波乱の海をぶじ目的地へ

現世は激しく変動しています。何があるか判りませんが、どうあろうと、そんな日々を貧しい言葉でなりと綴っていけたらと思います

名の由来

2015-03-17 09:13:12 | 散文



☆名の由来




浜辺に一羽の鳥がささくれて落ちていた。

羽の色と、嘴の大きさから、翡翠(カワセミ)であろう。

海を見ようと、谷川を下ってきて、事切れたということか。

海水で洗ってやるべく、

そして遠く旅立たせてやるべく、

鳥を海原へ放る

三十分もすると、鳥は砂浜に打上げられている。

それを再び海へ押出す。

しかし程なく砂浜へ打上げられる。

何度海にやっても、戻ってくる。

それではと、砂丘を深く掘って、埋めてやる。

それから十年。

鳥を埋葬したものが、そこを堀返すと、

美しい翡翠(ひすい)が一個飛び出した。

いや一羽の翡翠(カワセミ)というべきかもしれない。




   ☆