回覧板

ひとり考え続けていることを公開しています。また、文学的な作品もあります。

短歌味体 Ⅲ 204-206 らっしゃいシリーズ・続

2015年10月31日 | 短歌味体Ⅲ

[短歌味体 Ⅲ] らっしゃいシリーズ・続
 
 
204
ほんとうは作り元気かも
しれないが
飛び跳ねる魚の「らっしゃい」
 
 
205
無意味でも肌になじんで
ほのかにも
意味線上の「ラッスンゴレライ」
 
 
206
秋晴れの大気震わす
どんどん
どどんどんどん芯の言葉匂い立つ


短歌味体 Ⅲ 201-203 らっしゃいシリーズ

2015年10月30日 | 短歌味体Ⅲ

[短歌味体 Ⅲ] らっしゃいシリーズ



201
抜けいくも言葉は生きる
時と場の
約束に守られ伸びゆく生命線(いのち)


202
ウォーターはワラァーでないと
圏外で
What do you meam ?返球来るらし


203
母ならば向かう子の言葉
受けとめて
あぶあぶ球に返球する

全体の註.「魚屋のらっしゃいの声好きで買う」(毎日新聞「万能川柳」2015.10.28)を読み、きっかけとして。


短歌味体 Ⅲ 181-185 置き字シリーズ

2015年10月24日 | 短歌味体Ⅲ

[短歌味体 Ⅲ] 置き字シリーズ


181
各々の歳経る言葉の
年輪から( )
いろんな歩み方ふいと流れ出る
 
 
182
知りません(ね) 言葉の総量は
音に出ない
深い峡谷にまで及ぶ
 
 
183
(いいですよ)風に流れる
言葉ひとつ
ひとつ拾いながらまた風に流す
 
 
184
ええ。
(ああこれは 何度か通った
やわらかな
新茶を揉むみどり匂い立つ)
 
 
185
(私はやっていない
何と言い
何を掘り返そうとわたしはやっていない)
 
註.( )は、置き字。見るだけで読みません。


短歌味体 Ⅲ 178-180 ナノシリーズ・続

2015年10月23日 | 短歌味体Ⅲ

[短歌味体 Ⅲ] ナノシリーズ・続
 
 
178
ナノなので言葉の葉揺れ
瞬時に
揺れ伝わり新たな地に咲く
 
 
179
おぼろげな夢現の
境には
固まりゆく手前の言葉ナノ
 
 
180
どうナノ?こうナノ?そうナノ?
知らぬ間に
吹き寄せ絡む言葉の糸くず
 
註.ナノ(nano, 記号: n)は国際単位系 (SI) における接頭辞の一つで、以下のように、基礎となる単位の10-9倍(=十億分の一、0.000 000 001倍)の量であることを示す。
1ナノメートル = 0.000 000 001メートル
1ナノ秒 = 0.000 000 001秒(ウィキペディア「ナノ」より)