回覧板

ひとり考え続けていることを公開しています。また、文学的な作品もあります。

詩『言葉の街から』 対話シリーズ 6156-6159

2024年05月01日 | 詩『言葉の街から』
詩『言葉の街から』 対話シリーズ



6156
この世界の掟や慣習を脱けてしまったら
今なお聖書の
石が飛んでくる (イタ 痛いなあ)



6157
大多数は人倫の内側で
善でも悪でもなく
日々自然な手付きで感じ考えている



6158
けれど誰もがつまずく
可能性に揺れている
と 〈法〉が災害のように急に雪崩れてくる



6159
(自分は 大丈夫だ)
というつぶやきは
この世界の渦中では大海の小舟だ


詩『言葉の街から』 対話シリーズ 6152-6155

2024年04月30日 | 詩『言葉の街から』
詩『言葉の街から』 対話シリーズ



6152
目をつむる
重力を振り切って
するりと脱けていく



6153
人の匂いが少し薄くなる
ということは
いちいち否定の背を押す重力もかからない



6154
頂き女子りりちゃんも
頂かれた人々も
まあ いいじゃないか



6155
でも負のことばの人
負の世界
を旅する者たちは つらいね


詩『言葉の街から』 対話シリーズ 6148-6151

2024年04月29日 | 詩『言葉の街から』
詩『言葉の街から』 対話シリーズ



6148
日々忙(せわ)しなく追いまくられて
時代の圧に
倒れた者たちもいただろう



6149
けれどこの変貌の光景は
半ば以上は
人間的必然のものと言えそうだ



6150
今日も風に煽(あお)られて
バタリバタリと
無念の木の葉が落ちる



6151
(ああしていれば良かったのに)
(それを拒めば良かったのにな)
風には無念の言葉たちが溶けている


詩『言葉の街から』 対話シリーズ 6144-6147

2024年04月28日 | 詩『言葉の街から』
詩『言葉の街から』 対話シリーズ



6144
畑の際にはお茶の木が残っている
小さな山林には
待ち兼ねた大きな杉の木もある



6145
時代が 社会が
大きく変貌してしまった
が旧時代の配慮は今も残されたままだ



6146
高度経済成長期が
消費経済を蔓延・増進させ
自給自足的な衣装をはがしてしまった



6147
内に焚き付けられ走っている内に
ミシミシミシと
人も地域も社会も変貌してしまった


詩『言葉の街から』 対話シリーズ 6139-6143

2024年04月27日 | 詩『言葉の街から』
詩『言葉の街から』 対話シリーズ



6139
昨日 畑の際にある
ひとかたまりのお茶の木の
新芽を摘んだ



6140
初めに 予定とは違って
二時間ほど
畑の際の草刈りをしてしまった



6141
新芽をひとつひとつ
お茶の葉以外のことは
ほとんど考えることなく一時間ほど摘んでいた



6142
夜 大きなフライパンで
お茶の葉を煎(い)った(いい匂い)
揉(も)んだ(あっちっち)煎った



6143
ずっとほったらかしていたのに
ここ二、三年お茶の葉を摘んでいる
40gほどのお茶になった


詩『言葉の街から』 対話シリーズ 6135-6138

2024年04月26日 | 詩『言葉の街から』
詩『言葉の街から』 対話シリーズ



6135
この世界の重力下
抗う気持ちは沈めて
時にはらんらんらんと駆けていく



6136
急に近づいて来た仮想世界みたいな世界
いさかいや硝煙や・・・(遠くて近いな)
僕の中で無にできるわけはないが



6137
誰もが散歩やショッピングや
花見や・・・
らんらんらんと楽しんでいる



6138
たぶん先の戦争中でも
現在戦火の中にいる人々も
笑ったりキーウの桜を眺めてらんらんらんしている


詩『言葉の街から』 対話シリーズ 6131-6134

2024年04月25日 | 詩『言葉の街から』
詩『言葉の街から』 対話シリーズ



6131
働きかけると返ってくる 人の感じ考えは
次第に深みを現す自然
と対応して深まるだろう



6132
もちろんひとりの感じ考えは
小さい
忙(せわ)しなく動き回るアリさんみたいだ



6133
それに人の感じ考えには
たぶんそこまでしか行けない
時代性の限界はある



6134
それでも振り返ると
世代の無数の連なり
が少しずつ限界を越えていく


詩『言葉の街から』 対話シリーズ 6127-6130

2024年04月24日 | 詩『言葉の街から』
詩『言葉の街から』 対話シリーズ



6127
例えば素手の人力では
1トンの重量を
持ち上げるのは無理だろう



6128
人の身体の機構からくる
自然な
限界がありそうだ



6129
素手のスポーツは
どこかで
限界点に達するように見える



6130
人の感じ考える限界点は
死の手前では
果てがないほど深い?


詩『言葉の街から』 対話シリーズ 6123-6126

2024年04月23日 | 詩『言葉の街から』
詩『言葉の街から』 対話シリーズ



6123
人間の限界点を押し上げる
スポーツのように
感じ考える人の限界点も押し上げられるか



6124
ワープ航法とは違って
毎日毎日
同じようなことをくり返し 穴を広げ


6125
ある時誰かがふと突き抜けた
ことに気づく
そんなことがありそうだ



6126
それから踏み越えた限界点は
限界でも何でもなく
みんなが自然にそこを踏みしめて行く


詩『言葉の街から』 対話シリーズ 6119-6122

2024年04月22日 | 詩『言葉の街から』
詩『言葉の街から』 対話シリーズ


6119
どんな対象もひとつの総体
として生き立っている
としても向けられた視線の方に顔を向ける


6120
例えば 家や敷地に住んでいる人がいて
そこを眺め通り過ぎる人がいて
また不動産業者の視線で見る人がいて


6121
対象と交差した
いろんな物語の断片が
視線の中をさらさら降っていく


6122
それぞれの視線から
それぞれが中心に座り
対象は隅の方にひっそり控えている