今日も損切り!徒然なる列車

損切続きの人生ですが、そんな事は忘れて鉄道旅や鉄道模型とかの話、日常生活での発見や思い浮かんだ話とか書いてみます。

31年前の北海道旅行58

2009-02-09 21:45:58 | 鉄道旅行
  羽幌には1823、ほぼ定刻に着いた。この駅は天売、焼尻への玄関口。それ以外に立ち寄る観光客もないせいか、駅の売店のオッサンがSに「島に行くの」と問いかけている。
  駅を出てYHへ急ぐ。駅前通を左に折れて、羽幌の町を通る広い道を南へと歩く。どうやら、あの男みたいな女と男もYHに向かう様子である。我々の前には、この二人ともう一人男が歩いている。他に人影もなく、ここもまた静かな町だ。
  YHのガイドブックには歩いて15分とあるが、羽幌線を越える道にたどり着くまでに15分位かかった。りっぱな役場を右手に見た後左に折れる。線路を越えると右手に夕闇の中に池が見える。このあたりは公園のようだ。その向こうにYHらしき建物がある。ひっそりした小高い丘の中腹にある。
  YHに着くと、我々の前を歩いていたさっきの3人が受付にいる。例のごとくカードに必要事項を記入。ここのYHは全員にシーツを出してくれる。私はシーツを持ってきたと言うと、シーツ代は取っていないから使えと言う。
  我々の部屋は変な名前のついた鳥の名前である。カーペットを敷いた集会室らしきところを抜け、連絡道のような廊下を通り、右に曲がるとさらに長~い廊下が続く。その突き当りを左に折れたところに部屋が並んでいる。Sが、「小学校の建物見たいや」と言ったが、なるほどそのような建物で、食堂などは教室のようである。
  食事は、新聞紙を上に載せてテーブルの上に置いてあった。味噌汁、メシはそれぞれジャーの中に入れてあり暖かい。おかずも良かった。魚があったのを覚えているが、他は思い出せない。今回の旅で泊まったYHの夕食はどこも内容の悪いものはなかった。
  夕食後フロに入る。このYH内に 張り出してある日課表には、フロは7時30分までとしてあった。夕食を食べ終わると7時30分を回っていたが、YHに着いて受付で金を払っている時に、「フロ入れます」 と言っていたのを信用してフロへ行く。 誰もいなかったが、まだ入れるようだ。私が入るとすぐに同室者らしき真っ黒に日焼けした二人組が入ってきた。彼らは車で来たと言う。Sはトイレで、ちょっと遅れてやって来た。
  フロを出て自室へ戻ろうとすると、「ミーティングやるから来ない?」と言う長期滞在ホステラーの声。私は自室に戻り、先にフロを出た二人組にミーティングがあることを知らせた。彼らも同様に声をかけられて知っていたようだ。その後、フロに入っているSにミーティングがあることを告げ、玄関近くの集会室へ行く。

31年前の北海道旅行57

2009-02-02 21:10:47 | 鉄道旅行


  幌延1458着。羽幌線は1602発なので、一旦駅改札を出なければならない。我々の向かいにいた男女も降りた。駅のベンチで一服。Sはまた喫茶店を探すと言って外へ出て行った。だが、今日は日曜でどこも閉まっていると言って戻ってきた。私は自販機の缶入りファンタで済ましておく。
  1602発深川行はキハ22の2連。ところが、乗車したのは20人足らずだったろうか。我々の乗った2両目は5人ほどで皆観光客。我々以外の3人は中年のオバちゃんで、この人たちも我々と同じ羽幌まで行くらしい。先ほどの男みたいな女を連れた男は1両目に乗ったようだ。こんな空いた列車が2両で、さっきの超満員が1両とは納得がいかない。
  列車は幌延3番ホームから稚内方向に走り出した。このため、海側だと思っていた席は山側となるので座席を変更。我々は一人1BOXをとる。列車が稚内方向へ戻るため、驚いた3人連れのオバちゃんが私に「これ羽幌線の列車?」と聞いてきた。
  列車は左に大きくカーブを描いて南行する。西側には日本海が望めるのだが、まだこのあたりでは見えない。天塩あたりまでは、左手に低い山も見られるが、ほとんど草原の中を走る。この沿線は、冬、厳しい北西風が吹くところで、人家もまばらでどことなく寂しく感じる。
  天塩はその中では少し大きな町だが、それでもビルのような高い建物はほとんどない。7~8分停車。入場券、スタンプを求めて改札を出る。戻ってくると、ホームの1両目付近に10人位の人垣ができている。どうやら新婚旅行の見送りらしい。



   反対列車の遅れで、この深川行も遅れて天塩を出る。少し乗車率は向上したが、それでも20%ほど。私はまわりに誰もいないBOXで金銭の計算をしたところ、予定外の利尻へ渡ったことから、所持金にあまり余裕がないことが判明した。そのため、この先列車が長く停まる遠別、初山別では入場券を買わないことにする。もっとも、列車が遅れていたのと、ローカル線にしては駅構内が広く、列車から下りホームにある駅舎までかなり離れていて、疲れ気味の体が反応しなかったこともある。
  列車は次第に低い山稜と谷が交互に連続して海にせり出した地形を走る。そのため小さな鉄橋、トンネル、切通しが連続する。海岸段丘が海に迫ったがけすそは長大鉄橋で通り抜ける。一日数往復のローカル線としては、かなり金をかけたのではないかと思わせる線区である。
  羽幌近くになると、日本海に日が沈むのが眺められる。日没後のやや青みがかった夕焼けの西の空に浮かぶ一群のどす黒い暗灰色の雲間に、残照を映して朱色に染まった雲が見える。このコントラストが何とも言えぬ、気持ち悪い人にはそう見えるし、美しいと思う人にはそう見える変わった空だ。その下に、どちらが天売か焼尻かわからないが、一方は凸凹があり、他方は平べったい対照的な二つの島影が見える。
  築別では、炭鉱鉄道の廃線跡を探す。築別を出てこの列車としばらく並行に線路の跡が延び、、東の方へと向かう廃線跡がはっきりと確認できる。築別を出ると次は羽幌である。ここにも炭鉱用の鉄道があったように思うし、名羽線の工事もあるから羽幌に着くまで外を見ていたのだが確認できなかった。