[短歌味体 Ⅲ] 即興詩シリーズ・続
2790
らあら りるれ りるる
いいなあ
この曲がり方 何度でも りるれ りるる
2791
エリンという名の滑り台
すべるすべる
その感触が遙かな肌触りを呼ぶ
2792
ぐっぱんぐっぱん これなら
遙かな
〈大洋〉まで歩いて行けるぞ
[短歌味体 Ⅲ] 即興詩シリーズ・続
2790
らあら りるれ りるる
いいなあ
この曲がり方 何度でも りるれ りるる
2791
エリンという名の滑り台
すべるすべる
その感触が遙かな肌触りを呼ぶ
2792
ぐっぱんぐっぱん これなら
遙かな
〈大洋〉まで歩いて行けるぞ
[短歌味体 Ⅲ] 即興詩シリーズ・続
2787
ああ いえか うおすむかうお
うおるすとりーと
おうおうきたか はえはえか南風(はえ)
2788
いやだ嫌田よ 蛭がいる
イルカいないか
バシャと水跳ねもない嫌田
2789
はえーなあ ほんとにはえー
似たものが
探せないくらいはえーぞおまえは
[短歌味体 Ⅲ] 関係なさそうでシリーズ・続
2784
一人ぐらい二人ぐらいと
減らしていくと
合唱のふんい気変色する
2785
さじ加減よろめいて
加えすぎ
と とっとっと側溝の苦さ
2786
色浸かり巨大画布を
ころげ回る
思い思いの無数の色跡の
[短歌味体 Ⅲ] 関係なさそうでシリーズ・続
2781
ええ、ええ、まちがうことは
ありませんよ
カップでしょう、ドーナツでしょう
2782
カップとドーナツが
同一地平に
親しげに落ち合うトポロジー
2783
ちがうおなじちがうおなじ
言い争いの
峠の向こうに立つ老若男女
[短歌味体 Ⅲ] 関係なさそうでシリーズ・続
2778
ミュージシャン絵の中に
ざわめく音
波打ちうねる音の流れるを聴く
2779
試合のはじまりから
終わるまで
ひとつの物語に読む者がいる
2780
小さい子築き上げた
砂山に
ふと吹き寄せた木の葉でピリオドを打つ
[短歌味体 Ⅲ] 関係なさそうでシリーズ・続
2775
テレビがCMやっている
買う気は皆無
でも耳目を引かれている
2776
嫌いな人の触れたもの
イメージの
手垢が付いて正視できない
註.ネトウヨがアニメのキャラやスタートレックの画像などをSNSのプロフィール画像に用いているのを目にして。
2777
イメージは触(さわ)れなくても
結び解(ほど)き
撥(は)ねつけるエネルギー場を起動する
[短歌味体 Ⅲ] 関係なさそうでシリーズ・続
2772
見知らぬ国の見知らぬ人々
この地でも
見知らぬ人も薄ーく無縁ではない
2773
ほんとうは生きもの全てに
アンパンを
ちぎって分けたいけどそこまではねえ
2774
関係ないし余裕ないしとか
背(そむ)けるも
それでも微量の揺らぎがある
[短歌味体 Ⅲ] 関係なさそうでシリーズ・続
2769
(容疑者Aが殺害し・・・)
とたどる君
関係なさそうで(ない!)と振り切れぬ
2770
(A君はイジメに遭って・・・)
(かわいそうに)
と流れる小川はイジメ川に注ぐ
2771
高台に住んでいるから
大丈夫
とは言えないな いつ何がかわからない
[短歌味体 Ⅲ] 関係なさそうでシリーズ・続
2765
オリンピックの選手でも
ボールへの
触れ初め触れなじみがあった
2766
あったことは波立たない
平静の
波間に今も参列している
2767
行動の内面は 抽出された
一般性をよそに
生命の老若の肌を併せ持つ
2768
老いの中にも幼年があり
ジャックは
夢に豆の木を下ってゆく