奥山

◇

奥山や

いのちの水を

汲みに入る

◇

薄物

◇

薄物や

吾が恋ひ初めし

夏が来る

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泳者

◇

飛び込みて

真の目的

なき泳者

◇

雪渓

◇

雪渓や

鳥の飛び立つ

自在あり

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帆

◇

沖の帆や

手旗信号

見え隠れ

◇

炎天

◇

炎天や

立つ鳥吾を

扇ぎ行く

◇

夏野

◇

雲はゆく

夏野の果ての

四次元

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西日

◇

電車内

狂想曲の

西日かな

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夕立

◇

ざあと行き

またざあと来る

雨のなか

◇

陰のなか

◇

親しきは

日のなかよりも

陰のなか

◇

陰

◇

陰ばかり

辿りてくれば

吾も陰

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梅雨明け

◇

梅雨明けて

新たな夏の

上陸す

◇

明瞭

◇

梅雨過ぎて

明瞭となる

ひと烈火

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乾燥の町

◇

梅雨行きて

乾燥の町

来たりけり

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夏

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過行くと

思へば夏は

舞ひ降りぬ

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