きょうは、昨日の「姫様道中」見物で乗った浜名湖の北側を走る「天竜浜名湖鉄道」をご紹介。
静岡県唯一の第3セクター鉄道で、国鉄時代は「二俣線」と呼ばれていた。この鉄道、駅や車庫などの建物が開業当時のままで多く残っていたことから、今では様々な施設が「国登録有形文化財」に指定され、観光資源になっている。
「天竜二俣」という駅にある車庫もその一つで、一日2回見学めぐりが行われていて、係員の案内のもと黒塗りの古めかしい職員事務所や、SL時代から使われている転車台などを見ることが出来る。転車台とは、SLが向きを変えるために回転するもので、今では使われていない・・・と思いきや、何と今も現役というからビックリ。今でも、車庫と検査する場所の移動などの方向転換に使っているという。見学者のために、車両を乗せて目の前で一周してくれてサービス満点。
そして、資料室には昔の道具やきっぷ・運賃表示などが飾られ、入口には「空襲警報発令」なんていう恐ろしい警告板まであった。
実はこの鉄道、昭和15年の開業で、その建設目的が当時戦時下だった日本で、浜名湖を渡る「東海道線」が、もし敵に狙われて破壊された時の迂回ルートとして開業したという歴史があり、納得。
この他、100年前のアメリカ製のレールを使った駅の柱や、鉄橋など36もの施設が有形文化財に指定されている。
←SL時代から使われている転車台。今は左に見える普通のディーゼルカーだが、転車台は今も現役で毎日使われている。
←昭和15年のまま、今も現役の事務所。左奥に見える石造りの塔は、SL時代の給水塔で、今も洗車機の水入れに使っているとか。
←何とも不気味な警告板まで・・・。建設当時の時代背景を物語る。
←この駅も文化財指定されている小さな無人駅。それなのに、洋食屋が入っていて今も人のぬくもりがある。この鉄道には、無人駅に「ラーメン屋」「そば屋」「喫茶店」「薬屋」などのお店が入り、人の交流がある。
←余談で、車庫の見学ツアーの時通りがかった脇にいたワンコ。吠えていたけど、とても人なつこく、金網み越しに撫でてあげると、体を一生懸命近づけて来た。