回覧板

ひとり考え続けていることを公開しています。また、文学的な作品もあります。

詩『言葉の街から』 対話シリーズ 2877-2880

2022年01月31日 | 詩『言葉の街から』
詩『言葉の街から』 対話シリーズ



2877
言葉を探索している
わけじゃないのに
ふいと言葉が降り注ぐ



2878
修行するぞ修行するぞ
修行するぞ
の世界内でもほっとくつろぐ時はも



2879
右に曲がるぞ右に曲がるぞ
右に曲がるぞ
と 真っ直ぐ進んでしまった



2880
明日晴れるかな晴れるかな
晴れるらん
らんらんらん走り出してしまった

詩『言葉の街から』 対話シリーズ 2872-2876

2022年01月30日 | 詩『言葉の街から』
詩『言葉の街から』 対話シリーズ



2872
上から見た金鉱みたいな招き猫のサドキンザン
コマーシャル言葉も良いけどさ
ぼくら(あっそう)と歩み過ぎる



2873
佐渡金山は語らない
言葉に呼び出されたままに
佐渡金山はイメージのショータイム



2874
佐渡金山、と言えば佐渡送り
よく観る時代劇に
時たま出てきて不幸の影が流れる



2875
今とは逆転した農業中心社会で
柳田国男は〈農の感動〉を記した
ほとんど触れられない坑道の中の言葉に触れた



2876
イメージの佐渡金山に触れなくても
言葉は触れている
坑道の喜怒哀楽の破片をすすぎ分ける 

詩『言葉の街から』 対話シリーズ 2868-2871

2022年01月29日 | 詩『言葉の街から』
詩『言葉の街から』 対話シリーズ



2868
もう言葉はない
峠の向こうには
まだまだ言葉原が続いている



2869
はっきりした意味を放っている
わけではない
日差しの中言葉たちが葉揺れしている



2870
(そちらの言葉の服は
脱いでみたら)
こと葉たちがささやいている



2871
もう言葉はない峠の向こうにも
言葉の芽が出ている
忘れている親しい世界がある

詩『言葉の街から』 対話シリーズ 2863-2867

2022年01月28日 | 詩『言葉の街から』
詩『言葉の街から』 対話シリーズ



2863
若い君達の前には
無限の可能性がある
なんてことは話半分さ



2864
美しい伝統文化
なんてなんてなんてね
何カッコ付けてんの



2865
貴族は曲水の宴
とイメージ
しぼりにしぼっても灰汁が漂う



2866
校長のマニュアル通りから来る
長い長い長あああい
話はひと言で良い みんなしっかりね



2867
昔々も今といっしょさ
清濁混じり合って
人が行き交っている人通り

詩『言葉の街から』 対話シリーズ 2855-2858

2022年01月26日 | 詩『言葉の街から』
詩『言葉の街から』 対話シリーズ



2855
揺れる ゆれ る ゆ れる
微妙な どちらへ
どんなふうに 倒れ込むか



2856
期待や希望とは違う
でも通っている 道筋の
木々が陰ったり日が差したりしている



2857
人間界を超えた
宇宙 うちゅ う う ちゅう
時には果てしない深みにはまる



2858
でも重力の中心とも言うべき
この小さな世界
わけもなく鼻歌歌い歩むんだ

詩『言葉の街から』 対話シリーズ 2851-2854

2022年01月25日 | 詩『言葉の街から』
詩『言葉の街から』 対話シリーズ



2851
いつものように渡っていく
風の道には
今朝の匂い今朝の顔がある



2852
誰にも関係の場所があり
あるあるの岸辺
に踏み入ると遠く鳴子が響く



2853
ドラマのような日々じゃない
それでも
見えないドラマが深みを進行して行く



2854
風の道にあるものたちは
風圧を受けている
うっ つっ 葉葉はゆらゆらと揺れずふんばる

詩『言葉の街から』 対話シリーズ 2846-2850

2022年01月24日 | 詩『言葉の街から』
詩『言葉の街から』 対話シリーズ



2846
うつかうつかうつうつか
(越えてしまった)
しまったしまった閉まったよ



2847
思い当たることは数々あり
(うつの葉が降り積もり)
うつうつと繁ってしまった



2848
閉まったものは開くかもしれない
(一縷(いちる)の望み)
芯までうつのうつをうつうつのうつが



2849
うつのうつはうつうつが
(うかうかと来てしまった)
うつのうちみうつうつうつみ



2850
うつぞうつぞ打つ打つぞ
(退路なくなくなく)
うつぞ撃つぞ撃ちてし止まん

詩『言葉の街から』 対話シリーズ 2842-2845

2022年01月23日 | 詩『言葉の街から』
詩『言葉の街から』 対話シリーズ



2842
そこできみは何に出会っているのか
(わからない)
きみ自身には たぶんわからない



2843
くり返しくり返し出会う
(言葉がない)
水面には霧が出ている



2844
嫌いな色や好みの色の中から
(ああ これこれ)
いつものイメージが引き絞られてくる



2845
きみの好きや嫌いやどちらでもない
にはたぶん
ふかいふかい由緒が刻まれている (うっ)

詩『言葉の街から』 対話シリーズ 2838-2841

2022年01月22日 | 詩『言葉の街から』
詩『言葉の街から』 対話シリーズ



2838
現場が終わってしまって
言葉は
追いかける追いかけてしまうんだよな



2839
現場は 終わった
終わってしまったんだ
と風が告げても終わらない残骸がある



2840
終わらないものが言葉の舟に乗り
下ってゆく
現場感をなぞるように漕ぐ



2841
ひたすらに漕ぐ 漕いで
漕いで
過去の自分の近傍を巡り巡る