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ひとり考え続けていることを公開しています。また、文学的な作品もあります。

詩『言葉の街から』 対話シリーズ 4784-4787

2023年05月31日 | 詩『言葉の街から』
詩『言葉の街から』 対話シリーズ



4784
頑(かたく)なな道にふいと少し新鮮な未知が
柔らかな風も吹く
〈みち〉が少しズレる



4785
わけがよくわからなくても
〈いいな この感じ〉
でもきみは墨守 折れて行く折れて行く



4786
きみが厳密に計量する甘い水
どこからか
苦行の苦みが混じってくるね



4787
ことばのみちは捉え難い
自在に見える言葉も
この日差しに貫かれて来る


最近のツイートや覚書など2023年4月 ②

2023年05月30日 | 覚書
 最近のツイートや覚書など2023年4月 ②


2023/04/17
RT
海上自衛隊イージス艦が8隻体制から12隻体制へ(JSF)
#Yahooニュース


今回の北朝鮮のミサイル打ち上げ問題で、そう言えば「イージス艦」というべらぼうな値段の艦船が1、2隻あったなと思いだして調べてみたら、さらにべらぼうなことにイージス・システム(「アメリカ海軍によって、防空戦闘を重視して開発された艦載武器システム」)搭載艦が増えている。しかも役立たず?のアメリカ買い。

誰が書いたかwikiの「イージス艦」によると、「イージス艦」や「イージス・システム」について、たいそうなことが書かれているが、今回の「はずれ」によって、その(アメリカの人工衛星にも頼っている?)防衛網の実態がちらりと可視化された。



農事メモ2023.4.17
・昨年は、スーパーの店頭で買った安納芋を種芋にして4/13に畑に植えたら、5/9頃芽が出ていた。
今年は、3/5に自家種芋を植えた。今日4/17に、1つだけ芽が出ていた。少し腐ってはいなかったか、と心配していたので、ホッとした。
(註.2023/05/22現在、10株以上の種芋が芽を出して育っている)



覚書2023.4.17
柳田国男が『遠野物語』にまとめ上げた村落社会やその村落社会内の人の心や精神の働かせ方は、近代以前のもので現在からは迷妄に見える。しかし、割と閉鎖的な村落社会の関係意識が生み出した必然だったとも言える。それでは、現在の渦中に生きるわたしたちの目にする「陰謀論」じみた

言葉や「フェイク」などの迷妄や特にネトウヨに顕著な政治的、社会的幼稚さなどの閉塞的な花盛りは、現在の何が駆動させている必然なんだろうか。現在は、『遠野物語』のあの山越えたら別世界という閉鎖社会から、均質化した社会になり、ネットという仮想空間を通して個が全世界のことに居ながらにして

接続できるような仮想開放社会に変貌した。これは、私たちに世界の縮小感をもたらしているし、生存の感覚もバーチャル化しているのかもしれない。そうして、中には全世界のことをリアルに「知る」ことができ「動かす」ことができるというような一種全能感を感じている人々もいるようだ。

画像処理の高度化なども「フェイク」の手助けをしている。しかし、そんな誇大妄想は、現在的な迷妄というほかない。私たちは、相変わらず多くの面倒な手続を踏みながら、ものごとの〈真〉に迫ろうとする以外の近道はないと思い知るべきとわたしは思っている。



養老孟司が書評している千葉聡『招かれた天敵 生物多様性が生んだ夢と罠』であるが、「千葉聡」って何か耳にしたことがある名前だなと思って調べてみたら、耳にしたことがある人は、同姓同名で歌人で高校の先生をしている人だった。

ところで、この本は興味深いけどそこまでの余裕がない。私だけなのかどうか。私がジャンルを問わず読書するせいなのか、現在が書物であふれかえる時代になってしまったからなのか、よくわからないけど、ゆっくり読むから絞りに絞った読書にするほかない。村上春樹の新作届いてるけどいつになるやら。



2023/04/19
数年前、当時コピーしていた内田樹「改憲案の「新しさ」」(2013.5.8)をやっと読んだ。
http://blog.tatsuru.com/2013/05/08_0746.html

内田樹は、「自民党の改憲案を「復古」とみなす護憲派の人たちがいるが、それは違うと私は思う。」と述べ、改憲勢力の意図や感性は、国民国家の枠が緩んだり壊れようとも現下の資本主義のグローバリズムの感性や行動を促進することを意識的・無意識的に計ろうとするものであると捉えている。

吉本さんの戦争期の思想の批判では、当時の資本主義の感性と古臭い日本的な感性への先祖返りは矛盾なく張り合わさった二重性としてあったと分析されていたと思う。ここで内田樹は、日本会議系や統一教会と手を結ぶ改憲勢力の古い感性を取り上げていないが、戦争期と同様の二重性だと思う。



「日本のお笑いタレント(吉本興業所属、ロンドンブーツ1号2号)、司会者、作家、ラジオパーソナリティ、YouTuber 、会社経営者」(wiki)といろんな顔を持つ田村淳が、よく調べもしないで、統一教会の下関「聖地」問題に反射神経的にツイートして、その間違いを突き付けられている。

私は戸惑うけど、こんな多様な顔を持つようになったのは現在の特徴のようだ。彼は、以前、教育問題にも触れていたが、ジャーナリストの浅い文体で鋭い洞察には見えなかった。本気かよ?と思った。しかし、私の好きな明石家さんまは、相変わらずお笑いだけのように見える。



2023/04/20
内田樹の2022年1月17日以下のツイートにまた出会った。
「古語辞典一つあれば千年前の古典でも読めるという国語教育をしている国ってもう東アジアには日本と台湾くらいしか残ってないんです。中国も韓国もベトナムも、古典はおろか百年前に書かれたものさえ一般人は読めなくなっている。」

中国では、1950年代に、それまでの繁体字を大幅に簡略化した簡体字とした。それで、これからの漢字、漢文の研究は、日本によろしくお願いします、と中国の政治家の江沢民(?)が白川静(?)に言ったという記憶があったから、なるほどねと思ったものだが、中国の教育事情を知る人々から、そうではないてせすよと突っ込みが入っている。



2023/04/25
今、「HR業界を活性化する」という言葉に出会って、「HR」って何?と思った。「HRとは「Human Resources(人的資源)」という英語の頭文字をとったもので、簡単に説明すると人材のことを示します。」とあった。AI( artificial intelligence)の場合は、人工知能みたいなものと受けとめられるようになって

きている。AIの場合は、HRの局所性と違ってずいぶん流布してきているから、今はAI≡人工知能という翻訳の回り道を含む了解でも、先々は「コンビニ」や「スマホ」と同様に「AI」で直接に対象を指示するようになるだろう。言葉には、業界レベル(地域レベル)で終わるものと、列島レベルにデビューするものとがありそう。



最近、藤井一至『大地の五億年 ― せめぎあう土と生き物たち』(2022年 ヤマケイ文庫)をやっと読みはじめた。まだ50ページくらいだけど、なんか物語を読むようなふしぎな感じでおもしろい。



毎日新聞くらし医療部@mainichikurashi
30代で自殺したベルギー人研究者。死の直前までAIの自動会話システムとの会話にのめり込んました。「イライザ」と呼ばれるチャットボットが感情を持っているかのような会話で、彼を追い詰めたのではないか――。そんな指摘もあり、記者も「イライザ」との会話を試みました、
https://mainichi.jp/articles/20230423/k00/00m/030/156000c

太古から近代以前までは、それが次第に薄まってきたとしても、木が言葉を語るとか人と木が交歓できるということは一般的には自然なことと思われていた。現在ではそれは迷妄で木は無機質的なものと一般には感じられている。AIは自己表出(人の心)を持たない無機質的なものだけど、太古の人々が木に対した(そんな人と木との交歓が描かれているのは、フォレスト・カーター『リトル・トリー』。)

ように擬似的な自己表出を感じることができそうに思える。それはペットロボットのaibo(アイボ)についても同様ではないだろうか。いわば、太古の自然なレベルでの人と自然との交流が、現在では人工的(バーチャル)なレベルでの人と自然との交流に置きかわっていると見なせそうに思う。



2023/04/28
マスコミも、当時はくり返しくり返し「決められない政治」と民主党政権を批判して、安倍政権への流れをアシストしたのだったか。初めての民主党政権でもあり、決断力の無さや右往左往もあったろうが、それ以降、今までになく自公政権が勝手に決めてしまう政治、

しかも司法やマスコミにも手を突っ込んだ最悪政治になってしまった。まだまだわが国は、与野党伯仲で「決められない政治」の方がマトモだという段階だろう。こんな体たらくの政治を目にし続けてきて、有権者の見識や理性としては、少なくとも与野党伯仲させるべきと思う。

それとも、多数の無党派層は、悪政治と不能の野党に自然の猛威に対するように耐えたりあきらめたりしているのが現在だろうか。



HK Eテレ(教育テレビ)@NHK_ETV
NHK Eテレ 04/28 23:00 こころの時代ライブラリー 外国人収容者と共にありて 柚之原寛史
外国人収容者と共にありて 柚之原寛史
初回放送日: 2023年4月28日


牧師の柚之原さんが、外国人収容者の話を聞いたり支援活動をされているのを少し観た。渡辺京二の『逝きし世の面影』などに描かれた日本人は、日本の民衆は、外国人に対しても情愛の人であった。江戸時代に捕らえられたロシア人ゴローニンに対してもその護送の途中には、好奇心もあったろうが民衆は

食べ物を与えたりもてなしたりしたという。たぶん一般に生活者の感性は今でもそのようなものだろうと思う。現在の入管の問題に対して、しかし、政治家やネトウヨなどは〈法の人〉や〈イデオロギーの人〉の顔が前面に出ていて、外国人収容者を人として見ることができていない。

また、この間の入管職員の〈法の人〉や〈処罰の人〉としての収容者に対する振る舞いは、学校などの小社会でのいじめから警察の体質などにも通じる、古い体質の悪組織性(負の精神の遺伝子)だと思える。現状の入管制度はもっとゆるいオープンな方に解体されるべきだと思う。



2023/04/29
覚書2023.4.29
行政(政治)の起源を踏まえた、現在が放つ理想のイメージからすれば、誰が政治家になろうと良いということであり、それは学校のクラスの委員みたいに当番で仕方がないからいやいやでもやるというイメージになる。だから、好き好んで政治家になるという現在は何かおかしいということになる。

政治が真に国民(生活者)のために行われるなら、方法論のいくらかの違いはあっても激しく対立する必要はなく、政治党派も不要であるはずである。それが、そうでない現状では、口先だけは別にして政治が真に国民(生活者)のために行われていないということを示している。

それでは何のために行われているか。国民以外の利益団体や自らのイデオロギーのためというほかない。宗教団体である日本会議や統一教会との政権の癒着はそれを証している。
 

詩『言葉の街から』 対話シリーズ 4780-4783

2023年05月30日 | 詩『言葉の街から』
詩『言葉の街から』 対話シリーズ



4780
流しのたわしが移動している
いつもの場所から
こんな器具の助けでこんなところにある



4781
言葉も歩く走る移動する
同じ言葉が
他の言葉たちに支えられ変身する



4782
昨日までの素顔の言葉が
少し化粧して
新しい舞台に立っている



4783
今までの意味を解(ほど)き
別様に結び直して
新たなふんいきで踊っている


詩『言葉の街から』 対話シリーズ 4776-4779

2023年05月29日 | 詩『言葉の街から』
詩『言葉の街から』 対話シリーズ



4776
張り詰めて乾いた言葉ばかり
打ち上げていると
頭と心が乖離(かいり)する



4777
薬を飲んでも治らない
目まぐるしい神経網の火花と
乾いていく内臓の丘陵地と



4778
生身のにんげんを置いてきぼりに
産業は次々に
コマーシャル言葉を生産・消費する



4779
(ああこんな華やかな言葉の街に
ぼくのきみのオレのアンタの
ちいさな場所はエンクロージャーされてしまっている)


詩『言葉の街から』 対話シリーズ 4772-4775

2023年05月28日 | 詩『言葉の街から』
詩『言葉の街から』 対話シリーズ



4772
今では言葉は瞬時に
言える書ける
玄関で靴履いて出るよりもすばやい



4773
「異次元の」と言えば
直ちに
異次元が下りてくる



4774
もちろんなそんなスッカラカンの
コマーシャル言葉でいいのだろうか
と肌身から内省は起こる



4775
一方で 何十年も経って
やっと手につかんだ
この重みある言葉もある


詩『言葉の街から』 対話シリーズ 4768-4771

2023年05月27日 | 詩『言葉の街から』
詩『言葉の街から』 対話シリーズ



4768
人の世界はどこまでも関係世界だから
どんなもの どんなことにも
たくさんのつながりの糸がある



4769
あそこを歩いていく山田君と
遠い世界の戦争と
つながりの糸なんて無いように見える



4770
つながりには強弱濃淡があり
人間という基底まで下りるなら
山田君とその戦争はつながりの糸で結ばれている



4771
色んな糸を引き寄せたり断ち切ろうとしたり
大方は気づかずに 人は
糸にまみれた日々を歩いている


詩『言葉の街から』 対話シリーズ 4764-4767

2023年05月26日 | 詩『言葉の街から』
詩『言葉の街から』 対話シリーズ



4764
慈悲と残虐の二つの顔を持つ
大自然は
ふだんは意識されない穏やかな流れにある



4765
たぶんそこからはい上がってきた
神々も
そんな二つの顔を持っている



4766
あらゆる事実は現場から離れ
真実やフェイクとなり
二つの言葉の顔を持つ



4767
真実やフェイクは
大自然を模倣しようとする
人の追いすがる哀しい欲求か


詩『言葉の街から』 対話シリーズ 4760-4763

2023年05月25日 | 詩『言葉の街から』
詩『言葉の街から』 対話シリーズ



4760
「一枚の木の葉が落ちて行った。」
それは目にしていたから
確かに木の葉が一枚落ちていった



4761
一方では踏み止まっている
木の葉もあれば
死ぬことなんか思いもしない木の葉もある



4762
たぶん世界中で今この時
静かに木の葉が落ちている
踏み止まっている落ちるなんて思いもしないでいる



4763
そんなことに気持ちを向けていると
木も人も
おんなじ所に立っているみたいだ


詩『言葉の街から』 対話シリーズ 4756-4759

2023年05月24日 | 詩『言葉の街から』
詩『言葉の街から』 対話シリーズ



4756
帰ってくるところが息苦しいなら
うまく眠りに滑り込めないなら
ことばが荒れるのは自然



4757
言葉に出さなくても
沈黙は
ことばの肌は波が高い



4758
静かに座る椅子と場所がない時
ことばは
壁の前で言葉を枯らす



4759
そうして当てもなく
言葉の街へ出て行くのだ
眠り安らぐことのない喧騒の言葉の中へ


詩『言葉の街から』 対話シリーズ 4752-4755

2023年05月23日 | 詩『言葉の街から』
詩『言葉の街から』 対話シリーズ



4752
遠くまで出かけても
必ず帰ってくる
人もことばも (ホッとする)



4753
目覚めてあちこち歩き回る
その後は
必ず眠りに落ちる (そうだね)



4754
あまりに当然すぎて
立ち止まって
教訓話する椅子もない



4755
日々の重力だね
(振り返れば影がある
ああ これが重力かあ)