波乱の海をぶじ目的地へ

現世は激しく変動しています。何があるか判りませんが、どうあろうと、そんな日々を貧しい言葉でなりと綴っていけたらと思います

枯野の風景

2015-03-03 20:24:32 | 散文



◇枯野の風景




枯野に月が照って

幽冥界のように

ぼんやり明るんでいる



そこを獣たちの霊が

一列になって行進していく



かさりとも音はなく

びゅうびゅうと風ばかりが

視野の中を吹き抜けている



彼ら霊たちは

連帯しているようでいて

一つにまとまっているのでもなく

ばらばらかというと

ある連携の中に

身をおいている

語らうでもなく

従うでもなく 

統率するものがいるのでもない



私が見ているこの風景は

一体何の原形であろうか

それすら不分明のままに

霞みに霞んで

一列になって通り過ぎていく


   ◇


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