”Le Mardi 14 Février 2017 Angel”地下鉄「エンジェル」駅から歩いて行くと、名前の通りお洒落な街並に素敵なお店が続く通りに到着する。ロンドンに着いて驚いたことの一つに、降り立った駅の一つ一つで街の表情がガラリと変わるという点がある。慣れ親しんだせいもあるのかもしれないが、ある程度景観が統一されているパリでは感じられない独特の感覚であり街歩き好き建築・店舗好きにはたまらない魅力が、ロンドンには溢れているように思われる。目的地の一つである渋い面構えと品揃えの古着屋( 残念ながら写真を撮り忘れてしまった)ではイギリスフォーマルよりの服や服飾雑貨が多く取り揃えられているも、イギリスモノに明るくない自分にとってはハードルが高過ぎて一点も選ぶことが出来ずそそくさとお店を後にする。他にも一軒面白いアンティーク屋があるというので知人に連れて行ってもらう。所狭しと商品が並ぶ店内はリサイクルショップに近いノリだが、なるほど知人がお薦めするように興味深い内容で、通い詰めればきっと何かに巡り合えそうな予感はする。今回は気になるモノも幾つか見付かりはしたが、結局は何も買わずにこの日の買い付け業務は終了。朝早くから活動したにも関わらず、収穫は僅か二点のみという厳しいヴァレンタインデーのプレゼントとなる。徒労感を背負ったまま重くならなかった見た目だけ大きなリュックと共に宿へと戻る。翌日からは家族とのロンドン観光が控えており、買い付けに使えるのは週末のみとなる。いよいよ切羽詰まった状況に頭を抱えつつ、前向きに考えるように気持ちを切り替える。
”Le Mardi 14 Février 2017 Brixton - RESTAURANTE SANTAFERRENO”かってジャマイカ移民が多く移り住んだ「ブリクストン」地域も開発が進み家賃が高騰、古くから住んでいた住人達の多くは更に郊外へと移動しなければなくなるという、パリとも似たような状況を聞くにつけヨーロッパのどの国も抱える移民問題や都市部近郊の住居問題を改めて認識する。それでも通りに立ち並ぶ市場や商店街の活気を目にすると、人々がこの土地で活き活きと生活している様が感じ取られる。途中何でも無い古着屋にて以前から探していた紺色のChapka帽(防寒用ロシア帽)を見付け購入する。上野のアメ横、神戸の三宮・元町の高架下のような商店街を散策しつつめぼしいお店を探す。お目当てのジャマイカンレストランは残念ながら休みだった為に、最終的には知人が以前行って良かったというコロンビアンレストランへ。飾り気の無いシンプルなファサードは一人ではまず入らないような雰囲気だが、店内に踏み入れ席に着き回りのお客さん達が食べているもの見回すと、いかにも美味しそうで期待感で胸が膨らむ。親切丁寧にメニューの説明をしてくれる店員の対応も好印象で、後ろの席で先に来ていた男性が今まさに食べ始めようとしている一皿と同じものを、と注文する。飲み物は迷わずコロンビアビール、初体験である。その後は前菜の甘くないバナナのスープ?次に、これでもかと各種の肉が盛り合わせられたメイン料理は肉食男子は狂喜することだろう。大量のお肉でお腹いっぱいなりながらも締めのデザートまで付くフルコース、飲み物含むこれら全てで12ポンドとは破格メニューである。買い付けは不発に終わったが、大満足のランチタイムを過ごせたことと昼ビールに気分を良くし、次ぎなる目的地ロンドン北部にあるまだ足を延ばせていなかった古着屋へと知人の案内で一緒に向かう。
”S.N.C.St.JAMES coton bleu 108-72”ロンドン郊外のアンティーク・マーケットにて唯一買い付けることが出来たフランス国営企業に支給されていた、ボーダーシャツで有名な「セント・ジェームス製」ブルーコットン生地ワークジャケットのご紹介です。イギリスに行きながらフランスモノを購入することになるとは驚きですが、ユーロよりポンドが強い経済状況もあり、イギリス業者がフランス田舎の蚤の市で安く買い付けて、本国に持ち帰り高く売るという現象が一般的になりつつあるようです。実際に顔見知りのフランス業者も、このマーケットへ頻繁に出展しているようで偶然会いましたし、フランスの良き物は今後イギリスで見付かることが多くなるかもしれません。今回の逸品も、108(54サイズ)と大きめですが使い込まれ程良く色落ちし雰囲気あります。これから春先に向けてフレンチワークの定番品取入れてみては如何がでしょうか。ご連絡お待ち致しております。
”Le Mardi 14 Février 2017 Antiques Market”予定よりも少し遅れながらも何とか会場に到着し一気にテンションが上がる。広大な敷地の競馬場を利用し月二回開催されているロンドン在住日本人も多く訪れる著名なアンティーク・マーケットの一つらしい。緑映える馬のいない競馬場を横目に見ながら、観覧席に沿って大きなトラックで乗り付けた業者のブースが延々と続いていている中をパリの蚤の市を見る感じで探索し始める。家具等大物類を扱う屋外ブースとアクセサリーや高級品を扱う幾つかの室内ブースとで会場は構成されているらしく見応えは十分である。イギリスらしいアンティーク品が多く並ぶ中にもフランスで見掛けるお馴染みの品々も目に飛び込んで来る。服類の出展者は予想していた通り少なく苦戦を強いられる。ランプ類も幾つか気になるモノの値段を聞いてみるも予想以上に高く手を出すことは出来ない。途中日本人バイヤーらしき方々にも多く出会う。二時間近く場内くまなく回るも、購入したモノはたったの一点、しかもフランスのワークジャケットというイギリスらしからぬ買い付けで終了。ここでも厳しい現実を突きつけられ、ロンドン買い付けのテンションは一気に下がり出す。早々と会場を後にしてロンドンの中心部の古着屋巡りに戻ることを決意し、元気を付ける為にも「美味しいモノを食べたい」と知人お薦めのレストランへと向かう。
”Le Mardi 14 Février 2017 Wimbledon - Shepperton”知らない土地での初めて体験故に、地下鉄から外に出て注意深く標識を頼りに乗り継ぎホームへ移動するも、知人はまだ到着しておらず不安になりつつも何度か確認作業で駅構内をあちこち行ったり来たりする。寒い駅構内にて暫く待つと約束時間には無事知人も到着し安堵する。一点、地下鉄と国鉄の乗り継ぎ時に改札が無かったことを気にして、構内に設置されている改札機を探し念の為に処理をしておく。時間通りに利用予定だった電車に乗り込む。この後順調に行くかに思えたが、運悪く途中車内コントロールにあい、念の為に処理しておいた改札機能が無効と判断され、何とか説明するも承認されず、かろうじて罰金は逃れるものの、次の駅にて下車し切符を購入せよとの指示が在り、仕方が無く途中下車。旅にハプニングは付きもの。良き思い出、旅の醍醐味である。
”Disel Double Jacket L size”今回のロンドン滞在で僅かに買い付けることが出来たモノの内の一つ、運命の巡り合わせか以前見掛けたことがあり、購入しなかったのを後悔しずっと頭の端に残っていた「ディーゼル・ダブルブレストジャケット」をご紹介致します。通常縦使いのヒッコリーストライプ生地を、このブランドらしく横使いにした捻りの利いた素材使いに特徴があり、着込むほど味が出て来るのではないかと思われます。細かいディティールも大変凝っており、デザイナーのこだわりが感じられます。お洒落感のあるダブルブレスト仕様という点もポイント高いです。これから春に向けてのファッションアイテムを選ぶ際にこんな一着加えてみては如何でしょうか。売れなかったら私物にして色々仕様変更したいと思っております。ご連絡お待ち致しております。
”Le Lundi 13 Février 2017 Black Bard”何か見付かるかもと淡い期待を抱きながら向かったコベント・ガーデンの古着屋でもやはり何も見付けられず、本当に何も収穫の無い一日となってしまったことで、朝から使った時間と経費を考えると、買い付け仕事のある意味「賭け事や博打」に近いリスクの高さを痛感する。運が良い時は沢山見付けられ、運が悪ければ何も無しというかマイナスというのが現状である。先が思いやられる。知人の働くお店に再び顔を出し、この日の結果報告と翌日のスケジュールを確認し宿へと戻るも、鍵を持って行った別行動の家族がまだ帰って来ておらず、時間が空いた為に階下のパブでやけ酒ならず景気付けのビールをカウンター席で煽る。ロンドン・プライドという初めて目にする一杯を注文し、ぬるい飲み口にロンドンのパブに居る自分を実感する。二杯目は出発前に知人業者さんからリクエストされていたギネス。こちらは一転キンキンに冷やされていて驚く。本場で飲むと味が違うかとも思ったがギネスはやはりギネスであった。翌日は最寄り駅から5時32分の始発地下鉄に乗り、更に国鉄を乗り継いで郊外の古物市へと、ロンドン在住の知人に案内して頂くことになっている。さてさてどんな出会いが待っていることだろう。
”Le Lundi 13 Février 2017 Brick Lane”
地図を片手に持ちつつ勘を頼りにただひたすら歩いていると、ようやくヴィンテージショップらしい店構えに辿り着く。果たしてそこは知人に教えて頂いた古着屋リスト内の一軒であった。何と言うことだ、こいつはついてるぞと、この幸運に感謝する。
早速店内に入り物色する。倉庫型の店内には多くの商品がカテゴリーごとに見やすく配置されていて、何か掘り出し物がありそうな気配はあるものの、結局めぼしいスペシャル品には出会えず手ぶらで外に出て、同じ通りに位置する次なるお店に向かう。
本日二ヶ所目の目的地、お洒落な名前どおり綺麗に作り込まれた店内には、ヴィンテージ衣料に合わせられるこのお店のオリジナル商品も多く展示されている。昨今の傾向なのかパリでも同じような古着屋が増えている。そこそこの品揃えながらも特別な逸品は見付からず、大きなリュックは相変わらず空っぽのまま三店舗へと足を早める。
途中、素敵な外観を持つレストランカフェらしきお店に出くわす。昼食時だが何も仕事が出来ていない状況での休憩は心咎められたので写真だけ収める。古着屋通りとしてよく知られているブリック・レーンを北上しつつ何軒かのお店をのぞいてみるも、相変わらず背中は軽いまま時間だけが過ぎてゆく。
通りから脇道に入って少し歩いたところにあった知人お薦めのお店には、格好良い店主らしき年配の男性とラジオから流れて来る音楽、イギリス国内外で買い集められた一着一着想いの込められた選りすぐりの古着達に感動しながら「これが見たかったんだ」と沸き上がる感情を抑えつつ一点一点丁寧にチェックする。フレンチヴィンテージもちらほら見られ、気になるモノも幾つかあるにはあったのだが、最終的には値段の問題もあって断念。時間にして30分も居なかったと思うが妙に充実した気分になる。また来てみたいお店に出会えたことを喜ぶのも束の間、まだ仕事が終わった訳ではないと自分に言い聞かせ先を急ぐ。
その後も二軒三軒と紹介して頂いていた古着屋を見ながら歩き続けるも、悲しいことにこの日の収穫は0(ゼロ)と予想以上に厳しい現実を目の当たりにする。噂には聞いていたがこれほどまでとは。ファッションウィーク後という時期的な問題も起因しているとは言えども酷い有様に肩を落とす。翌日予定しているロンドン郊外で月二回開催されている古物市と週末のマーケットでの巻き返しに期待するしかない。
打ちひしがれた心とは別に、体は正直で通りの外れ近くでガラス張りの店先から店内テーブルに山盛りされた肉の塊と「HOT SALT BEEF」の文字が目に飛び込んで来る。急に空腹を覚え迷わずレジ台に向かい注文。脇の立ちカウンターにて勢い良く食らいつく。肉の塩加減が絶妙で美味しい。後からわかったことだが旨いベーグル屋として有名なお店らしく、ひっきりなしにお客が訪れていたこともなるほどと納得する。美味しいモノ好きセンサーが働いた結果の偶然の出会いに満足しつつ、仕事にならなかった時間を反省しながら重い足取りのまま、前日行けなかったコベント・ガーデンの古着屋へバスと地下鉄を乗り継いで移動する。
地図を片手に持ちつつ勘を頼りにただひたすら歩いていると、ようやくヴィンテージショップらしい店構えに辿り着く。果たしてそこは知人に教えて頂いた古着屋リスト内の一軒であった。何と言うことだ、こいつはついてるぞと、この幸運に感謝する。
早速店内に入り物色する。倉庫型の店内には多くの商品がカテゴリーごとに見やすく配置されていて、何か掘り出し物がありそうな気配はあるものの、結局めぼしいスペシャル品には出会えず手ぶらで外に出て、同じ通りに位置する次なるお店に向かう。
本日二ヶ所目の目的地、お洒落な名前どおり綺麗に作り込まれた店内には、ヴィンテージ衣料に合わせられるこのお店のオリジナル商品も多く展示されている。昨今の傾向なのかパリでも同じような古着屋が増えている。そこそこの品揃えながらも特別な逸品は見付からず、大きなリュックは相変わらず空っぽのまま三店舗へと足を早める。
途中、素敵な外観を持つレストランカフェらしきお店に出くわす。昼食時だが何も仕事が出来ていない状況での休憩は心咎められたので写真だけ収める。古着屋通りとしてよく知られているブリック・レーンを北上しつつ何軒かのお店をのぞいてみるも、相変わらず背中は軽いまま時間だけが過ぎてゆく。
通りから脇道に入って少し歩いたところにあった知人お薦めのお店には、格好良い店主らしき年配の男性とラジオから流れて来る音楽、イギリス国内外で買い集められた一着一着想いの込められた選りすぐりの古着達に感動しながら「これが見たかったんだ」と沸き上がる感情を抑えつつ一点一点丁寧にチェックする。フレンチヴィンテージもちらほら見られ、気になるモノも幾つかあるにはあったのだが、最終的には値段の問題もあって断念。時間にして30分も居なかったと思うが妙に充実した気分になる。また来てみたいお店に出会えたことを喜ぶのも束の間、まだ仕事が終わった訳ではないと自分に言い聞かせ先を急ぐ。
その後も二軒三軒と紹介して頂いていた古着屋を見ながら歩き続けるも、悲しいことにこの日の収穫は0(ゼロ)と予想以上に厳しい現実を目の当たりにする。噂には聞いていたがこれほどまでとは。ファッションウィーク後という時期的な問題も起因しているとは言えども酷い有様に肩を落とす。翌日予定しているロンドン郊外で月二回開催されている古物市と週末のマーケットでの巻き返しに期待するしかない。
打ちひしがれた心とは別に、体は正直で通りの外れ近くでガラス張りの店先から店内テーブルに山盛りされた肉の塊と「HOT SALT BEEF」の文字が目に飛び込んで来る。急に空腹を覚え迷わずレジ台に向かい注文。脇の立ちカウンターにて勢い良く食らいつく。肉の塩加減が絶妙で美味しい。後からわかったことだが旨いベーグル屋として有名なお店らしく、ひっきりなしにお客が訪れていたこともなるほどと納得する。美味しいモノ好きセンサーが働いた結果の偶然の出会いに満足しつつ、仕事にならなかった時間を反省しながら重い足取りのまま、前日行けなかったコベント・ガーデンの古着屋へバスと地下鉄を乗り継いで移動する。