希望屋 ~ren_ka ci=set~

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ニャンコロカムイ 1巻

2013年07月12日 20時43分40秒 | ▼マンガ・本

 EDF4、エアレイダー・イージー攻略中のren.です。
いやぁ、やっぱりストレス溜まるわ(w

赤アリとドラゴンが大挙してくるステージは理不尽すぎる。
一回齧られたら自爆、脱出したら齧られて自爆、以下ループ。
しかも、脱出のタイミングが悪いと、マップの端まで放り投げられて、回復箱も取れないし。
時には、身体の一部が地形にめり込んで動けなくなる、3にもあったバグが結構頻繁に発生。

まあ、それも考慮して戦略を立てるのは面白いけれど。
でも、なんだか納得いかない部分も多々ある(w

 

● 「ニャンコロカムイ 1巻」 樹るう/バンブーコミックスWINセレクション
https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0c/35/f6c1f6218f74dde9fd38afe081999fb4.jpg?random=47aaa0a2f036f75ad171faaa4baea957

「ポヨポヨ観察日記」の樹るうさんが、pixivと「まんがライフWIN」で描いている、アイヌ民話・神謡がモチーフの4コマ漫画。
ありそうであんまり無いんだよね、こういうの。

何者かの呪いによって、猫人間にされてしまったポイニャン。
その呪いをかけた者を探すため、魔術使いを片っ端から倒しまくる痛快英雄譚!(たまに、ただのリア充も)
でも、柱で爪は研ぐし、用を足したら砂をかけるし、ひだまりにいると眠ってしまうぞ。

元ネタとなったのはアイヌ民話のポイヤウンペ物と呼ばれる話群(私はポンヤウンペと呼ぶ方が馴染む)。
特に参考とされたのは、ジョン・バチェラー医師と金田一京助博士が集めた中にある英雄叙事詩。

金田一博士の編集した「虎杖丸の曲」は、検索すると全文が読めます(一部再編集されています)。
ちょっと長めな上に、アイヌ語併記の和訳文のため読みづらいかもしれませんが。
樹さんが参考にしたという本はこちら。

● アイヌの物語世界 中川裕/平凡社
https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/08/87/9c3ae07e9a46b2b5027509ade44a2e44.jpg?random=71bfa92013564b89883da2a62961f634

文学という面からアイヌ文化を研究・解説した本で、こちらにはバチェラー医師が編集した「村間の沢のユカラ」を、金田一博士が邦訳した「峡中記」が解説されています。

「虎杖丸の曲」「峡中記」はともに長編の英雄叙事詩で、英雄ポイヤウンペが転戦しつつも、各地の美女と関係をもつ話(w
少年英雄・ポイヤウンペは、アイヌ民話では珍しい人間キャラの英雄(一部の話では半神半人)で、あとがきにもありますが一言で言えば"チートキャラ"。
とにかく、強い!かっこいい!もてる!
数々のカムイや悪党軍団と戦い、時には空を飛んだり、分身したり、変身したりと超人ぶりを発揮。
確かにノリはジャンプ黄金期作品と同じといってもおかしくは無い、エンターテイメント作品です。

時には自身が主人公の物語だけでなく、関係のない話に乱入したオチを乗っ取ることも厭わない(w
実際、この漫画でも、「アイヌラックル伝」に割り込みをかけています。
性格は漫画の通り、かなり暴力的で喧嘩っ早く、戦いを避けようとするカムイにすら刃を向けるというバトルマニア。

ゲームアイテムとしてもまだまだマイナーな、クトネシリカが彼の愛刀(エムシ)。
作中通り、いくつもの憑き神によって強化されており、有事にはポイヤウンペが持っていなくても勝手に空を飛んで、悪党の首を跳ね飛ばすという、これまたチートアイテム。
ちなみに、似たようなお話で「イペタム」という妖刀がありますが、こちらは「人喰い刀」と訳される悪い刀。

嫁も原典に登場するキャラ。
「虎杖丸の曲」では退治される悪党・ウカムペシカの妹で、ポイヤウンペのために仮病を使って兄の邪魔をする、邦訳名「虚病姫」(w
「峡中記」ではシピシ コタンに住む村長の妹。
ト゜ス(巫術)に長けた女性で占いが得意なうえに、ポイヤウンペとともに戦う相棒として、空を飛ぶわ、治癒魔法は使うわ、自ら刀を持って戦うわと、ラノベやアニメなら絶対に人気が出そうなキャラ。

この巻で収録の後半に出てくる謎の男。
これは話の端々や、雷を落とすところ辺り、オキクルミ カムイ(アイヌラックル)ですね。
地上に生まれたばかりのアイヌに、カムイの持つ知恵や文化を伝え、多くの地上のカムイを作った崇拝の対象としてだけでなく、自らが主人公の英雄叙事詩も有名です。

個人的に、この漫画でうれしかったのは、ちゃんとカムイが動物の姿とアイヌの姿を使い分けていること。
カムイを取り扱った作品の多くって、動物のままか、アイヌのままか、よくても"化ける"という表現を使われていてがっかりします。
その点、樹さんはよくアイヌ民話・伝承をよく紐解いていると感心します。
もしも、この先にコロポックルが出るのなら、その扱いや解釈が楽しみですが、さて。

 

ついでに、あとがきに載っていた他の2冊も持っているので紹介。

● アイヌ神謡集 知里幸恵/岩波文庫
https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1e/e0/4551b44f9d9694994b26c485f650050b.jpg?random=0548551b7cfcc4af2571658b351689f0

今はどうか知りませんが、国語の教科書にも載った本。
アイヌ語を知らなくても「銀のしずく降る降るまわりに」のフレーズを覚えている人も多いのでは。
世界で始めてローマ字化・邦訳化したアイヌ民話の本。
記したのは、金田一博士に師事した、アイヌ民族の少女、・知里幸恵さん(書き終えて後19歳で逝去)。

邦訳化されている13篇の神謡は、全て「~~が自ら歌った謡」と題されており、漫画でも、各話の1ページ目がこの流れを汲んでいますね。
それぞれ最後には生きていくうえで大切なことを教える説話の形式がとられており、アイヌ民族はこうして、常識や礼儀、節度というものを教わってきたのだということがわかります。

ちなみにこの文庫版の初刷は1978年で、私の持っているものは1987年の第11刷でした。
当時350円(消費税導入前)。

● アイヌの昔話 ひとつぶのサッチポロ 萱野茂/平凡社
https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4d/5f/5a599ff4d510d2e09aef84f539c560bf.jpg?random=6f32d6743468aab8de60fa5d46466e88

国会でアイヌ語での質問を行うなど、アイヌ民族初の参議院議員だった故・萱野茂さんの編集による民話集。
基本的には日本語でわかりやすく読みやすく、一部はアイヌ語(カタカナ表記)・日本語の対訳になっています。
多くのアイヌ文化書籍を編纂した萱野さんは、生涯で数冊の昔話集を出していますが、この本が最も手に入りやすいものだと思います。
まだ絶版じゃないし(w

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