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「データベース・吉本隆明を読む」11月の更新情報

2018年11月30日 | データベース「吉本隆明を読む」

「データベース・吉本隆明を読む」11月の更新情報


 
データベース・吉本隆明を読む
http://dbyoshimoto.web.fc2.com/


 11月の更新の情報
 
「言葉の吉本隆明②」に、
2018.11.03 新規項目546 「晩年の言葉 ①」を新たに追加。
2018.11.09 新規項目547 「晩年の言葉 ②」を新たに追加。(関連項目537「微妙な親鸞」)
2018.11.17 新規項目548 「二度目の知の解体処理 ①」を新たに追加。
2018.11.23 新規項目549 「二度目の知の解体処理 ②」を新たに追加。
2018.11.25 新規項目550 「特攻隊のイメージ」を新たに追加。
2018.11.30 新規項目551 「歴史の動因 ②」を新たに追加。


短歌味体Ⅲ 2886-2888 ほんとにほんとのほんとはねシリーズ・続

2018年11月28日 | 短歌味体Ⅲ-5

[短歌味体 Ⅲ] ほんとにほんとのほんとはねシリーズ・続

 


2886
古びた水道管の
現在に
ふいと水流ばしゃっと散る

 


2887
ほんとにほんとは見えやしない
現在から
あふれ出す水流の

 


2888
外からはわかりにくい
この水の
微かな苦みの歴史広がる


短歌味体Ⅲ 2883-2885 ほんとにほんとのほんとはねシリーズ・続

2018年11月27日 | 短歌味体Ⅲ-5

[短歌味体 Ⅲ] ほんとにほんとのほんとはねシリーズ・続

 


2883
この世界への古い通路
たどっていく
と この世界の肌色が見えてくる

 


2884
ぼくはほんとにただの人
信長も
家康も晋三も完全スルーさ

 


2885
拓(ひら)かれた道を過ぎて
道以前の
風景と人が暮らしてる


短歌味体Ⅲ 2880-2882 シリーズ・続

2018年11月26日 | 短歌味体Ⅲ-5

[短歌味体 Ⅲ] ほんとにほんとのほんとはねシリーズ・続

 


2880
かすれた言葉の森の
向こう
人形(ひとがた)のエナジー漂う

 


2881
ほんとは走法ではなく
視線の
深度と構成とが背押されているが

 


2882
経験値積み上げることなく
〈ワープ〉
してくるほんとにほんとのほんとは


覚書2018.11.24

2018年11月25日 | 覚書

 覚書2018.11.24



 バーチャル(仮想)な宇宙的視線、すなわち超高度からの視線から地上のわたしたちを眺めれば、人間的な諸活動を示す光の分布が得られるだろう。わたしとあなたはその中の極微の光の粒であり、その光の分布に埋め込まれ溶け込んでしまっていてバーチャルな宇宙的視線からは見えない。

 もし、その宇宙的視線が超強力な分解能を持っていてわたしとあなたの光の粒を分別できたとしても、その内在する固有の差異は分別できないだろう。したがって、超高度の宇宙的視線からは、わたしもあなたも、わたしたちすべての人間が等価なものと見えるだろう。

 また、赤ちゃんから老年に渡る人の生涯(に近い)時間性を持った地上的な視線からわたしとあなたを眺めても、「能力」や「個性」などのこの人間界の価値観は溶けてしまって、ただ人として等価な存在に見えるだろう。もちろん、老いて仕事を引退しても、依然として成年期の価値観の残骸に囚われているということもありうる。

 現在の人間界のただ中の成年期の地上的な視線によれば一般に、わたしとあなたは、ある価値の序列の上下や良い悪いというイメージをもたらすかもしれない。もちろん、その一般的な視線を内省する批判的な視線はあり得る。また、この一般視線は人間を部分的にしか見ないから、例えば「障害者」や「老人」は本当は眼中にない。

 しかし、この人の生涯の一時期である成年期の地上的な視線は、それが人の生涯でもっとも活動的な時期だとしても、人間の生涯の一部分に過ぎないものである。赤ちゃんにとっては成年期の世界はほとんど関心の圏外であるだろうし、仕事を引退した老年の人にとっては成年期の世界は遠い無価値・無縁の世界に見えてくるかもしれない。

 ひと言で言えば、この成年期という人の生涯の部分的な時間が生み出すものの感じ考え方や価値観は、絶対的なものではなく、部分的なものだという謙虚さが実態にかなっているはずである。それはまた、時代とともに推移もする。人間界を超えた宇宙的視線や人の生涯(に近い)時間性を持った地上的な視線は、そのことを告げているように思う。

 

 


短歌味体Ⅲ 2877-2879 ほんとにほんとのほんとはねシリーズ・続

2018年11月25日 | 短歌味体Ⅲ-5

[短歌味体 Ⅲ] ほんとにほんとのほんとはねシリーズ・続

 


2877
(ほんとにほんとのほんとはね)
と 箱を開いていくとき
手は人間界の掟に馴染んでいる

 


2878
哀しい嘘八百も
ウソホントの
貼り合わせもありほんとはむずかしい

 


2879
それでも人の大道に沿って
ほんとに
ほんとのほんとはねを歩いて行く


短歌味体Ⅲ 2873-2876 ほんとにほんとのほんとはねシリーズ・続

2018年11月24日 | 短歌味体Ⅲ-5

[短歌味体 Ⅲ] ほんとにほんとのほんとはねシリーズ・続

 


2873
クモの糸糸からまって
ベタベタの
内に宙吊りのことばたち

 


2874
言葉たちお菓子みたいに
くずれ溶けて
ゆくゆくは現れ出るもの

 


2875
喧噪(けんそう)の制圧する
街中を
潜り泳法でゆくことばたち

 


2876
あれいいねこれいいなと
流れ触れる
視線たち、耳バリアーが効いている