回覧板

ひとり考え続けていることを公開しています。また、文学的な作品もあります。

詩『言葉の街から』 自動運転シリーズ 21-25

2019年09月30日 | 詩『言葉の街から』
詩『言葉の街から』 自動運転シリーズ



21
彼岸花を目にしたら
飢餓の不安
小さく彼の背に点ってしまう



22
みんなで分かち合うほかなかった
時代には
それはそれで村はまわる 山向こう世界は遠い



23
(獲物待つ岸辺の鳥は
じっと待つ
こころ、風に溶かして) 人もまた



24
自分ひとりの場所や物を
手に入れたとき
人の胸に虹が懸かっていた

25
鳥たちと違って少しずつ
場所を
変えていくよ 人は

詩『言葉の街から』 自動運転シリーズ 17-20

2019年09月29日 | 詩『言葉の街から』
詩『言葉の街から』 自動運転シリーズ



17
(ああ 天気がいいなあ)
ゆったりと
雲が流れていく昼下がり



18
車だけではない ほらほら
これもあれも
自動運転! 寝っ転がっててもいい?



19
誰もが思っていること
願っていること
紛争と飢餓の夢川を今渡る?



20
「今でしょう!」と言われても
濡れ鼠の
重たいハート引きずって渡りたくないさ

詩『言葉の街から』 自動運転シリーズ 10-13

2019年09月27日 | 詩『言葉の街から』
詩『言葉の街から』 自動運転シリーズ



10
晴れがましい舞台まで
いくつもの
険しい峠道上り下りしたよ



11
カチリとはまって ゆっくり
動き出す
やるじゃん自動運転!



12
(たくさんの無名人の
小さな明かり
今システムに大きく点る)



13
にぎやかな表舞台では
いつもなにかの
お祭り騒ぎ (おでかけですかあ)

詩『言葉の街から』 自動運転シリーズ 7-9

2019年09月26日 | 詩『言葉の街から』
詩『言葉の街から』 自動運転シリーズ




深みのことはわからない
今日もまた
いつものように出かけていくさ




大気に漂うイメージの
うねり突っぱねても
きみもドームの世界の内にいる




「オレは知らないね」も自由
知らない所から
気持ちに関わりなく吹き来る不可避の風の

短歌味体Ⅲ 3651-3653 意味は置いといてシリーズ・続

2019年09月23日 | 短歌味体Ⅲ-6
[短歌味体 Ⅲ] 意味は置いといてシリーズ・続



3651
「意味するよ」「ねえ イミしない?」
「意味してるよ」
「そんなんではなくて もっとイミイミしない?」



3652
無意味なんて思いもしない
声が上がる
意味するばかりのシナイ半島



3653
無意味と意味の向かい合う
固いベンチの
真ん中に座り意味なしりんごを食べている