回覧板

ひとり考え続けていることを公開しています。また、文学的な作品もあります。

短歌味体Ⅲ 2699-2701 おわりはシリーズ・続

2018年09月02日 | 短歌味体Ⅲ-4

[短歌味体 Ⅲ] おわりはシリーズ・続

 

2699
あれほどのピンと張った
はじまりも
解けて流れて夕暮れに入る

 


2700
終わりあるさびしさは
しんししん
終わりの夜に青く倒れ込む

 


2701
振り返る時間はずずずん
濃縮の
海の底ただ深いふかあい


短歌味体Ⅲ 2686-2689 はじまりはシリーズ・続

2018年08月29日 | 短歌味体Ⅲ-4

[短歌味体 Ⅲ] はじまりはシリーズ・続

 


2686
晴れがましい、否定はしない
ただ普段着の
朝に始まり夜に帰る

 


2687
たとえば玄関先の
小石を
裏返す、小さなはじまりの朝

 


2688
うーん、どれにしようかな?
突き抜けて
無条件に〈いし〉でありさえすればいい

 


2689
大石小石黒石青石
見た目ではなく
時にさらされた石であるならば


短歌味体Ⅲ 2682-2685 はじまりはシリーズ・続

2018年08月28日 | 短歌味体Ⅲ-4

[短歌味体 Ⅲ] はじまりはシリーズ・続

 


2682
はじまりはスーツにネクタイ
で踏み迷う
一見主流の朝が流れている

 


2683
一見を軽く否定
はしないさ
近代からの重みがありあり

 


2684
なぜ黒なのという疑問
沈めて
葬式に向かう日もある

 


2685
歴史の重しがあっても
(それは服ですよ)
のかるーい気持ちがいいな


短歌味体Ⅲ 2678-2681 はじまりはシリーズ

2018年08月27日 | 短歌味体Ⅲ-4

[短歌味体 Ⅲ] はじまりはシリーズ

 


2678
木の葉散る黄色がかった葉
枯れ葉青葉
散るそれぞれの事情で散る

 


2679
どんな色違う事情でも
この大気の中
等しく木の葉散る


2680
ネトウヨもリベラルも
溶け出して
ねとねとうようよりらべるする

 


2681
等身大の少し生臭い
ただの人
緊張して舞台の袖に立っている 


短歌味体Ⅲ 2675-2677 接続シリーズ・続

2018年08月26日 | 短歌味体Ⅲ-4

[短歌味体 Ⅲ] 接続シリーズ・続

 


2675
「そうですね」と返答はする
けれど ああ
言葉の舟は先の方を進んでいるさ

 

2676
ざっくりと問い詰められても
霧の中
こもよみこもよ籠もり居る

 

2677
きみは何つながりか
と聞かれたら
ただ無言で〈理想のイメージ〉つながりさと答える