先月、久々に少し大きな書店に行った。
だいたい見る場所は決まっているのだが、最後にその店内をぐるぐるっと回ってみた。
登山関係の本が並ぶところで見つけて、びっくりしたものがあった。
本屋だから、その見つけたものはもちろん本なのだが、実は、昔刊行されたマンガである。
もともとは単行本で出ていたのだが、そのときには、3冊分くらいの分冊で出ていたマンガ本である。
それが、文庫本のサイズになっていて、それでいて1冊にまとめられている。
だから、並んでいた本は、1冊1冊がすごく分厚い。
でも。なんでこんなコーナーにマンガ本が並んでる…?
並んでいたマンガ本の書名を見ると、納得する。
● おらが村
● マタギ
● ニッポン博物誌
● 幻の怪蛇 バチヘビ・シロべ
など…。
そして、著者名を見るとなおさら納得する。
この著者は、矢口高雄。
あの「釣りキチ三平」を書いたマンガ家だ。
釣りのことがマンガになるなんて…と連載当時は思っていたのだが、しっかりした絵と専門的な知識を有した作品で、感心していたことは確かだった。
そして、秋田の寒村を舞台にその暮らしを描いた「おらが村」は、たしか全巻買って読んだ、私好みの自然が満載の作品だった。
矢口氏には、マンガではなく文庫本で読み物として出されたものに、「ボクの先生は山と川」という著書もあり、秋田の田舎に対する郷土愛がいっぱい感じられた。
そんな矢口高雄氏のマンガが、なぜ再発売しているの?
そう思って、出版社をみると、「山と渓谷社」であった。
そうかあ、なるほど、登山や自然とかかわる出版社だものなあ。
山と渓谷社、グッジョブです。
迷ったけれども、まだ読んだことがなかった本を1冊購入。
それが、「マタギ」。
厚さは、4cm近い。
ページ数を調べると、なんと831ページ。
分厚いので、文庫本なのに、金額が1600円+税。
いささか高価だと思ったが、矢口氏のマンガなら、良質な絵とストーリーが楽しめるはずと思って、買うと決めた。
読み終えた。
さすが第5回日本漫画家協会賞大賞受賞作。
特に、どう猛な熊とマタギの対決を描いた、「野いちご落とし」という話は、秀逸であった。
「野いちご落とし」とは、離れた距離の野いちごも撃ち落とすから、その異名を得たマタギのことを言うのかと思って読み進むと、それは、熊の子育てに関しての非情な習慣からきていると知り、うなってしまった。
それ以外にも、マタギの生活や伝承、野生動物の習性などは、よく調べたものだと感心した。
矢口氏は、昨年、故人となってしまった。
でも、30歳で銀行員をやめてマンガ家になってくれたから、こうして新境地を切り拓いて民俗にかかわるジャンルのマンガを読むことができるようになったのだ。
すばらしい業績を遺してくれた、と改めて思う。(合掌。)
だいたい見る場所は決まっているのだが、最後にその店内をぐるぐるっと回ってみた。
登山関係の本が並ぶところで見つけて、びっくりしたものがあった。
本屋だから、その見つけたものはもちろん本なのだが、実は、昔刊行されたマンガである。
もともとは単行本で出ていたのだが、そのときには、3冊分くらいの分冊で出ていたマンガ本である。
それが、文庫本のサイズになっていて、それでいて1冊にまとめられている。
だから、並んでいた本は、1冊1冊がすごく分厚い。
でも。なんでこんなコーナーにマンガ本が並んでる…?
並んでいたマンガ本の書名を見ると、納得する。
● おらが村
● マタギ
● ニッポン博物誌
● 幻の怪蛇 バチヘビ・シロべ
など…。
そして、著者名を見るとなおさら納得する。
この著者は、矢口高雄。
あの「釣りキチ三平」を書いたマンガ家だ。
釣りのことがマンガになるなんて…と連載当時は思っていたのだが、しっかりした絵と専門的な知識を有した作品で、感心していたことは確かだった。
そして、秋田の寒村を舞台にその暮らしを描いた「おらが村」は、たしか全巻買って読んだ、私好みの自然が満載の作品だった。
矢口氏には、マンガではなく文庫本で読み物として出されたものに、「ボクの先生は山と川」という著書もあり、秋田の田舎に対する郷土愛がいっぱい感じられた。
そんな矢口高雄氏のマンガが、なぜ再発売しているの?
そう思って、出版社をみると、「山と渓谷社」であった。
そうかあ、なるほど、登山や自然とかかわる出版社だものなあ。
山と渓谷社、グッジョブです。
迷ったけれども、まだ読んだことがなかった本を1冊購入。
それが、「マタギ」。
厚さは、4cm近い。
ページ数を調べると、なんと831ページ。
分厚いので、文庫本なのに、金額が1600円+税。
いささか高価だと思ったが、矢口氏のマンガなら、良質な絵とストーリーが楽しめるはずと思って、買うと決めた。
読み終えた。
さすが第5回日本漫画家協会賞大賞受賞作。
特に、どう猛な熊とマタギの対決を描いた、「野いちご落とし」という話は、秀逸であった。
「野いちご落とし」とは、離れた距離の野いちごも撃ち落とすから、その異名を得たマタギのことを言うのかと思って読み進むと、それは、熊の子育てに関しての非情な習慣からきていると知り、うなってしまった。
それ以外にも、マタギの生活や伝承、野生動物の習性などは、よく調べたものだと感心した。
矢口氏は、昨年、故人となってしまった。
でも、30歳で銀行員をやめてマンガ家になってくれたから、こうして新境地を切り拓いて民俗にかかわるジャンルのマンガを読むことができるようになったのだ。
すばらしい業績を遺してくれた、と改めて思う。(合掌。)