スウェーデンの今

スウェーデンに15年暮らし現在はストックホルム商科大学・欧州日本研究所で研究員

選挙ポスター(右派政党編)

2014-09-12 23:13:28 | 2014年選挙
【 穏健党(保守党) 】


25万の新たな雇用はほんの始まりに過ぎない。(これからもっと増えて行くよ、ということ)
みんなが必要とされるスウェーデンに票を投じよう。


豊かさとは補助金ではなく、働くことによって生み出されるもの。
25万の新しい雇用が生まれ、政府債務が減少を続けるスウェーデンは正しい方向に向かっている。私たちの目標は2020年前に就業者を500万人に増やすことだ。


学級のサイズを小さくして、もっと多くの知識を生徒に与えよう。
私たちが求めている学校は質が高く、腕の良い教員がいる学校、そして、すべての生徒の知識を高めてくれ、誰も置き去りにされることのない学校だ。子供が学校から帰宅するたびに、子供がなにか新しいことを毎日学び、教員にきちんと面倒を見てもらったことが親に分かるような学校であるべきだ。


以下はネガティブ・キャンペーン。社会民主党を始めとする左派ブロックが政権を取るとこんな恐ろしいことになるぞ、と脅す宣伝。私は好きではない。


RUT(家事サービス労働の税額50%控除制度)よ、安らかなれ。
もし、左派ブロック(赤緑政党)が政権を取ると、数多くの良い政策に別れを告げなければならない。RUT税額控除制度を維持したいならば新しい穏健党に投票しよう。


若者雇用の終わり。
もし、左派ブロック(赤緑政党)が政権を取ると、数多くの良い政策に別れを告げなければならない。若者向けの社会保険料減免措置を維持したいならば新しい穏健党に投票しよう。


学校選択制度よ、さらば。
もし、左派ブロック(赤緑政党)が政権を取ると、数多くの良い政策に別れを告げなければならない。子供の通う学校を選ぶ自由を維持したいならば新しい穏健党に投票しよう。


レストラン消費税減額措置もこれでオシマイ、
もし、左派ブロック(赤緑政党)が政権を取ると、数多くの良い政策に別れを告げなければならない。ストックホルムにおける雇用機会をふやしたければ新しい穏健党に投票しよう。(ストックホルムにおける、とあるのは、このポスターがストックホルム住民向けの広告であるため)


ドッカーン! 国防軍が煙となって消え去ってしまう。
もし、左派ブロック(赤緑政党)が政権を取ると、数多くの良い政策に別れを告げなければならない。近代的なスウェーデン国防軍を望むならば新しい穏健党に投票しよう。



【 自由党 】

社会主義に依らないフェミニズム。
(党首:ヤーン・ビョルクルンド)


学校教育に投票しよう。
(教育政策に力を入れている自分たちに票を投じよう、ということ)


学校教育を国の管轄に置こう。(現在は自治体の管轄)
すべての学童に同じチャンスが与えられるべき。


教師が決定権を持つべき。(教師の権威を高めようということ)


成績評価は(学力向上の)役に立つ。
(学校教育のより早い段階で学童の成績評価を導入しようということ)


話ばかりしていないで、もっと手を動かそう。徒弟制度(見習い制度)を拡充していこう。
(高校において実務的な職業教育をもっと増やそう、ということ)


左派が福祉に口出すことにNo。選択の自由にYesと言おう。
(左党が掲げる "Nej till vinster i välfärden"(福祉部門における利潤追求にNo)というスローガンをパロディー化して "Nej till vänster i välfärden" に変えている)



【 中央党 】

地産(地消)の政治


中小企業を成長させよう。そうすれば国全体が成長する。


再生可能エネルギーを増やして、環境を良くしよう。


車をストップさせるのではなく、二酸化炭素の排出をストップさせよう。
(環境党の政策では二酸化炭素排出だけでなく自動車社会そのものが止まってしまう。それに対し、自分たちの政策は自動車社会を維持したままで二酸化炭素排出を抑えるものだと主張している。)


より多くの中小企業 = より多くの雇用


すべての食物から抗生物質を排除して、味わおう。



【 キリスト教民主党 】

雇用が増えれば福祉も増える。


小さな子供はサイズの小さなクラスが必要だ。


尊厳に年齢制限はない。高齢になった時の介護を自分で決められるようにしよう。


いたわるべきは患者であって、県(の財政)ではない。


数学の知識を向上させよう。学校教育に体育を毎日取り入れよう。
(この党は教育政策に対する影響力はほとんどないくせに・・・笑)



【 スウェーデン民主党 】
「イスラム教は社会の ###」、「ユダヤ人は ###」などと人種・宗教差別的なことを言っている党のプロパガンダを私のブログで流すのは非常に不本意です(### には差別的な表現が入る)が、国政政党でもあるので私のコメント付きで紹介します。


スウェーデン、頑張れ!
(党首:ジンミ・オーケソン)


本当の意味での変革!


年金生活者に掛けられている懲罰的課税を撤廃しよう。今、マジで。
(勤労所得税額控除のおかげで年金所得に対する所得税課税が勤労所得よりも重くなっているため、その差をなくそうということ)


ここにやって来る移民(難民)を減らして、紛争地での支援を増やそう。
(この党のお決まりのフレーズ。途上国への開発援助にすら本音では消極的なくせに何を言うか・・・)


犯罪者に対する刑罰を厳しくしよう。被害者に対する支援を増やそう。
(スウェーデン民主党の党員や候補者には、犯罪歴のある者が多いことは良く知られた事実。だから、刑罰が厳しくなれば自分たちに降り掛かってくるんだけど、分かっているのかしら・・・?)

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