長倉のシュートがゴールに突き刺さったときは、「やった!」と思ったのだけどなあ。
オフサイドの判定で、ぬか喜びに変わってしまった。
結局、2-3で痛い1敗を喫してしまった。
先発メンバーの発表を見た時に、今日の試合は楽しみだと思ったのだった。
攻撃陣に一度並べてみたいと思った顔ぶれが並んでいるからだ。
小野、高木、元希、太田。
いずれも決定力があるから、大いに期待した。
ところが開始わずか5分で、前節同点ゴールを決め、最も期待していた高木が右足太もも裏を痛めて交代せざるを得なくなって、一気に暗転した。
代わって前節の先発メンバーと同じように鈴木が入ったが、全体的に高木退場のショックを引きずったように見えた。
新潟の選手たちの動きが鈍く見え、1歩目で神戸の選手たちに負けていた。
いつもは華麗なパス回しがミスばかりで、簡単に相手にボールが渡ってしまう。
神戸が前試合から何人も選手を交代して先発起用しているというのに、そのメンバーに対して全然ボールを保持できない。
こんなの新潟じゃない、と思うくらいへたくそなサッカーをしていた。
神戸の選手たちに対する寄せも甘いから、相手は伸び伸びプレーして、新潟のよさを完璧に吸い取っていた。
だから、前半15分、25分と、ゴール前に出されたボールを簡単に得点されてしまっていた。
なにしろ敵陣にボールを運べないのだから、チャンスも何もない。
ペナルティエリアに進入できたのは1回のみで、まともにシュートさえ打っていない。
それが、このハーフタイムを迎えたときの前半のスタッツに現れていた。
今日は惨敗だな、と思っていたが、後半の入りから新潟がボールをもって攻め込む場面がよく見られるようになった。
すると、51分、ペナルティエリア左から進入した元希のクロスに、藤原が左足で滑り込みながらゴールを決めた。
2対0の試合は怖い、とよく言われるが、これで1点差。
試合時間もたっぷりあるし、なるほどどんな展開になるのかわからないぞ、と思ったのであった。
ところが、その5分後、神戸のチャンスでボールがゴール前に上がったとき、CB遠藤が痛恨のオウンゴールをおかしてしまい、1-3。
2点差となって、盛り上がった機運は、しぼまざるを得なかった。
そのうえ、神戸は、大迫、武藤、酒井、山口と、かつてのW杯出場メンバーを次々に繰り出してきた。
経験のある彼らを使って逃げ切りを図ろうという狙いが見て取れた。
今日も負けか…と見ている人は勝手に思うものだが、新潟の選手たちは勝利をあきらめていなかった。
76分、コーナーキックから舞行龍が頭でつないだボールを、いったんは転倒しながらすばやく起き上がってヘディングでゴールを決めたのは、先ほど失点に絡んだ遠藤だった。
まだ時間はある。とにかくあと1点がほしい。
ボールがあっちに行ったりこっちに行ったりしながら試合が進んでいた89分、前線から飛び出した鈴木が丁寧に頭でゴール前にパスを送ると、そこに飛び込んだ長倉のボールが、しっかりとゴールネットを揺らした。
やったあ、同点だ!
…と思ったら、ギリギリのオフサイド。
鈴木の飛び出しがほんの少しだけ早かった。
結局、同点には追いつけないまま、試合は終了。
かえすがえすも、惜しいオフサイドだった。
ハーフタイムでのスタッツと比較すると、後半の奮闘ぶりが分かる。
だが、負けは負けでしかないというのが勝負の世界の厳しいところだ。
広島、神戸、浦和、横浜Fとリーグ優勝経験のある強豪との対戦が短いスパンで続く5月。
なのに、けが人ばかりが増え、選手層がどんどん薄くなっていく新潟。
うーん、不安だ。
広島戦、神戸戦と、勝利に結びつけられなかったが、接戦を演じることはできていた。
だから、新潟に力がないわけではないのだよなあ。
毎度のことだが、あの後半の戦い方が試合の前半からできれば…と思ってしまった。
今日の先発メンバーなら、あの後半の戦い方が最初からできるのではないかと期待していたのだけどな。
前からプレスをかけてくる相手をはがして攻めることができれば、勝利に近づくことだろうな。
めげている暇はない。
次は、ホーム戦とはいえ、対戦相手はあの「浦和」だ。
デンカビッグスワンスタジアム、きっとやかましいだろうなあ。
だけど、打ち破って、2年前恒例だった「ホーム、強いっすねえ」の復活を期待したいなあ。
Visca Albirex !!