昨日お年寄りの女性が「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理(ことわり)をあらわす。
おごれる人も久しからず、只春の夜の夢のごとし。たけき者も遂には滅びぬ、ひとえに風の前の塵に同じ。」
と朗読したのです。
驚きました。
私の母も得意になって、よく朗読して聞かせてくれました。
昔の人は暗唱させられたのでしょうか。
そのあとが可笑しかった。
祇園精舎てなんですか?
中国にあるの?
娑羅双樹の花て?
と意味をあまり良く知らなかったようでした。
これは、平家物語の冒頭の言葉で、祇園精舎とはインドのお釈迦様のお寺のことだよ。
そのお寺の鐘の音は永久なものはない。
いずれは無くなるものだと言っているように聞こえるんだ。
娑羅双樹の花とは
椿の一種でお釈迦様が死を迎える時に白くなって枯れたという花だよ。
花もいずれは枯れるという意味をいってるのだよ。などと真剣に話してしまった。
私も中々いい言葉なんだなあと思い出しています。
テレビで話題になっている人達の思い上がった振る舞いをする者は長くは続かない。
それは、単に春の夜に見る夢のようだ。
また、荒々しい強者もゆくゆくは滅びてしまう。
それは、いかにも風が吹くと飛んでいく塵と同じだ。
「栄華は続かない。
栄えていても落ちてゆく。」まるで、平家の物語のように。
今でも通じる言葉です。
おごれる者は久しからずと。