作物を育て始めて四、五年、サツマイモの苗やショウガの種はずっと購入していた。昨年末、ショウガは土は落として洗わずに濡れた新聞紙に包んで発泡スチロールの箱に入れて室内で保存した。今年の4月上旬に箱を開けたら腐れることなくいい状態で保存されていた(写真)。したがって、今年は種ショウガは購入することなくそれらを畑に植えた。
同じく昨年末、サツマイモは畑の隅に小さな穴を掘って(写真)ワラや米殻とともに種サツマイモを埋(い)け、最後に土をかぶせた。一番上に覆いをするのかどうかは説明に書いてなくよくわからなかったが、下まで水が染みこむのじゃないかと思って中途半端な覆いをした。今年の4月上旬に掘り出したら、穴の下まで水が染みこんでいて埋けていた三分の一が腐ったり腐りかけていた。後は、大丈夫そうで少し食べて、種芋を同じ畑の隅に作っている小さい温室に20個程度植え込んだ。
サツマイモの保存用の穴は、深さ80㎝ほどと説明にはあったが、穴の縦横が狭くて、底も固く、身動きが取れずに、70㎝以上は掘れなかった。また、一番上にかぶせる土の厚さが説明より少なくしていたと思う。水が染み込んだ理由は、一番上にかぶせた土の厚さか、一番上に覆いをしなかったからであろう。ちなみに、サツマイモの呼吸用には説明通り中に穴を開けた竹を一本差し入れていた。今度は、別の畑の土手に横穴を掘って(もう掘っている)、試してみようと考えている。ところで、ショウガやサツマイモの保存法は、ネットで調べたものである。わたしの農事は、この無償の〈ネット知〉の助けをずいぶんと受けている。
ところで、サツマイモの種芋を小さい温室に20個程度植え込んだものは、なかなか芽が出てこなかった。見た目は、腐ってなくても良くなかったのかと思いつつ、何度か見回りをしている内に、一個だけ芽が出て葉を付けていた。昨年そこにも植えていたスイカからのものか、スイカも一苗芽を出していた。(写真) サツマイモが1個だけ芽を出していたのを見つけたときのわたしの感動のようなものは説明しがたい。いろいろ失敗することもあるが、農事の「いい感じ」は、そんな特別の場合に限らず、作物が育っていくのを目の当たりにすることにも存在している。しかもうまくいけばわたしたちに収穫という恵みをももたらしてくれる。
ことしのスイカ(昨年より減らして9株)も育っている。(写真) 6月上旬にはカラスよけのテグスを張る予定。
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