中国の習近平国家主席は、抗日戦争勝利70年に当たる2015年、ロシアのプーチン大統領や韓国の朴槿恵大統領らに記念行事の開催を提案しており、内外を巻き込み大々的なキャンペーンを展開する。戦勝国で「共闘」を組み、「大国外交」を誇示する一方、歴史問題で安倍晋三政権をけん制する狙いも強い。ただ対日関係に配慮するロシアや韓国との温度差も目立つ。
◇共産党の正統性を重視-中国
中国政府筋によると、習主席が14年11月に北京で安倍首相との会談に応じた大きな要因の一つは、関係改善への一歩を踏み込まなければ、反日感情が高まる15年を控え、関係悪化に歯止めがかからなくなると懸念したことだ。だが、民衆と共に日本軍国主義に勝利し、新中国を成立させた「正義の歴史」を、共産党は、国民に誇示すべき政権の正統性を示すものと位置付けている。習指導部は、14年に制定した「抗日戦勝記念日」に当たる9月3日に大々的な記念式典を開催する。それに向け、旧日本軍の残虐性が宣伝され、まだ不信感を消せない安倍首相への批判が強まることは必至で、日中関係へ影響も懸念される。習主席は14年12月31日の新年メッセージでも「抗日戦勝」に言及。「習指導部は戦後70年に合わせて安倍首相が出す談話で、きちんとした歴史認識を示すか注目している」(北京の外交筋)。一方、中国はモンゴルにも記念行事への参加を呼び掛けたほか、国連創設・第2次大戦終結70年に合わせて米国との連携強化にも躍起だ。王毅外相は12月下旬、ケリー国務長官に対し、15年は「過去を回顧し、未来を展望する重要なチャンス」と提案。「戦勝国」外交で「平和発展路線」を訴え、国際的存在感の向上を狙う。
◇「中国の政治利用」抵抗-ロシア
ロシアは14年5月の中国との共同声明で「ドイツ・ファシズムと日本軍国主義に対する戦勝70年記念行事を共同実施するとともに、歴史改ざんと戦後秩序の破壊に断固反対する」ことで一致した。プーチン大統領は15年5月9日のモスクワ「赤の広場」での軍事パレードで、各国指導者の中で習主席を主賓扱いする見通しだ。ウクライナ危機をめぐる欧米の対ロ制裁にさらされる中、中ロ蜜月を演出し、ロシアが国際的に孤立していないことをアピールする狙い。ただ、戦勝70年記念行事を中国に政治利用され、日本を過度に刺激することには抵抗もある。ロシア側には、安倍首相の出席も期待する声があり、実現すれば「日本が不戦の誓いを新たにし、中国に先手を打つことができる」との見方もある。モスクワの軍事パレードに当たってロシアは、中国と関係が冷却化する北朝鮮の金正恩第1書記も招待。中国よりも先にロシアに初外遊し、モスクワが北朝鮮をめぐる外交の舞台となる可能性がある。東アジアでのプレゼンス強化をもくろむロシアにとって「北朝鮮が最重要なカードの一つ」(在モスクワ外交筋)。ロ朝関係を重視しているのはそのためで、ロシアの思惑は中国一辺倒でなく、したたかに国益を重視する。
◇記念行事は「別々」か-韓国
韓国は、終戦・解放70年に合わせた中国との共同行事開催について政府レベルでは「それぞれ別々に行う可能性が高い」(尹炳世外相)と慎重な構え。公式に中国との「対日共闘」をアピールする形になれば、国交正常化50周年を迎える日本との関係改善の障害になり、日米韓協力を重視するオバマ政権も不快感を示すのは必至だからだ。14年7月、習主席は朴大統領に共同記念行事を呼び掛けたが、韓国側は提案自体を積極的に公表しなかった。一方で良好な中韓関係に配慮し、国会や民間レベルなど、政府とは距離を置いた形での共同行事の動きはありそうだ。鄭義和国会議長は12月、中国の張徳江全国人民代表大会常務委員長と会談した際、「北東アジアの平和と朝鮮半島の平和統一の基盤を構築しよう」と、両国議会による共同決議採択を持ち掛けた。
@日本をこけ下ろすことでしか、自らの政治権力をキープできない奴らが、なにをどう騒ごうと知ったこっちゃない。別に戦後70年が特別な意味を持つ訳でもなく、祝いたい奴らには祝わせておけばいい。ただ、日本政府は河野談話のメッキが剥がれた以上、自虐史観から脱却した史実に基づく聖戦談話を世界に発信すればよい。敗れた事以外、我が国が反省すべきことなど何もない。