病院の敷地に入ると、駐車場の片隅に、すっくとその植物は立っている。
下を見ると、枯れた芝に見え隠れして、タチアオイの葉が少しある。その株の近くから、すっくと立っているその植物は、細かい毛のような、白いとがったとげのような茎を持っている。
葉まで見ると、見覚えがある。
この葉は、夏によく見ていた、あの黄色い大輪の花を咲かせる…
ひまわりだ!
ひまわりが、冬を迎えたこの時期でもまだ枯れずに残っている。
中心部分には、きゅっと固く結んだつぼみを有している。
冷たい北風に吹かれ、吹雪にさらされ、葉はこのひと月の間にいたく傷ついた。
しかし、劣悪な環境にさらされながらも、まだひまわりは、立っている。
私は、勝手に「ど根性ひまわり」と名付けて、毎日娘の病室に行く前に、そのひまわりに目をやる。
ひまわりは、前にも書いたが、娘の好きな花だ。
新潟の冬は、寒い。
ひまわりの好む太陽の光は、本当に少ない。これからの寒さを考えると、花を咲かせることなく、やがてきっと枯れるとは思う。
だけど、ここまで風雨にも吹雪にも寒さにも負けず、枯れずにがんばっている。
困難に負けずに立ち向かっているその姿に、心打たれる。
がんばれ、娘の好きな花、ひまわり。
その姿のごとく、娘も、病に負けずがんばってほしい。
そう願いを込めている。
負けるな、ど根性ひまわり!