2018年8月14日、日本全国知事会が米国トランプ政権と安倍自公政権に対し、「日米地位協定の抜本的見直し」を提言した。米軍基地は全国30都道府県に存在し、専用施設だけでも、沖縄の外、青森、神奈川、東京など13都道府県に及ぶ。基地が存在しない自治体でも、米軍機が飛行訓練などを実施している。
この度の提言は上記30都道府県だけでなく、米軍基地が存在しない府県も含めた日本全国47都道府県全知事の決意をまとめた「提言」である。翁長雄志・沖縄県前知事による「基地問題は一都道府県の問題ではない」との訴えを受けて今年7月の全国知事会議で全会一致で採択したものである。安倍自公政権は、所信表明演説で強調した「国民と共に」国作りを目指す決意が本心ならば、断じてこの「提言」を無視する事はできないはずである。
ちなみに提言内容は、航空法や環境法令などの日本国内の法令を米軍にも原則適用する事や、事件・事故時の自治体職員の基地への立ち入りなどを日米地位協定に明記する事、米軍機の低空歩行訓練については、時期やルートに関する情報を事前に提供する事、基地の使用状況なども点検し、縮小・返還を促す事などである。これらの内容について米国は同盟国であるヨーロッパの国々には当然の権利として認識しているにもかかわらず、日本には一切認めていない(安倍自公政権も求めていないのであるが)という一方的差別的内容となっているのである。
安倍首相は沖縄県知事・玉城氏の強い要請に応えざるを得ず、10月12日に会談したがその際、玉城氏が「辺野古の新基地建設には反対である。沖縄の声に真摯に耳を傾けてほしい」と対話の解決を求めたのに対し、首相は「政府の立場は変わらない」と建設を進める方針を改めて述べたようであるが、この態度は沖縄県民だけでなく、全国民を愚弄するものであり、国民主権を理念とする憲法を否定した態度であり許す事はできない。安倍自公政権はこの「提言」について、所信表明演説「国民とともに国作りをする」にもとづき、何よりも先ず言行一致で応えるべきであろう。辺野古新基地建設工事を進める事は道理をはずれている。
(2018年11月1日投稿)