山梨のワインのブログ

山梨の酒屋の4代目が、ワインを中心に、山梨の酒を、愛を込めて書き溜めます。

巨峰ワインの一升瓶は、誰が飲むのか

2012-12-30 12:44:53 | 新商品インプレッション

山梨県甲州市塩山の小さなワイナリー五味葡萄酒は、今年の国産ワインコンクールで、メルローとシャルドネのワインで入賞したレベルの高いメーカーですが、今回、巨峰とアジロンダックの一升瓶をリリースしました。

巨峰は、ワインにすると、香りの良さ、ほどよい甘さ、鮮やかなピンク色で、大変良いワインになります。

ただ、食べる葡萄として高級なので、栽培農家は生食用で出荷して、ワイン用には出回りません。

ワイナリーは原料確保が課題です。

それを一升瓶で出してくる五味葡萄酒さんは凄い。

巨峰ワインの一升瓶を発売しているのは、五味葡萄酒さんだけ。

アジロンダックは、甘い香りの赤ワイン。

ワインは、甘口から辛口まで作れますが、香りが甘いので、辛口に作っても、甘口に感じられるワインです。

五味葡萄酒のアジロンは甘口です。

一升瓶の巨峰とアジロンダック、どちらもデザートワインです。

食事と一緒ではなく、食後のワインですね。

デザートワインが一升瓶。

誰が飲むのでしょうか。

※現在あじろんはメーカー完売となっております。


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新聞の全面広告に。

2012-12-12 19:44:06 | ワイン四方山話

最近、朝日新聞の全面広告に写真のポスターが出ました。

「日本初の快挙です。」

「明けよう、甲州。」

甲州種ワインの宣伝です。

甲州種ワインがイギリスに輸出されています。

日本食ブームなので、日本のワインの需要もあります。

山梨県は昨年までの3年間、ロンドンで甲州種ワインのプロモーションを行ってきました。

それに伴い、甲州種を国際葡萄品種に登録しました。

これにより、ラベルに「甲州種」と謳えるそうです。

甲州種ワインは、おとなしい味わいが特徴。

おとなしい味わいは、外国産のパワフルなワインに、いままでは負けていました。

現在は健康志向で、料理が薄味になっています。

料理に合わせるワインも、フルボディの赤ワインより、ロゼや白ワインが支持されています。

甲州種ワインにもチャンスがやってきました。

ウイスキーの分野では、今日本のウイスキーがトップです。

本場スコットランドでも、日本人の緻密さには敵わない、と。

ワインの分野でも不可能ではないはず。

がんばれ、ニッポンのワイン。

敵は円高である。

ポスターは、山梨県産業支援課よりいただきました。


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機山洋酒のマグナムなワイン

2012-12-08 18:54:20 | 新商品インプレッション

山梨県甲州市塩山にある機山洋酒工業のマグナムサイズ(1500ml)の赤ワインが入荷しました。

機山洋酒工業は、ワイナリーです。

機山は、武田信玄公の事。洋酒は、機山さんはブランデーやグラッパも作っています。立派な蒸留器があります。工業は、明治時代、事業を起こした人がよく付けた名前。同じワイナリーにも、勝沼のルバイヤートも丸藤葡萄酒工業です。歴史あるワイナリーです。

ブランド名は、すばり「キザン」です。

このマグナムボトルは、キザンのメインワインと中身が同じです。

赤しか入荷していません。

機山さんは新酒を発売しません。1年貯蔵してから発売する良心的なワイナリーです。今年葡萄は豊作でしたが、昨年は平年並みでした。甲州種の白はマグナムサイズに回すほどは在庫が無い、ということでした。白のマグナムは来年の楽しみです。

赤ワインの中身は、ブラッククィーン種です。

ブラッククィーンは、明治時代末期、新潟の大地主で日本のワインの父と言われる川上善兵衛氏が交配した品種で、日本の赤ワインの2番目に栽培されているもの。

日本の赤ワインで最も栽培されている日本固有な品種は、マスカットベリーA種。こちらも川上氏の交配品種。日本のワインの父と言われる所以です。

ブラッククィーンは、濃い色と酸の強さが特徴。渋いタンニンもあります。

その葡萄の特徴を、どのようにワインに表現するかが、ワイナリーの腕の見せ所。

キザンワインの特徴は、きれいな味わいと、質と比べ価格が安いことにあります。

社長曰く、「買いやすいワインを提供し続けること」

最近は、甲州種ワインの人気もあり、毎年値上げするワイナリーもありますが、機山ワインの真摯な経営方針には頭が下がります。

また、ワインの質が一番なので、量の拡大はしない方針。

機山ワインの瓶内2次発酵のスパークリングワイン「トラディシャナルブリュット」も絶品です。

2人写っている右の方が機山洋酒の土屋社長、左の方は山梨県北杜市高根町の日本酒蔵元の武の井酒造の清水常務です。

武の井酒造は、日本酒ももちろん素晴らしいですが、特徴ある米焼酎も凄い蔵元です。


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五味葡萄酒のここが凄い。

2012-12-02 18:27:50 | ワイン四方山話

写真は、山梨県甲州市塩山の小さなワイナリー五味葡萄酒のメルローとシャルドネ。

価格は各2730円。

この2つのワイン、実は凄いんです。

左のメルローは、国産ワインコンクール2012の欧州系葡萄品種赤ワイン部門で銅賞受賞。

右のシャルドネは、同コンクール欧州系葡萄品種の白ワイン部門で銀賞受賞。

銀賞と銅賞か・・・、なんだ金じゃあないのか、と安易に言ってはいけません。

メルローと同じ銅賞ワインには、サントリーのメインワイン「登美の丘」や小布施ワイナリーの「ドメーヌソガ メルロー」、林農園の「桔梗ヶ原メルロー」や中央葡萄酒の「グレイスメルロー」など、買いたくても簡単に買えないワインが並んでいます。

シャルドネと同じ銀賞には、メルシャンの「シャトーメルシャン」のシャルドネシリーズが3アイテム、マンズワインの「ソラリス」シリーズがたくさん(メルシャンもマンズも金賞受賞もしていますが)、そんな凄いワイナリーと同列です。

それだけなら、五味葡萄酒も良いワインを作っているのだな、で終わる話ですが、さらに凄いのは、ここのワインは、社長の五味さんがほぼ一人で作っている事です。もちろんスタッフには社長の甥の渡辺君(中学の後輩なので渡辺君と呼ばせてもらっています)もいますが、五味ワインの味は、社長一人の腕です。

上記メーカーは、五味ワイン以外、スタッフ何十人の日本を代表するワイナリーです。

また、山梨の小さなワイナリーは、手が回らないので、甲州種やマスカットベリーAに集中させるところも多いのですが、五味ワインは欧州系ワインもしっかり作ってきます。

五味ワインはHPもないので、別の意味で簡単には買えません。電話をすると、元気な社長夫人が出られます。

 

 


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