山梨のワインのブログ

山梨の酒屋の4代目が、ワインを中心に、山梨の酒を、愛を込めて書き溜めます。

久し振りの大型ウイスキーの発売です。

2020-04-19 11:38:29 | お酒の話(ワイン以外)

4/21、キリンからウイスキー「富士」が発売されます。

アルコール46度、700ml 税込5000円強です。

大手国産ウイスキーメーカーより、久し振りに、誰もが購入できるウイスキーの新発売です。

キリンのウイスキー蒸留所は、富士御殿場蒸留所(静岡県)なので、新ブランド「富士」はぴったりですね。

シングルグレーンウイスキーと英字表記があります。

これが、今回のウイスキーの特徴です。

ウイスキーは、味を決めるモルトウイスキー(高価)と飲みやすくするためのグレーンウイスキー(安価)があり、通常のブレンデッドウイスキーは、この2つをブレンドします。

また、山崎、白州、余市、マッカランといったウイスキーは、シングルモルトウイスキーといって、1つの蒸留所のモルトウイスキーのみがブレンドされています。

シングルグレーンウイスキーは、1つの蒸留所の、安価のウイスキーがブレンドされています。

一般的なグレーンウイスキーは、穀物を原料に、大量生産できるため、安価になっています。

グレーンウイスキーのみのウイスキーは、以前なら、ほぼ発売されていませんでした。

しかし、ニッカウイスキーが、カフェグレーンというウイスキーを発売し、その評価が高く、グレーンウイスキーの価値は変わりました。

ニッカのカフェグレーンは、世界にほぼ現存しないコーフィー式連続蒸留器で作ったものです。

大量生産できる安価のウイスキーといっても、各社、グレーンウイスキーにも、こだわりがあったのですね。

キリンの富士御殿場蒸留所は、設立当初は、キリンシーグランムという会社でした。

ウイスキー全盛の1972年、キリンビールは、シーグラム社(カナダ)、シーバスブラザーズ(イギリス)と3社出資のキリンシーグラム社を設立。

その初リリースは、ロバートブラウンです。

ロバートブラウンとは、イギリスに昔あった蒸留所の名前ということですが、ネット上では判りませんでした。

いまでも発売されているウイスキーです。

若い人はご存じないかもしれません(キリンの営業マンも知らなかった)が、一世を風靡したウイスキーです。

キリンシーグラムには、グレーンウイスキーをつくる3つの連続式蒸留器があります。

普通は多分1つです。

それが3つもあるので、3つのタイプのグレーンウイスキーがあります。

巷の噂では、3つの会社の出資だから、不要なのに3つも連続式蒸留器がある。だから駄目(キリンシーグラムは後に、キリンが100%出資の会社になる)になったのだ、と。

3つの異なる連続式蒸留器があるのだから、多様なウイスキーができる、と評価する人もいました。

しかし、多様なウイスキーが発売されていないような気もします。

そこで富士の新発売です。

設立から約50年。

ついに3つの蒸留器の生かされるウイスキーの誕生です。

 


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