10グラムを分類し、種類を調べ、数を記録します。
覚書をかねて、当日調べたチリモンをここにアップします。
まずは、カニのゾエア。こんな形でよく海を漂っているなと思います。
同じくカニのメガロパ。ゾエアが成長したものですが、カニらしくなっています。たくさんみつかります。
同じく甲殻類で、オキアミ。
こちらはいわゆるエビの仲間。オキアミに比べてエビらしい姿です。
シャコ
ちょっと変わった甲殻類。ウミノミ。
つぎは魚。カタクチイワシは置きまして、比較的多いのが、エソ。いわゆるかまぼこの材料。背中の点々が目立ちます。
タチウオ
イソギンポ ギンポの仲間は干しても頭が大きいのが特徴。
ニジギンポ イソギンポと違って模様があります。
フエフキダイ うろこがこの大きさでもはっきりしている。あごのところに横向きのぎざぎざの線がある。
チヌ おなかの後半の横縞が決めて。これより小さいと出ないそうです。
カサゴ えらにとげがあるのが目立ちます。
タコイカ 大きいのがイカですが、この時期タコは5mmていど、こんな大きさにはならないようです。それとイカには触腕があることが決め手。
満潮線の上にくらす貝タマキビガイの仲間は、水中にいることがきらいな貝ということは海の生物に関心を寄せる人には良く知られている。今度写真を使うことから、タマキビが水中から脱出するようすを撮影してみた。
①スタート 貝の種類はマルウズラタマキビ 5個体入れました。
②3分後 動いています。
③5分経過
④15分後 すべて脱出しました。