☆名の由来
浜辺に一羽の鳥がささくれて落ちていた。
羽の色と、嘴の大きさから、翡翠(カワセミ)であろう。
海を見ようと、谷川を下ってきて、事切れたということか。
海水で洗ってやるべく、
そして遠く旅立たせてやるべく、
鳥を海原へ放る
三十分もすると、鳥は砂浜に打上げられている。
それを再び海へ押出す。
しかし程なく砂浜へ打上げられる。
何度海にやっても、戻ってくる。
それではと、砂丘を深く掘って、埋めてやる。
それから十年。
鳥を埋葬したものが、そこを堀返すと、
美しい翡翠(ひすい)が一個飛び出した。
いや一羽の翡翠(カワセミ)というべきかもしれない。
☆