2021シーズン最終戦を迎えた。
6位アルビレックス新潟対5位町田ゼルビア。
一昨年までのやり方なら、5位と6位の順位が決まる対戦であり、そのあとの昇格プレーオフに進むための一戦となるのだが、COVID-19感染症に伴い、昨年も今年も昇格プレーオフはない。
今年の興味は、アルベルト監督の指揮をとる最終戦ということだったのだが、昨日から田中達也のラストゲームの方に行ってしまった。
試合前の先発メンバーの発表では、背番号14 田中達也」の名前がコールされると、大きな拍手がわき起こった。
ビジョンに今年初めて映し出された彼の映像は、他の選手よりも長い時間となっていた。
試合が始まると、田中達也は、引退する選手とは思えないような軽い動きでプレーしていた。
公式戦の出場が1年ぶりとは思えないほど自然に、ボールを運んだり奪おうとプレッシャーをかけたりしていた。
シュートも1本打つチャンスがあった。
新潟の試合の進め方は、ずうっと1年変わらなかった。
いつものようにボールを保持し、攻めようとする。
それに対し、町田は、強いプレスをかけてくる。
新潟は、それをかわしてパスをつなごうとするが、町田は各選手への寄せが早く、なかなか前へは運べない。
前半途中から町田のペースになり、新潟のチャンスは少なくなってきた。
やがて、あっという間に30分が経過したところで、選手交代。
田中→三戸。
ここで、両チームの選手たちが両脇に立って、花道をつくり拍手で送った。
スタジアム中の観衆12,000人近くが、拍手を行った。
両チームの監督やスタッフ、審判たちもラインの外側に並んで、達也をたたえ拍手を送っていた。
感動的なシーンだった。
両チームの監督も、彼をハグしてねぎらっていた。
退場する達也の目からは涙がこぼれていたようだった。
達也のために、できれば交代までに得点を挙げてほしかった。
だが仕方ない。
あとは、名誉のためにも負け試合にしてほしくはなかった。
ところが、彼がベンチに下がって10分後、町田に先制を許してしまった。
なんてこった!
こうなれば、後半、逆転だ。
そのために、アルベルト監督は、次々と選手を代えて打開を図った。
ホーム最終戦だぞ。
監督の最終戦だぞ。
達也の選手生活最後の試合だぞ。
がんばれ、同点に追いつけ。
そんな願いも空しく、後半23分、追加点を奪われてしまった。
町田は、新潟対策がしっかりしていたように思う。
ボールを奪うと、スペースへスペースへと、人とボールを動かす。
これは、口だけでなく、繰り返し練習したのだろう。
だから、ボール支配率は新潟が6割を握るのだが、いざボールを保持したときには町田の方がシュートまでいく。
シュート数は、ダゾーンによると、町田11本(枠内7本):新潟6本(枠内2本)。
公式記録では、町田10本:新潟3本。
ここに、前々から書いている、今季の特に後半の課題が如実に表れている。
保持したボールから、ゴール前にどのようにしてよいボールを入れるか。
どのようにしてそのボールをゴールに入れるか。
これが、クリアすべき来季の課題となるはずだ。
結局、0-2で試合終了。
前回対戦と同じスコアで敗れてしまった。
2021シーズン、J2新潟の最終成績は、
6位。
勝ち点68。
18勝10敗14引き分け。
得点61 失点40 得失点差21。
J1昇格は逃した。
だけど、ボールが動くサッカーは面白かった。
イニシアチブを握って、試合をするサッカーは、来季も続けてほしい。
そのためには、そういうゲーム作りに長けている指揮官が必要だ。
さて、次はどんな人を監督として迎えるのだろうか…?
試合後は、最終戦セレモニーと田中達也引退記念セレモニーが行われたが、それについてはまた後日書くことにする。