俺はワルポンだっ!

ちょいワルおやじを卒業したワルポンの斜め下から見た現代社会

『トンチンカンな相槌』

2007-12-07 22:20:59 | Weblog
ワルポンの小さい頃は、「寄り合い」があると、必ずと云ってよいほど酒が出て、爺さん婆さん父さん母さんが入り乱れて、順番に手拍子で民謡が始まるものでした。今で言うカラオケ大会のようなものでした。

唄は夜更けまで延々と続き、会のお開きは三々五々の流れ解散でした。最後まで残っているのはいつも決まった爺さんで、ベロベロに酔っ払って酒臭い息を吐いて、同じ話を何回も何回も繰り返し聞かされるので、相槌も打たずに、いい加減に聞き流していると怒り出す始末、いつも嫌になって、「お酒の燗をつけて来る」とかいって逃げ出したものです。その上、我々子供が送っていく羽目になるのです。

東北は「民謡の宝庫」だとよく言われます。
津軽じょんがら節、南部牛追唄、ドンパン節、真室川音頭、さんさ時雨、会津磐梯山などは、その頃聞いて、自然と覚えてしまった民謡です。

秋田音頭は中でも、その軽快な調子とタイミングの良い合いの手が耳について離れません。
(ヤアートセー)
こりゃ 秋田音頭です
こりゃ 秋田名物 八森はたはた 男鹿で男鹿ぶりこ 
(アーソレソレ)
能代春慶 桧山納豆 大館曲げわっぱ 
(ハイ キタカサッサー ヨイサッサ ヨイナー)

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人と人が会話する時も相槌を打って聞くと、話す方も話にのりやすく、弁舌もつられてさわやかに滑らかになります。
相槌と言っても、黙ってうなずく場合もあれば、「ハア」とか「ハイ」とか、「ウンウン」、「エェ」、「ソレデ」、「ナルホド」の合いの手を入れる時もあります。

けっして話を取ってはいけません。聞き上手と云われる人は適度の間隔を持った相槌を打てることだと言われています。早口の人ゆったり話す人、センテンスの長い人短い人、小さい声の人大声の人・・・など、人によって異なります。

内緒話、叱責を受けている時、褒められている時、教えを受けている時、昔話や自慢話を聞かせられている時、困りごと相談を聞く時・・・など話の内容によっても違います。
一対一の時、一対複数人の時・・・など場面でも違うと思います。

小泉さんの演説を聞いて、いちいちうなずくご婦人もいれば、「ソーダソーダ」、「ドーカン」とか大声を張り上げる男性もいます。
電車でも、まるで自分の家ででも話してるような会話と相槌過剰なオバサンも多いですねェ。
そんなのの隣の席になったら、うるさくて堪りません。

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相槌を辞書で引くと、〔①刀を鍛える時などに打ち合わせるつち、②人の話に調子を合わせること〕とありました。鍛冶屋が「トンテンカン トンテンカン」とリズミカルに調子を合わせて刀を打つことによって名刀が生まれるそうです。「トンチンカン トンチンカン」と云うのも鍛冶屋の槌音とのことで、これでは名刀は生まれないようです。

秋田音頭的な相槌を打つ人が時としておりますが、漫才じゃないんだから・・・。 それでは話し相手を怒らせてしまいます。聞き上手とはいえません。

会話での微妙なさりげない相槌を打つ「間」の取り方の難しさ・・・。

くれぐれもトンチンカンな相槌を打たないように・・・!