栗原市花山小豆畑地区は栗駒山麓南東部の丘陵地にあり,戦後に開拓地として入植した地域です。高齢化が進んでいますが,行政区長(菅原一之氏)を中心にまとまりがあることから,平成22年に集落力向上支援事業(宮城県企画部地域振興課)が導入されました。集落支援員や宮城大学地域連携センターの支援を受け,集落活性化ビジョン作成やビジョンの実現へ動き始めており,関係機関も加えた話し合いの中から,遊休農地を活用した地域特産物づくりを進めています。
平成24年度は60年前初代開拓者の飢えをしのいでくれた思い入れの深い作物であるきび3aを集落共同で栽培しました。収穫されたきびについては,集落の新年会できびもちとして振る舞った他,今年5月5日に開催された花山鉄砲まつりにおいて,150gの小袋で販売,2時間で用意した100袋をすべて売り切りました。また,残ったきびについては,地元の温湯賛山荘に販売,温湯山荘で白米に混ぜたきび御飯として宿泊客に提供したところ,大変好評であり,平成25年産きびの購入についても約束していただきました。
今年度は周辺の遊休農地を活用し,3aの栽培ほ場を約10aに広げました。販売の目途がたったきびの他,えごま,さつまいも,大豆,やまいも,大根などを多種の作物を栽培しています。今年のテーマは「災害時に困らない保存食づくり」。2度にわたる震災の教訓から,遊休地に栽培した品目を使った保存食づくりを進めており,昨年実施した「へそ大根」作りに続いて,8月7日にはさつまいもの茎を使った料理と乾燥方法,干しいもづくりの講習会を開催しました。これらの食材は自給を基本としながらも,完成度を高め,イベントや直売所での販売を目指していく計画です。
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