”Le Lundi 13 Février 2017 Liverpool Street / Petticate Lane Market”次なるマーケットへと地下鉄を乗り継ぎ移動するもなかなか見付けることが出来ず同じ道を行ったり来たりする。パリに来られたお客様方が自分の案内に寄っていかにスムーズにパリの街中を行き来出来ているかということを今回の慣れないロンドン一人買い付けにて再認識する。それが旅の醍醐味と言えばそうなのだが目的地には時間を掛けずダイレクトにアクセス出来るにこしたことはない。たまに目的外の素敵なお店に偶然出会うというラッキーな瞬間もあり、束の間の幸せに浸りつつも本来の仕事に早く取り掛かりたいというはやる気持ちを抑え地図とのにらめっこは続く。スマホにすれば済むことなのかもしれないがアナログ人間の自分にはこんな状況がお似合いである。
”Le Lundi 13 Février 2017 Vauxhall / New Covent Garden Market”ロンドン到着日の晩に宿泊先近くのパブでイギリス名物料理を食べた翌日から何故かお腹の調子が悪い。この日の朝も相変わらずで何も口にせず宿を後にする。昨年クリスマス前のガストロ(日本で言うノロウィルス)の悪夢がよぎる。マーケットが開催されているというロンドンの外れニューコベントガーデンマーケットに行ってみる。行けども行けどもその気配は無く、広大な敷地の工事現場が広がるばかり。巨大な花市と食材市を見付けるもお目当てのマーケットらしきものは見当たらず完全な勘違い。泣く泣く駅前に戻り案内所で確認するもやはり日曜のみの開催ということを知り愕然とする。これが勝手の知らない土地での最初の痛い洗礼。なかなか厳しいスタートである。気を取り直し川沿いに出て船主のようなガラス張りの奇妙なデザイン建築を見て「これがロンドンリッチ層の暮らす住まいのカタチなのか」と良し悪しも判断出来ずただただあっけにとられる。駅前のバスターミナルデザインもそうだが、それにしても何でも在りのロンドン建築群を見るに付けてパリとの違いを改めて実感する。
”Le Dimanche 12 Février 2017 Big Ben / Elizabeth Tower”時計台に刻まれた夕方6時過ぎというこの時間でも、記念写真を撮ろうとポージングする観光客で賑わうビッグ・ベンの見える交差点で人々を観察してみる。おそらく世界各国から集まって来た人達が、一目見ようとロンドンのこの場所に集まって、同じ時間を共有している。自分達もその内の一部なのだけれど。先の大きな戦争を幾つも主導してきたイギリスに身を置き、こんな時間を過ごすことの出来る平和な世の中が続くことを願う。今宵はちょっと感傷的になり過ぎか。ここでロンドン観光初日の長い一日を締めくくり、この後地下鉄に乗り込み帰宅の途に付く。前日に買い出しておいた材料を元に宿泊先で家ご飯を頂く。翌日の予定は、ロンドン在住知人お薦めのブリック・レーン界隈古着屋巡り。どんな一日になることだろう。
”Le Dimanche 12 Février 2017 National Gallery”夕方、ナショナル・ギャラリーで家族と合流し、美術の教科書に掲載されている著名な絵画にしばし魅了されながら閉館時間近くまで見学。イギリスでは美術館や博物館が無料という、とてつもない器の大きさを感じさせ、美術や芸術好きにとってはこれほど素晴らしい環境はないのではないかと思える。気軽にいつでも訪れさえすれば、最高の展示環境で、先人達の残した数々の作品を自らのリズムで、目にすることが出来る。真の豊かさとはこうゆうことなのかもしれない等と考えさせられる。ロンドン観光名所の一つである時計台ビックベンが近いということもあり帰宅ついでに立ち寄ることになり、夜の闇に包まれたトラフィルガー広場を通り過ぎ、宵を楽しむ人々で混雑する街並を歩き出す。
”Le Dimanche 12 Février 2017 Covent Garden”こちらも週末の人出で賑わう著名ショップが建ち並ぶ界隈を通り過ぎて、人もまばらな通りにひっそりと佇むお店に足を踏み入れると、昨年クリスマス前にパリへ遊びに来てくれた知人がカウンターで笑みをたたえてくれている。店主も加わってひとしきり話した後、お店の商品を物色させて頂くこと小一時間、気になるモノは幾つかありはするも値段・サイズの問題で最終的には断念し、それでも来たからにはと迷いに迷って一着だけ購入する。商品と言うより個人的な好みの品。翌々日に開催されるロンドン郊外の古物市へ案内して頂けることになり、期待感を胸躍らせながら教えて頂いた周囲に散らばる有名店を含む古着屋をハシゴするもめぼしいモノは見付けられず、カムデンタウン後に別行動を取った家族の待つナショナルギャラリーに向かう。途中、数年前に両親を連れて訪れたパブの前を通り過ぎた。
”Le Dimanche 12 Février 2017 Camden Town”買い物客で混雑するマーケットを見て回るも自分が買い付けたいモノは無く、交通事故後再び歩けるようになってから長時間歩行時に愛用しているNEW BALANCEスニーカーのMADE IN ENGLAND仕様を探すも気に入るデザインのモノは見付けられず意気消沈。また煉瓦作りの建物と運河沿いの景色は、両親の故郷である小樽運河を思い起こさせ、次回はいつ訪れることが出来るのだろうかとしばし感傷的になる。世界各国の屋台が建ち並ぶ賑やかな高架下の食どころにて昼食を済ませ、今回色々とロンドンの情報を提供して頂いた知人の働くお店のあるコベントガーデンへ早々に移動する。
”Le Dimanche 12 Février 2017 Buckingham palace”日曜日の朝は月に一度の、あるアンティークマーケットが開催されているというにも関わらず、買い付け仕事そっちのけで家族と共に英国王室一家のお住まい、有名なバッキンガム宮殿の衛兵交替式を見学へ。柵前に陣取り待つこと一時間、体も冷えきった中ようやく交替要員のお出ましの後、更に凍り付くような寒さの中で震えながら一時間近くに及ぶ「儀式」に魅了される。冬の間は二日に一度のお披露目だそうですが、ずっと以前から繰り返されてきたであろう目の前で当たり前のように行われているリアルな英国の伝統と規律を重んじる姿に圧倒される。指揮官クラスが着用していたダブル仕様コートのデザインが格好良い。イギリス・ミリタリーモノの魅力を垣間見る。終了後は近くのカフェに飛び込み熱いコーヒーで暖を取る。その後は地下鉄で移動しカムデン・タウンのマーケットへ。