9月は祝日の連休が2回ある。連休に休みが取れることは少ないのだが、今回は取ることができた(笑)。
遠くの山へ行けるチャンスである。瀬戸からだと車で片道約300㎞、4時間ほどかかる山は日帰りで行くのはチト無謀。
このチャンスに目指した山は、「蟻の塔渡り」で有名な戸隠山である。
周辺は山が豊富で戸隠山をはじめ、百名山の高妻山。飯縄山など四方へ山旅が楽しめる。
しかもキャンプ場もあるので、長期滞在も可能だ。
さて計画は、駐車場スタートで戸隠山から九頭竜山、五地蔵山を通り百名山の高妻山の欲張り周回登山。
距離約17㎞、コースタイムは、11時間あまり、これは休憩なしのタイムなのでもう少し時間がかかると思われる。
健脚ではないので、コースタイムが目標。すると少なくても12時間は見ておかないと😅
下りてきてからの行動を考えると、早出は必須。
無料駐車場に着いたのは、0時ごろ。すでにたくさんの車がある。
仮眠してから、菓子パンとコーヒーで目を覚ます。登山者がすでに歩き始めている。
なんだかんだと出発が遅れて、なんと6時15分前。下山はヘッドランプになるかも。
さかさ川の遊歩道を小1時間歩いて、神社へ向かう鳥居の前に。
見事な樹木が参道の左右に点在する。
あちらこちらに、この花が咲いている。シラヒゲソウ。
湿地を好むようで、この深い森の湿度に守られている。花の形が興味深いが、葉っぱも面白い。😊
趣のある門に来た。仁王像が立っているのかと思えば、雅な像だった。撮り忘れ(笑)。
まずは奥社まで参道を歩く。戸隠神社は、古事記、日本神話の世界で全国にある天岩戸伝説の一つである。
参道には樹齢数百年の杉の巨樹が並ぶ。伊勢神宮や熊野参詣道と変わらないスケールに圧倒される。
ポスター風に撮影。雅なお方が出てきそうな・・・😁
奥社。日曜日と言うこともあり、朝早くから参拝者が訪れている。
登山者は見当たらない。皆さん早めに行ったのか、別ルートか?
ここからは、登山者の世界。いざ!
参道の歩きで身体アップできたかと思ったが、いきなりの急登でなかなか(笑)。
サルノコシカケの一種、マスタケか? オレンジ色がまぶしい!
木々の間から見える山の険しさと森の深さ。この雰囲気が神社を建てることに繋がったのかもしれない。
いきなりの鎖場だ。これからたくさんの鎖場が出てくるとは知らず楽しく登る(笑)。
少し平らになって、歩きやすくなった。五十間長屋。岩のごつごつ感が何とも言えない風情。
ガスが沸いて遠望は望めず。
オヤマボクチ。この植物からとれる綿毛(茸毛:じょうもう)を繋ぎにして蕎麦を打つらしい。食べてみたい。😋
歩みを進めると、百閒長屋。先ほどのより迫力があり見事である。
リンドウの蕾。開花しているものは少なかったが、今回このリンドウを至る所で見かけた。
リンドウ道と言っていいほどだ(笑)。
山でよく見かける白い花。似たような花が多く同定に迷う花(笑)。ミヤマトウキ?シラネセンキュウ?それとも・・・😅
鎖場に出たと思ったら違った。10mほどの上部に祠がある。
登らねば!と思って、登り始めるが最初の足がかりがない。気合で一足目をかける(笑)。
あとは掴みやすいホールドなので鎖も補助に使い登る。
まあ登山靴で登れるぐらいの岩なので、さほどではある。
しかし最初の鎖はどうやって掛けたのだろう。右側に古い鎖がかかっている。
苔むした石仏が三体。背負って登った先人の信仰のたまものである。
狭い足場での大工仕事も何気に凄い。
向かいの岩にヒカリゴケか。
高度感を出そうと、写真を撮ってみたが・・・。😅
天気が良ければ、絶景が見れたかもしれないがあいにくのガス。降りて先に進む。西屈。
見上げると登れそうな岩である。しかしここは鎖もなく落ちたら終わりなので辞めておこう(笑)。
YAMAPでよく見かける、鎖場に来た。
鎖を無視して、斜めに直登してやろうと思っていたのだが、結構濡れた岩に安全策を選択。😅
上から見ると、それなりの高度感がある。
小さくかわいらしい花は、トガクシコゴメグサ。種類が多いコゴメグサ。漢字だと小米草、米粒を連想させる?
「胸つき」と札にある。どんなものかと期待!
ここは、鎖を使わないと上がれない。😅
次から次と、鎖が出てきてビックリ。
普段、「胸突き」と言うと急坂が長く続くのだが、ここは鎖を使ってよじ登る胸突きだ。
稜線へ上がれば、この山並みを進んでいくのか。天気は相変わらずの曇り空、雨は降らなさそうだが。
黄色い花は、イワインチンか?高山の岩場や砂礫地に生育するって、そのまんまのところに育っていた(笑)。
胸突きの鎖岩場を抜けると『蟻の塔渡り』。来たぞ。😆
丁度、渡り始める所で一緒になった彼女に先に行ってもらう。
あれだけ鎖があったのに、尾根上に鎖はなくトラバース用に一段と言っても数メートル下だがそこにしか掛かっていない。
先に渡っていく彼女は、写真を撮る余裕もある。凄い!
かなりの痩せ尾根は、またいで座って進む。田中陽希も座ってたよな。😎
一ヶ所、下る所がありそこは正面から降りるとつんのめりそうになるので、後ろ向きになって安全に下りる。
後続者が来た。
蟻の塔渡りを終えると標高1904mの戸隠山山頂。駐車場から730mほど登ってきた。
少し先に進むと全体が見渡せる。
数メートル下にトラバース道もあるが、下りるのもなかなかの道だ。
『蟻の塔』とはよく名付けたもので、岩に対して人がまさに蟻のようだ。😆
蟻ではなく人間が落ちれば、かなりヤバい。ちなみに、一方通行ではないので反対側からも登山者が来る。
すれ違えるスペースはほぼないので、どちらかが通過するまで待つことになる。
一息ついたところで、先に進む。
上から見ると、森が深いことが分かる。参道で見た杉の巨木並木道が、すぐに見つからなかった。
よく見ると、一列に並んだこんもりした樹々が見える。白く見える小さな点が神社の屋根だ。
青空が見えてきた。それにしても岩が立派。九頭龍山の岩壁だ。
一度下ってから登り返すと、九頭龍山1883m。
開花しているリンドウを見つけ真上からパチリ。😄
晴れてきた。雲隠れしているのは黒姫山。そして眼下に広がる牧場とキャンプ場。
再び下って登り返し、九頭龍山より5m高い地点を通り過ぎると今度は140mほどの急な下りが続く。
しかも登山道は、朝露のためか濡れている。岩、落ち葉、木の根皆滑る急坂では慎重になる。
倒木を潜り抜けて。
樹々の間から見える高妻山山頂は雲の中。まだまだ遠い。😅
道が消えた?と言うほどの下り(笑)。
真っ白なキノコ発見。まだ顔を出したばかりのようだ。
シロオニタケかな。食毒不明らしいがこの仲間は猛毒系なので。。。😱
この山の鞍部、一不動に下りてきた。ロープありの濡れた急坂をこけないようにかなり踏ん張ったので膝にきている。
しばし休憩。ここから、キャンプ場まで沢沿いに下りるルートがある。
蟻の塔渡りで先を行った女性とほぼ同じぐらいのペースだったのだが、彼女は満足したのかここから下って行った。
だいぶ膝に来ているのだが、高妻山を目指しているのでとりあえずは次のピークまで行ってから考えよう。
今度は 標高差250 mの登りだ。雲は多めだが、天気は回復してきた。向かいの飯綱山ははっきりと見える。
そしてやっと頂上を見せてくれた高妻山。嬉しい。🤗
それにしても最後の登りはぐっと反りあがるかなりの急坂だ。
一不動から40分ほど登って、四普賢と言うところへ来た。石仏や祠があるでもなく、何を指しているのか分からなかった。
のちに調べてみると一不動から小ピークごとに数字が付いている。一が不動、二が釈迦、三が文殊、それで四が普賢になっていることが分かった。
ここからは歩いて来た山々が見渡せる。
雲に隠れているところが戸隠山、次のピークが九頭龍山。
一番手前のポッコリしたところが三文殊なのだが看板は見つけられなかった(笑)。
そして、五の地蔵に到着。五地蔵山頂の印が立っているが、山頂はここではなく、100mほど進む。
こちらが標高的に正しい五地蔵山、1998m。
足元にツリガネニンジン。花の百名山だけのことはあり、花が豊かである。
山菜としても有名らしいが、食べたことはないので機会があれば食してみたい。
高妻山への分岐が、六弥勒。
左へ行くともちろん目指す高妻山。
右へ行くと弥勒尾根経由で牧場への下山。
現在時刻13時。ここから高妻山まで2時間、頂上から駐車場まで戻るのにざっと4時間。
下山が19時になる。少し考えたが、今日の体調とその後の行動を考えると無理はしないのが正解のようだ。
下りでの膝のこともあるが、寝不足のせいか今一つ力が入らないのだ。
今日のメインである戸隠山は十分楽しめた。百名山ではあるが高妻山は次回にしよう。
最後に高妻山を見ておこうと見上げると。あら、ガスと言うより雨雲か!?
振り向けば、やっと顔を出してくれた黒姫山。
山の造形が興味深い。中央の火口丘を外輪山が囲む姿が火山であることを実感させる。
ここからも引き続き結構な急坂の下りである。😅
ひたすらロープや木の根っこ、クマザサを掴んでこけないように踏ん張りながら1時間少し下る。
すると根回りが非常に大きい杉に出会った!思わず『オーッ』と声が出る。
どうなっているのだろうと反対側を見ると、なるほど、ねじれてさらに枝分かれと言うか幹別れのようになっている。
それで倒れないように太く大きくなったようである。😲
急坂はこのあたりで半分ほど。あと半分下れば牧場だ。けど膝ヤバいね。😂
杉の次に現れたのがブナの大木。これまた立派!
立て看板に、ブナ仙人とある。ブナのことを英語で beech ビーチと言うのね。砂浜のビーチと同音だ。😲
花の百名山は、樹々も立派だ。
これぐらいの道になれば、安心(笑)。
まさかクマの爪痕?たまたまか?😆
近くに沢の音がすると思っていたら、牧場に出た。ひろびろ~♬😄
牧歌的な中を歩いていくと、トレランのランナーが追い抜いていく。何かレースが行われているようだ。
キャンプ場は子供たちの声が響き、大型のタープやテントがワンボックスカーと並んで立てられ賑わっている。
ガチ登山の格好が同じアウトドアでもなんだか違うように思えてくる(笑)。
ここは登山者用のテントサイトもあり、幾人かはテントを張っていた。
15時35分、駐車場に到着。無事下山。
本日の距離13.4km、累積標高差1285m、歩行時間7時間50分(休憩除く)。
まあ、コースタイム通り。😄
時間が早いので今からの行動がに余裕が出た。せっかく新潟県近くまで来たのだ。
興味あるジオパークとあの場所へ行きたい、と旅は続く・・・
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