波乱の海をぶじ目的地へ

現世は激しく変動しています。何があるか判りませんが、どうあろうと、そんな日々を貧しい言葉でなりと綴っていけたらと思います

動物園2

2016-08-05 14:28:18 | 短詩





動物園には
人間だけでなく
周辺の
町や山や海から
さまざまな生きものたちが
動物を見にやってくる
近いところでは
雀、カラス
猫や犬
少し離れた山からは
キツネ
タヌキ
アライグマなど
飼われていた
オウムやインコが
動物園の動物見たさに
逃げてくる例が
最近特に多いとか
近くに人間もいないのに
テメー
コノヤロー
オレヲナメヤガッテ
ヤルカコンチキショー
などと息巻いているのは
その類らしい
たまに
ウオー
なんて唸り声がするが
これは本当のライオンが
檻の中で吠えているのか
オウムがライオンを真似ているのかは
定かでない
まだいた
これは動物見たさにではなく
動物園の動物たちの
豊かな餌を狙って
海からやって来る
カモメの群れ


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動物園

2016-08-03 19:48:22 | 短詩





ライオンが
檻の奥に引っ込んでいる
両親と来ていた幼児が
「出て来い!」
と金切り声を上げた
何度も叫んでいると
奥からライオンが出て来た
ライオンは
幼児を認めると
大きな欠伸を一つした


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危険な遊び

2016-07-10 06:03:14 | 短詩


目を瞑り

花火を待ちて

脳飛ばす


飛ばした後

頭が空っぽになって

さっぱりして

帰っていく


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雑詠 3

2015-11-13 18:13:09 | 短詩

◇木の実の嘆き


今の子は

ゲームとか怪獣ばかりで

木の実を集める

趣味なんかまったくない

せっかく縁側に音高く落ちても

顧みるものはなく

床の隙間にはさまれて

萎んでいく

夕日が紅く染めあげて

燃やしてくれるのを待つだけだ



◇雪虫


雪虫が目に飛び込んで

ゴミになった

雪なら解けて

目を洗ってくれるのに

ゴミになった

痛い!



◇焼き芋屋


焼き芋を商う声が

路地を通っている

冷たい闇から叫びあげる

あたたかい声

この声がするうちに

寝てしまえばいい






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雑詠2

2015-11-12 17:28:46 | 短詩


◇枝先に星が出るまで




下校の子らが立ち去った

銀杏の木の下

落葉が荒らされ ぼこぼこになっている

そこを犬が 子供の匂いを嗅ぎまわって

また荒らす

これは健太だ

いや違う

隣の家の 房子だ

その間も銀杏の葉は降りやまない

裸木になって

星が丸見えになるまで降る

降りつづける



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雑詠

2015-11-11 23:24:28 | 短詩
◇火事


眼を閉ぢて

太陽を見れば

火事がある


◇黒帽子


電柱に

黒い帽子が載っている

寒鴉だ!


◇バッタ


岩を蹴れば

バッタは宙に投げ出されて

己だけになる

計り知れない広大な宇宙に

たった一つの命になる


◇金木犀


美しい人が立ち去つて

その人の残り香のやうに

金木犀が立つてゐる


◇風花


風花が

うなじをちくりとさす

彼女かな






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2015-11-09 23:03:25 | 短詩
◇雪片


雪片が

光を連れて

襲ってくる



◇電柱


降雪が

電柱を立たせてゐる

鴉をつけて



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展望台

2015-05-23 07:36:16 | 短詩



★展望台



岬の展望台は


海を眺めるためのものだが


海を背にして


街の方角を偵察しているものがある


今着いたばかりの


夏燕



   ★
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瀬音

2015-05-15 21:50:56 | 短詩



★瀬音


深山幽谷の

新緑の中では

滾る瀬音までが青い

水は鏡だから

せせらぎばかりか

瀬音も

青く染まっている



せせらぎに拘っていると

上の枝から小鳥の声が降りかかる

被さるように襲ってきた

小鳥の唾液も青いのだ



   ★
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2015-05-13 17:35:26 | 短詩



★蝶




気が触れて


乱れ飛んでいた


蝶がひとつ


天に抱かれていった



  ★
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木の芽どき

2015-05-13 17:31:29 | 短詩


★木の芽どき



木の芽どきの野原にいると

いたるところに

生き物の気配がして

いのちが蠢いている



乙女たちが息を潜めて

私語している


  ★
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焦土

2015-05-12 23:20:13 | 短詩



★焦土




野焼きを済ませた農夫が


鎮まって


焦土と化した我が地を歩いている


他国を占領した


兵ではないけれども



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夜のしゅうせん

2015-05-12 23:15:14 | 短詩



★夜のしゅうせん



 しゅうせんが一つ
 

 白い夜風を乗せて


 静かに揺れている


 都市の公園だ
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冬ざれ 三題

2014-12-21 07:21:49 | 短詩



  ◇


冬枯れを

引き立たせようと

鴉がしきりに鳴いている


   ◇


葱を噛みつつ

土手を行く

男の気が知れない


  ◇


軒先の大根に

日は静かに

沈む


  ◇


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ドライバー

2014-12-20 23:37:46 | 短詩



 ◇


車飛ばす


未踏の山を


右に見て


 ◇


パトカーのサイレン


うっかりして制限速度を超えていた


スピードメーターの針が


山の高度を過ぎたあたりで


振れている 
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