◇
春日傘
別れた女の
置きみやげ
炎のように
蘇り
▼
烈日に
さらした肌の
癒しに入る
クーラーそれとも
安い浜風
鼻を出し
菫のふるえに
驚く雌牛
草原を
嗅ぎつつ行けば
すみれそう
食べたくもあり
哀れにもなり
まとまって
健気に揺れる
その傍らに
赤いポストが
洗い髪
仄かに匂う
水の香に
髪のあわいに
白魚走る
あのブログ
聴いてよいのか
悪いのか
知恵者の顔して
我が前を行く
できるだけ
不幸流して
毛先見ている
妻ひとり
重いのは
上昇あるっばかり
乳母車
欠席に
静かな不幸
成人式
☆
海辺に住む人は
海と接して
生きながら
遠くに海を
遊ばせている
海に接して