【ビエンチャン(ラオス)】(ダウ・ジョーンズ)フランスのオランド大統領は5日、経済関係強化を目的にア
ジアを訪問するなか、中国の人民元相場は弾力性を欠いていると批判した。AFP通信が報じた。
オランド大統領は、アジア欧州会議(ASEM)首脳会議に参加するため訪れたラオスで記者団に対し、「一部の
アジア諸国、特に中国の通貨は兌換(だかん)性を持たない。為替レートがより均衡するよう、われわれは国際
金融業界の改革を推進しなければならない」と語った。
西洋諸国の多くはしばしば中国政府による人民元相場の厳重な管理を批判し、これがアジアの経済大国である
中国に不当な貿易上の優位性を与えていると主張している。
「競争力は必要だが、それには正当な為替レート、つまり不当競争が存在しない環境が必要だ。フランスも競
争力確保に取り組まなければならないが、同時にアジアも、貿易不均衡の是正というニーズがわれわれにあるこ
とを理解すべきだ」とオランド大統領は述べた。
対中国の貿易収支が年間270億ユーロ(約2兆7700億円)の赤字となっていることは「容認できない」とし、中
国との貿易赤字はフランスが抱える貿易赤字全体の40%近くを占めていると語った。
オランド大統領やそのほかの欧州首脳らは5日、ユーロ圏債務危機がようやく収束に向かっていることをアジ
アの首脳らに理解させようと、ラオス入りした。
オランド大統領の外交攻勢は、活況を呈するアジア経済を欧州がますます重要視していることや、アジアにお
ける米国の関与が増していることをけん制したい思惑を示すものとみられている。
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