今日も損切り!徒然なる列車

損切続きの人生ですが、そんな事は忘れて鉄道旅や鉄道模型とかの話、日常生活での発見や思い浮かんだ話とか書いてみます。

31年前の北海道旅行57

2009-02-02 21:10:47 | 鉄道旅行


  幌延1458着。羽幌線は1602発なので、一旦駅改札を出なければならない。我々の向かいにいた男女も降りた。駅のベンチで一服。Sはまた喫茶店を探すと言って外へ出て行った。だが、今日は日曜でどこも閉まっていると言って戻ってきた。私は自販機の缶入りファンタで済ましておく。
  1602発深川行はキハ22の2連。ところが、乗車したのは20人足らずだったろうか。我々の乗った2両目は5人ほどで皆観光客。我々以外の3人は中年のオバちゃんで、この人たちも我々と同じ羽幌まで行くらしい。先ほどの男みたいな女を連れた男は1両目に乗ったようだ。こんな空いた列車が2両で、さっきの超満員が1両とは納得がいかない。
  列車は幌延3番ホームから稚内方向に走り出した。このため、海側だと思っていた席は山側となるので座席を変更。我々は一人1BOXをとる。列車が稚内方向へ戻るため、驚いた3人連れのオバちゃんが私に「これ羽幌線の列車?」と聞いてきた。
  列車は左に大きくカーブを描いて南行する。西側には日本海が望めるのだが、まだこのあたりでは見えない。天塩あたりまでは、左手に低い山も見られるが、ほとんど草原の中を走る。この沿線は、冬、厳しい北西風が吹くところで、人家もまばらでどことなく寂しく感じる。
  天塩はその中では少し大きな町だが、それでもビルのような高い建物はほとんどない。7~8分停車。入場券、スタンプを求めて改札を出る。戻ってくると、ホームの1両目付近に10人位の人垣ができている。どうやら新婚旅行の見送りらしい。



   反対列車の遅れで、この深川行も遅れて天塩を出る。少し乗車率は向上したが、それでも20%ほど。私はまわりに誰もいないBOXで金銭の計算をしたところ、予定外の利尻へ渡ったことから、所持金にあまり余裕がないことが判明した。そのため、この先列車が長く停まる遠別、初山別では入場券を買わないことにする。もっとも、列車が遅れていたのと、ローカル線にしては駅構内が広く、列車から下りホームにある駅舎までかなり離れていて、疲れ気味の体が反応しなかったこともある。
  列車は次第に低い山稜と谷が交互に連続して海にせり出した地形を走る。そのため小さな鉄橋、トンネル、切通しが連続する。海岸段丘が海に迫ったがけすそは長大鉄橋で通り抜ける。一日数往復のローカル線としては、かなり金をかけたのではないかと思わせる線区である。
  羽幌近くになると、日本海に日が沈むのが眺められる。日没後のやや青みがかった夕焼けの西の空に浮かぶ一群のどす黒い暗灰色の雲間に、残照を映して朱色に染まった雲が見える。このコントラストが何とも言えぬ、気持ち悪い人にはそう見えるし、美しいと思う人にはそう見える変わった空だ。その下に、どちらが天売か焼尻かわからないが、一方は凸凹があり、他方は平べったい対照的な二つの島影が見える。
  築別では、炭鉱鉄道の廃線跡を探す。築別を出てこの列車としばらく並行に線路の跡が延び、、東の方へと向かう廃線跡がはっきりと確認できる。築別を出ると次は羽幌である。ここにも炭鉱用の鉄道があったように思うし、名羽線の工事もあるから羽幌に着くまで外を見ていたのだが確認できなかった。