4/21、キリンからウイスキー「富士」が発売されます。
アルコール46度、700ml 税込5000円強です。
大手国産ウイスキーメーカーより、久し振りに、誰もが購入できるウイスキーの新発売です。
キリンのウイスキー蒸留所は、富士御殿場蒸留所(静岡県)なので、新ブランド「富士」はぴったりですね。
シングルグレーンウイスキーと英字表記があります。
これが、今回のウイスキーの特徴です。
ウイスキーは、味を決めるモルトウイスキー(高価)と飲みやすくするためのグレーンウイスキー(安価)があり、通常のブレンデッドウイスキーは、この2つをブレンドします。
また、山崎、白州、余市、マッカランといったウイスキーは、シングルモルトウイスキーといって、1つの蒸留所のモルトウイスキーのみがブレンドされています。
シングルグレーンウイスキーは、1つの蒸留所の、安価のウイスキーがブレンドされています。
一般的なグレーンウイスキーは、穀物を原料に、大量生産できるため、安価になっています。
グレーンウイスキーのみのウイスキーは、以前なら、ほぼ発売されていませんでした。
しかし、ニッカウイスキーが、カフェグレーンというウイスキーを発売し、その評価が高く、グレーンウイスキーの価値は変わりました。
ニッカのカフェグレーンは、世界にほぼ現存しないコーフィー式連続蒸留器で作ったものです。
大量生産できる安価のウイスキーといっても、各社、グレーンウイスキーにも、こだわりがあったのですね。
キリンの富士御殿場蒸留所は、設立当初は、キリンシーグランムという会社でした。
ウイスキー全盛の1972年、キリンビールは、シーグラム社(カナダ)、シーバスブラザーズ(イギリス)と3社出資のキリンシーグラム社を設立。
その初リリースは、ロバートブラウンです。
ロバートブラウンとは、イギリスに昔あった蒸留所の名前ということですが、ネット上では判りませんでした。
いまでも発売されているウイスキーです。
若い人はご存じないかもしれません(キリンの営業マンも知らなかった)が、一世を風靡したウイスキーです。
キリンシーグラムには、グレーンウイスキーをつくる3つの連続式蒸留器があります。
普通は多分1つです。
それが3つもあるので、3つのタイプのグレーンウイスキーがあります。
巷の噂では、3つの会社の出資だから、不要なのに3つも連続式蒸留器がある。だから駄目(キリンシーグラムは後に、キリンが100%出資の会社になる)になったのだ、と。
3つの異なる連続式蒸留器があるのだから、多様なウイスキーができる、と評価する人もいました。
しかし、多様なウイスキーが発売されていないような気もします。
そこで富士の新発売です。
設立から約50年。
ついに3つの蒸留器の生かされるウイスキーの誕生です。