前回の記事では、当選した国会議員の女性比率が43.6%になったことを書いた。この値はその4年前の選挙における45.0%よりも若干減ってしまったが、それでも国際的に見ると高い。では、どうして女性比率を高くできるのか?
【 女性議員比率が高い理由 】
その理由は、比例代表制の選挙制度と候補者名簿の順序にある。スウェーデンの選挙制度は全国を29の選挙区に分けた中選挙区の比例代表制だ。各党はそれぞれの選挙区における獲得議席数に応じて候補者名簿の上位から順番に当選者を決めていく(特定の候補者を繰り上げ当選させる補完的制度については後ほど触れる)。
その候補者名簿を見てみよう。まずは社会民主党のストックホルム県選挙区の候補者名簿だが、女性候補者には★印をつけてみた。一番目の男性候補者に続いて、女性候補者と男性候補者が完全に交互に連なっている。
社会民主党の別の選挙区の候補者名簿も見てみよう。これはヨーテボリ市選挙区だが、今度は第一位が女性でその後、男性候補者と女性候補者が交互に並んでいる。
そして、当選議席数に応じて上から順番に当選者が決まる。だから、社会民主党では女性候補者も男性候補者とほとんど同じような確率で議員に選ばれることになる。
では、なぜ、そしていつから、男女が交互に並ぶ候補者名簿が作られるようになったのか? 以下は私が社会民主党の女性部会(社会民主女性同盟)の代表から以前、直接聞いた話だ。女性の政治参加と男女平等を求める動きは、女性参政権を求める運動として20世紀始めころから徐々に始まっていき、戦後、特に1970年代からますます強まっていったものの、ブルーカラー労働者が支持者や党員の多くを占める社会民主党は伝統的に男性中心の価値観が根強く、パルメ首相やその後を継いだカールソン首相を始めとする党執行部がいくら男女平等に積極的な考えを持っていても、党全体の価値観の変革は遅く、改革意欲も低かった。そこで、社会民主党の女性部会は1990 年代前半に「社会民主党が男女平等政策をもっと積極的に推し進めたり、選挙の際に男女交互名簿制を導入したりしないのであれば、私たちは独立して、新たに女性党を結成するぞ」という脅しを掛けたという。社会民主党は、党の支持者の半分以上が女性であったから、女性議員たちが新たな党を結成すれば支持者が社会民主党から流れ、大きな打撃を受ける恐れがあった。そのため、社会民主党では1994年の国政選挙および地方選挙(県・市)から男女交互名簿制を導入するようになったという。
他の党も次第にこの動きに倣っていったようで、例えば、保守政党である穏健党の候補者名簿を見てみても、ストックホルム県選挙区の名簿では、完全に交互ではないにしろ、ほぼ交互に近い形で男性と女性が並んでいることが分かる。
ただ、同じ穏健党のヨーテボリ市選挙区の名簿を見てみると、候補者20人中、女性は7人しかいないことが分かる。このように同じ党の中でも選挙区によってまちまちであるようだ。
ついでなので、すべての国政政党の候補者名簿(国政選挙のみ)の女性割合を調べてみた。下のグラフから分かるように、社会民主党や左党、環境党といった左派政党は、全候補者に占める女性の割合がほぼ50%か、50%を上回っている。右派政党でも極右のスウェーデン民主党を除けば、候補者の42-44%を女性が占めていることが分かる。
ここで一つ思い出してほしい。前回の記事で各党の女性議員の比率を紹介したが、その中で女性比率が際立って低かったのは、スウェーデン民主党と自由党だった。自由党は、「男女平等」を選挙キャンペーンや政策論争でも大々的に主張していたから、自らのイメージを汚してしまう結果となった。スウェーデン民主党は上のグラフから分かるように候補者の女性比率も低いから、議員の女性比率が低いのも無理はないが、不思議なのは自由党だ。自由党の候補者の女性比率は44%でそんなに悪くない。例えば、自由党のストックホルム県・ストックホルム市選挙区の候補者名簿を見てみると、ほぼ交互に男女が並んでいる。
それなのに、自由党の当選議員を見てみると女性の比率はわずか26%にしか達していない。このからくりは何だろう?
この謎解きの答えは、各選挙区の候補者名簿のトップ候補者にある。自由党のように得票率が一桁台に留まる政党は20前後の議席しか獲得できない。全国には29の選挙区が存在するから、全く議席が取れない選挙区もあるし、獲得できたとしてもせいぜい1議席という選挙区がほとんどだ。だから、候補者名簿全体でいくら女性候補者の比率が高くても、各選挙区のトップ候補者を男性ばかりが占めていれば、当選する議員はおのずから男性ばかりが占めてしまうことになる。
試しに、29選挙区それぞれにおける各党の候補者名簿をチェックして、トップ候補者に占める女性の割合を計算してみた。結果は、自由党が31.0%。つまり、女性がトップ候補者である選挙区は、全29選挙区のわずか約3分の1しかないのである。
ただ、自由党だけが特別なわけではない。社会民主党や穏健党はトップ候補者に占める女性の割合は3割を切っている。それなのに、当選議員に占める女性比率は社会民主党が47%、穏健党が52%だ。これはなぜかというと、これらの党は規模が大きいので、各選挙区ではトップ候補者だけでなく複数の議員が当選しており、トップ候補者の性別が議員全体の性別割合にほとんど影響を与えていないのである。(上のグラフにおいて同様に比率の低いキリスト教民主党に関しては、1人当選区ではやはり男性当選者が多いが、2人の議員が当選しているストックホルム市選挙区でたまたま2人とも女性であったため、女性議員の割合を若干押し上げてくれた)
参考までに、トップ候補者、第3位までの候補者、第5位までの候補者、候補者全体のそれぞれに占める女性の割合を政党別にグラフにしてみた。
(注:スウェーデン民主党はすべての選挙区で単一の候補者名簿を使用しているので名簿が一つしかない。自由党はストックホルム県選挙区とストックホルム市選挙区で共通の名簿を使用しているので名簿は28。その他の党は29。穏健党と自由党はそれぞれの選挙区ごとの名簿の他に全国統一名簿も使用しているが、後者は計算に入れていない)
【 特定の議員を繰り上げ当選させる制度 】
どの候補者が議席を獲得するかは、各政党が事前に決めた候補者名簿の順序に従う。しかし、有権者がどの候補者を当選させたいかを意思表示できる制度もあったほうが良いということで、1998年から補完的に導入された個人指名制度がある。有権者は投票の際に、その選挙区で立候補している候補者を最大一人選び、名前の前にチェック ☑ ができるのである(このオプションは行使してもしなくても良い)。そして、ある候補者に対するチェックの数が、その選挙区において候補者が所属する政党の得票数の5%を超えた場合、その候補者は候補者名簿での順序に関係なく、繰り上げ当選できるのである。
今回の選挙では、この制度によって11人の候補者が上位の候補者を押しのけて、繰り上げ当選することになった。(一定数以上のチェックをもらい、繰り上げ当選する権利を得た候補者の中には、もともと候補者名簿での順位が十分に上のほうで、この制度がなくても当選していた候補者もたくさんいたが、それらはここには含んでいない)
以下は、その11人。
環境党・ヨンショーピン県選挙区。名簿では4位だった26歳女性は環境党学生部会の代表を務めていたので、おそらく若い有権者の人気を得ることができ、64歳男性、28歳女性、42歳男性を押しのけて繰り上げ当選。
環境党・ソーデルマンランド県選挙区。51歳男性が54歳女性(現職国会議員)を押しのけて当選。
環境党・ヴェストラヨータランド県北部選挙区。40歳女性が57歳男性を押しのけて当選。
左党・ヴェストマンランド県選挙区。59歳男性が39歳女性を押しのけて当選。彼は、市議会選挙で左党が過半数を獲得してきたFagersta(ファーゲシュタ)市でこれまで市長を務めてきた、カリスマ的左党議員。
社会民主党・イェムトランド県選挙区。4位の30歳男性が2位の48歳男性と3位の50歳女性を押しのけて当選。
キリスト教民主党・ヨンショーピン県選挙区。3位にいた27歳男性(現職国会議員)が1位の54歳男性(現職閣僚)と2位の58歳女性(現職閣僚)を押しのけて当選。まさしく下剋上
自由党・ヨーテボリ市選挙区。5位の29歳男性が、1~4位の同世代候補者との戦いを制して当選。
自由党・ウプサラ県選挙区。35歳女性が59歳男性を押しのけて当選。
自由党・ヴェストラヨータランド県北部選挙区。28歳男性が64歳女性を押しのけて当選。
穏健党・ヴァルムランド県選挙区。3位の38歳男性(現職国会議員)が2位の42歳男性を抑えて当選。
中央党・スコーネ県南部選挙区。31歳女性が44歳男性を押しのけて当選。
全体としてみると、この制度のおかげで当選した議員にはどちらかと言うと若い候補者が多いようだ。若い候補者のほうが、自分への個人票を集めるためのキャンペーンを張るのが上手だろうし、有権者も若い人のほうがこの個人指名制度を利用して、チェックを入れる人が多いからだと思う。(この制度を利用しない有権者もたくさんいるが、それはどちらかと言うと高齢者に多いのではないかと思う)
また、繰り上げ当選する候補者が現れる確率は大政党よりも小政党のほうが高い。繰り上げ当選のためのハードルは、その選挙区において候補者が所属する政党の得票数の5%なので、得票数が比較的少ない政党の候補者のほうがハードルは低くなる(ただ、得票数があまりに少ない党だとそもそも獲得議席がゼロになってしまう)。
最後に、この制度は男性候補者に有利なのか、女性候補者に有利なのか? 今回、繰り上げ当選した11人の候補者のうち4人が女性だが、この結果だけではどちらとも言えない。性別よりも年齢のほうがより大きな影響力を持っているのではないかと私は感じる。
【 女性議員比率が高い理由 】
その理由は、比例代表制の選挙制度と候補者名簿の順序にある。スウェーデンの選挙制度は全国を29の選挙区に分けた中選挙区の比例代表制だ。各党はそれぞれの選挙区における獲得議席数に応じて候補者名簿の上位から順番に当選者を決めていく(特定の候補者を繰り上げ当選させる補完的制度については後ほど触れる)。
その候補者名簿を見てみよう。まずは社会民主党のストックホルム県選挙区の候補者名簿だが、女性候補者には★印をつけてみた。一番目の男性候補者に続いて、女性候補者と男性候補者が完全に交互に連なっている。
社会民主党の別の選挙区の候補者名簿も見てみよう。これはヨーテボリ市選挙区だが、今度は第一位が女性でその後、男性候補者と女性候補者が交互に並んでいる。
そして、当選議席数に応じて上から順番に当選者が決まる。だから、社会民主党では女性候補者も男性候補者とほとんど同じような確率で議員に選ばれることになる。
では、なぜ、そしていつから、男女が交互に並ぶ候補者名簿が作られるようになったのか? 以下は私が社会民主党の女性部会(社会民主女性同盟)の代表から以前、直接聞いた話だ。女性の政治参加と男女平等を求める動きは、女性参政権を求める運動として20世紀始めころから徐々に始まっていき、戦後、特に1970年代からますます強まっていったものの、ブルーカラー労働者が支持者や党員の多くを占める社会民主党は伝統的に男性中心の価値観が根強く、パルメ首相やその後を継いだカールソン首相を始めとする党執行部がいくら男女平等に積極的な考えを持っていても、党全体の価値観の変革は遅く、改革意欲も低かった。そこで、社会民主党の女性部会は1990 年代前半に「社会民主党が男女平等政策をもっと積極的に推し進めたり、選挙の際に男女交互名簿制を導入したりしないのであれば、私たちは独立して、新たに女性党を結成するぞ」という脅しを掛けたという。社会民主党は、党の支持者の半分以上が女性であったから、女性議員たちが新たな党を結成すれば支持者が社会民主党から流れ、大きな打撃を受ける恐れがあった。そのため、社会民主党では1994年の国政選挙および地方選挙(県・市)から男女交互名簿制を導入するようになったという。
他の党も次第にこの動きに倣っていったようで、例えば、保守政党である穏健党の候補者名簿を見てみても、ストックホルム県選挙区の名簿では、完全に交互ではないにしろ、ほぼ交互に近い形で男性と女性が並んでいることが分かる。
ただ、同じ穏健党のヨーテボリ市選挙区の名簿を見てみると、候補者20人中、女性は7人しかいないことが分かる。このように同じ党の中でも選挙区によってまちまちであるようだ。
ついでなので、すべての国政政党の候補者名簿(国政選挙のみ)の女性割合を調べてみた。下のグラフから分かるように、社会民主党や左党、環境党といった左派政党は、全候補者に占める女性の割合がほぼ50%か、50%を上回っている。右派政党でも極右のスウェーデン民主党を除けば、候補者の42-44%を女性が占めていることが分かる。
ここで一つ思い出してほしい。前回の記事で各党の女性議員の比率を紹介したが、その中で女性比率が際立って低かったのは、スウェーデン民主党と自由党だった。自由党は、「男女平等」を選挙キャンペーンや政策論争でも大々的に主張していたから、自らのイメージを汚してしまう結果となった。スウェーデン民主党は上のグラフから分かるように候補者の女性比率も低いから、議員の女性比率が低いのも無理はないが、不思議なのは自由党だ。自由党の候補者の女性比率は44%でそんなに悪くない。例えば、自由党のストックホルム県・ストックホルム市選挙区の候補者名簿を見てみると、ほぼ交互に男女が並んでいる。
それなのに、自由党の当選議員を見てみると女性の比率はわずか26%にしか達していない。このからくりは何だろう?
この謎解きの答えは、各選挙区の候補者名簿のトップ候補者にある。自由党のように得票率が一桁台に留まる政党は20前後の議席しか獲得できない。全国には29の選挙区が存在するから、全く議席が取れない選挙区もあるし、獲得できたとしてもせいぜい1議席という選挙区がほとんどだ。だから、候補者名簿全体でいくら女性候補者の比率が高くても、各選挙区のトップ候補者を男性ばかりが占めていれば、当選する議員はおのずから男性ばかりが占めてしまうことになる。
試しに、29選挙区それぞれにおける各党の候補者名簿をチェックして、トップ候補者に占める女性の割合を計算してみた。結果は、自由党が31.0%。つまり、女性がトップ候補者である選挙区は、全29選挙区のわずか約3分の1しかないのである。
ただ、自由党だけが特別なわけではない。社会民主党や穏健党はトップ候補者に占める女性の割合は3割を切っている。それなのに、当選議員に占める女性比率は社会民主党が47%、穏健党が52%だ。これはなぜかというと、これらの党は規模が大きいので、各選挙区ではトップ候補者だけでなく複数の議員が当選しており、トップ候補者の性別が議員全体の性別割合にほとんど影響を与えていないのである。(上のグラフにおいて同様に比率の低いキリスト教民主党に関しては、1人当選区ではやはり男性当選者が多いが、2人の議員が当選しているストックホルム市選挙区でたまたま2人とも女性であったため、女性議員の割合を若干押し上げてくれた)
参考までに、トップ候補者、第3位までの候補者、第5位までの候補者、候補者全体のそれぞれに占める女性の割合を政党別にグラフにしてみた。
(注:スウェーデン民主党はすべての選挙区で単一の候補者名簿を使用しているので名簿が一つしかない。自由党はストックホルム県選挙区とストックホルム市選挙区で共通の名簿を使用しているので名簿は28。その他の党は29。穏健党と自由党はそれぞれの選挙区ごとの名簿の他に全国統一名簿も使用しているが、後者は計算に入れていない)
【 特定の議員を繰り上げ当選させる制度 】
どの候補者が議席を獲得するかは、各政党が事前に決めた候補者名簿の順序に従う。しかし、有権者がどの候補者を当選させたいかを意思表示できる制度もあったほうが良いということで、1998年から補完的に導入された個人指名制度がある。有権者は投票の際に、その選挙区で立候補している候補者を最大一人選び、名前の前にチェック ☑ ができるのである(このオプションは行使してもしなくても良い)。そして、ある候補者に対するチェックの数が、その選挙区において候補者が所属する政党の得票数の5%を超えた場合、その候補者は候補者名簿での順序に関係なく、繰り上げ当選できるのである。
今回の選挙では、この制度によって11人の候補者が上位の候補者を押しのけて、繰り上げ当選することになった。(一定数以上のチェックをもらい、繰り上げ当選する権利を得た候補者の中には、もともと候補者名簿での順位が十分に上のほうで、この制度がなくても当選していた候補者もたくさんいたが、それらはここには含んでいない)
以下は、その11人。
環境党・ヨンショーピン県選挙区。名簿では4位だった26歳女性は環境党学生部会の代表を務めていたので、おそらく若い有権者の人気を得ることができ、64歳男性、28歳女性、42歳男性を押しのけて繰り上げ当選。
環境党・ソーデルマンランド県選挙区。51歳男性が54歳女性(現職国会議員)を押しのけて当選。
環境党・ヴェストラヨータランド県北部選挙区。40歳女性が57歳男性を押しのけて当選。
左党・ヴェストマンランド県選挙区。59歳男性が39歳女性を押しのけて当選。彼は、市議会選挙で左党が過半数を獲得してきたFagersta(ファーゲシュタ)市でこれまで市長を務めてきた、カリスマ的左党議員。
社会民主党・イェムトランド県選挙区。4位の30歳男性が2位の48歳男性と3位の50歳女性を押しのけて当選。
キリスト教民主党・ヨンショーピン県選挙区。3位にいた27歳男性(現職国会議員)が1位の54歳男性(現職閣僚)と2位の58歳女性(現職閣僚)を押しのけて当選。まさしく下剋上
自由党・ヨーテボリ市選挙区。5位の29歳男性が、1~4位の同世代候補者との戦いを制して当選。
自由党・ウプサラ県選挙区。35歳女性が59歳男性を押しのけて当選。
自由党・ヴェストラヨータランド県北部選挙区。28歳男性が64歳女性を押しのけて当選。
穏健党・ヴァルムランド県選挙区。3位の38歳男性(現職国会議員)が2位の42歳男性を抑えて当選。
中央党・スコーネ県南部選挙区。31歳女性が44歳男性を押しのけて当選。
全体としてみると、この制度のおかげで当選した議員にはどちらかと言うと若い候補者が多いようだ。若い候補者のほうが、自分への個人票を集めるためのキャンペーンを張るのが上手だろうし、有権者も若い人のほうがこの個人指名制度を利用して、チェックを入れる人が多いからだと思う。(この制度を利用しない有権者もたくさんいるが、それはどちらかと言うと高齢者に多いのではないかと思う)
また、繰り上げ当選する候補者が現れる確率は大政党よりも小政党のほうが高い。繰り上げ当選のためのハードルは、その選挙区において候補者が所属する政党の得票数の5%なので、得票数が比較的少ない政党の候補者のほうがハードルは低くなる(ただ、得票数があまりに少ない党だとそもそも獲得議席がゼロになってしまう)。
最後に、この制度は男性候補者に有利なのか、女性候補者に有利なのか? 今回、繰り上げ当選した11人の候補者のうち4人が女性だが、この結果だけではどちらとも言えない。性別よりも年齢のほうがより大きな影響力を持っているのではないかと私は感じる。