回覧板

ひとり考え続けていることを公開しています。また、文学的な作品もあります。

画像詩 #9 昔は・・・

2023年10月25日 | 画像・詩シリーズ
 昔は・・・

時間を下ってゆく
もういろんなものが
霞(かす)んでいる
それでも
ふとしたことで
記憶が立ち上がることがある

行政用語の正式名称は知らないが
老人ホームらしきものが
前方にある
ずっと昔 社会党の市議会議員をしていた人が
建てたという話を聞いたことがある
どういう事情で
どういう理念を持ち
始めたものか知らない
中の利用者が
快適なのか 問題ありなのか
まったく知らない
建物が三つ四つと増えてきたのは知っている

よく知らない距離感で
建物たちが見える
逆に
畑にいるぼくも
向こうの中の人たちから
色んな視線で見られているのかもしれない

時間をさらに下ってゆくと
そこは小山だった
小さいぼくらは
夏には小山の手前の川を渡って
小山の中にある赤いヤマモモの実を取って食べていた
もうその木の場所も忘れてしまった

もっと時間を下ってゆく
と 人も少なくなり
風景が変わるのだろう

もっともっと 遙かに時間を下ってゆく
まだ人類が現れる前
それは自然に
火山の噴火の溶岩流が
多良山系を下って行ったのだろう
たぶんその小山もそうしてできた


 

詩『言葉の街から』 対話シリーズ 5379-5382

2023年10月25日 | 詩『言葉の街から』
詩『言葉の街から』 対話シリーズ



5379
二昔前と比べて世界が広く近く小さくなり
物や人の交通が
格段に目まぐるしくなってしまった



5380
のんびりゆっくりのリズムでは
昔の民話に足取られ (しまった)
と交通のやり取りを逃してしまう



5381
イイカゲンな人も目立つようになった
ぼくの内にもイイカゲンがあるのだが
スルーとセーブで煮詰めない いい加減よ



5382
しっかり感じ考える人もまた
この世界の思わぬ所にちゃんと控えていて
この世界はいい加減に回っている