ON  MY  WAY

60代を迷えるキツネのような男が走ります。スポーツや草花や人の姿にいやされ生きる日々を綴ります(コメント表示承認制です)

風花舞う季節

2016-03-12 22:44:40 | 生き方
3月も中旬に入った。
東京大空襲の日、東日本大震災の日、と大きな災害のあった日が続く。
東京大空襲の日は、父の誕生日であった。
56歳で亡くなった父が生きていれば、88歳。
喜寿を迎えていたことになる。
その翌日が、5年を迎えた震災の日。
5年前に書いたことがあるが、いわき市は母の出身地である。
東日本大震災では、福島県沿岸の母方の親類たちが大変な被害にあった。

…こうして、3月のこの連続した日は、両親を思い出すことになるのである。
そして、もう1日、今日3月12日に関しても実は母の災難の思い出とつながる。

それは、2003年のその日だった。
母の手術日である。
11月に一時は余命1か月と言われた母が、つらい抗がん剤治療を乗り越え、さらに胃と胆のうを全摘し、すい臓も3分の2摘出という大手術をした日であった。
手術の日は、寒い日だった。
手術室の前でずっと待っていた時は、何も手がつかず外を眺めることが多かった。
はらはらと風花が舞っていた。
雪と呼ぶにはあまりにも少なく、あまりにも軽く空中を漂っていた。
がんと闘う母の命が、その風花と同じようにすごく軽く感じられた。

長い時間の胃等の摘出手術が終わり、ストレッチャーに乗せられて手術室から出てきた母は、意識があるのかないのかわからないが、目をつぶったまま、子どものように「痛でよ~、痛でよ~。」と繰り返しつぶやいていた。
そこから復活し、一時は退院して元気になったかと思われたこともあった母だったが、その手術の2年後に亡くなったのだった。

東日本大震災でも、被災したあちこちの地域でも、雪や風花が舞うのをよく見かけた。
今年の3月11日の朝も、こちらでは風花が舞っていた。
青空だというのに、空からはらはらと軽い風花が降りてくる。
この時期は、風花舞う季節だなと思う。

春が近づくことを感じもするのだが、災難の思い出とも重なる3日間である。



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 白鳥たちが北へ帰って行った | トップ | 2016J1ホーム初観戦 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

生き方」カテゴリの最新記事