M3「「医療費膨張の要因は薬剤費」、保団連 住江会長、「薬価算定はブラックボックス」」(https://www.m3.com/news/iryoishin/572288)。<以下引用>
<全国保険医団体連合会(会長:住江憲勇氏)が11月30日に記者会見し、第21回医療経済実態調査や厚生労働省の概算医療費データベースを用い、2000年度以降の概算医療費の推移を独自に分析した結果を公表した。分析結果で「膨張する医療費の要因は薬剤費にある」と指摘し、住江氏は「薬価算定はブラックボックス。薬剤費を是正すれば財源ができる。医療費抑制に生かしていただきたい」と訴えた。分析では、2000年度から2016年度までに概算医療費が約11兆9000億円伸びたうち、施設別で最も多いのは病院で5兆4700億円、次が調剤薬局で4兆7000億円。病院、調剤薬局ともほぼ直線的に伸び続けてきたが、2016年度に高価な抗ウイルス薬などの薬価引き下げの影響で薬剤費が減少したことで、2000年度以降では初めて減少に転じた。薬剤費が伸び続けてきた原因として、住江氏は「薬価算定自体がブラックボックス。このようなものは今の時代通らない。どうにかしなくてはいけない」と批判。算定方式のうち、外国平均価格調整については、「本来は高い薬を低く抑える制度のはずだが、逆に低いものを高くするように使われている」と指摘。調整に使う外国価格が、流通後の中間マージンを含む数値が使われており、これと比較すれば当然、日本の薬価の方が低くなり、価格調整で引き上げられてしまうとして問題視し、「マージンを取り除いた形で比較するべきだ」と述べた。新薬創出加算についても、「既にさまざまな加算が付いたものに、さらに5、6割付けている」と批判した。中央社会保険医療協議会の薬価専門部会で議論が進んでいる薬価制度の抜本改革については、「当局も制度の問題について何か感じたのだろう」と推測。薬価算定の透明化を謳っていることから、「期待している」と述べた。>
朝日新聞「診療・入院料引き上げへ 報酬改定、薬価下げ財源」(http://www.asahi.com/articles/ASKD24TN6KD2UTFK007.html?iref=com_apitop)。<以下引用>
<来年度の診療報酬改定について、政府は診察料や入院料などの公定価格となる「本体」部分を引き上げる方針を固めた。薬代の「薬価」の引き下げで、高齢化に伴う社会保障費の自然増の抑制目標達成にめどが立ち、財源が確保できる見通しとなったためだ。診療報酬は2年に1度見直される。引き上げれば医療機関の収入が増え、財源の公費や保険料、原則3~1割の患者の窓口負担も増える。政府はすでに、本体と薬価から成る診療報酬全体はマイナスとする方針を決めており、医師らの人件費などに回る本体の扱いが焦点となっていた。政府は来年度予算で、社会保障費の自然増を5千億円ほどに抑える目標を掲げる。達成には1300億円ほど削る必要があり、薬価の引き下げでどれだけ財源を確保できるか精査してきた。薬は仕入れ値が徐々に下がるため、薬価は改定のたびに下がる。直近の調査で実勢価格が公定価格より10%前後低く、1千数百億円捻出できるとわかり、達成が確実となった。本体の引き上げは6回連続で、具体的な改定率は年末までの予算編成作業で決める。1%上げるには約1200億円の国費が必要で、患者の窓口負担も約600億円増える。前回2016年度改定の0・49%が一つの基準となりそうだ。本体をめぐっては財務省や医療費を払う側の保険者団体などが引き下げを要求。一方、医療団体は厚生労働省の昨年度の調査で病院の利益率がマイナス4・2%の赤字だったことや、安倍政権が財界に3%の賃上げを求めていることから引き上げを求めている。政府は本体の引き上げで、安倍政権を支持する日本医師会に配慮する思惑もあるとみられる。>
薬価専門部会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-chuo.html?tid=128157)の「薬価制度の抜本改革について(案)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000185617.pdf)p5「5.外国平均価格調整の見直し;○ 現在、新薬の薬価算定の際、米・英・独・仏の4か国の医薬品価格を参照して、薬価を調整しているが、米国については、現在参照している価格リスト(Red Book:メーカー希望小売価格)は参照しないこととし、米国の公的制度(メディケア・メディケイド)で用いられている価格リスト(ASP/NADAC)を参照する。」は意外に大きいかもしれない。資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000186107.pdf)p47「最高価格の除外規定の見直し」は「最高価格が最低価格の2.5倍を上回る場合に、最高価格を除外することとする。」とあるが、もっと引き下げられないのであろうか。以前、全国保険医新聞(http://hodanren.doc-net.or.jp/iryoukankei/shinbun/160905.pdf)では「「オプジーボ」の薬価は英国に比べて日本は約5倍に上る」とあったが、同じ薬で日本だけ極端に薬価が高いのは変である。経済財政諮問会議(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/)の資料「予防・健康・医療・介護のガバナンス改革」(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2017/0412/shiryo_04.pdf)p1医療費の「高齢者の増加等以外の影響;薬剤等+9%」と突出しており、薬価制度の抜本改革にもっと関心を持つべきと感じる。ところで、平成28年国民生活基礎調査の概況(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa16/index.html)の資料(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa16/dl/03.pdf)p15「貧困率の年次推移」が出ているが、「子どもの貧困率(相対的貧困率)2015年13.9%は、韓国7.1%の2倍近くで、主要36カ国で24位にとどまる」(http://www.asahi.com/articles/ASK6V4DZBK6VUTFK002.html?iref=com_apitop)ことは強く認識しておきたい。
<全国保険医団体連合会(会長:住江憲勇氏)が11月30日に記者会見し、第21回医療経済実態調査や厚生労働省の概算医療費データベースを用い、2000年度以降の概算医療費の推移を独自に分析した結果を公表した。分析結果で「膨張する医療費の要因は薬剤費にある」と指摘し、住江氏は「薬価算定はブラックボックス。薬剤費を是正すれば財源ができる。医療費抑制に生かしていただきたい」と訴えた。分析では、2000年度から2016年度までに概算医療費が約11兆9000億円伸びたうち、施設別で最も多いのは病院で5兆4700億円、次が調剤薬局で4兆7000億円。病院、調剤薬局ともほぼ直線的に伸び続けてきたが、2016年度に高価な抗ウイルス薬などの薬価引き下げの影響で薬剤費が減少したことで、2000年度以降では初めて減少に転じた。薬剤費が伸び続けてきた原因として、住江氏は「薬価算定自体がブラックボックス。このようなものは今の時代通らない。どうにかしなくてはいけない」と批判。算定方式のうち、外国平均価格調整については、「本来は高い薬を低く抑える制度のはずだが、逆に低いものを高くするように使われている」と指摘。調整に使う外国価格が、流通後の中間マージンを含む数値が使われており、これと比較すれば当然、日本の薬価の方が低くなり、価格調整で引き上げられてしまうとして問題視し、「マージンを取り除いた形で比較するべきだ」と述べた。新薬創出加算についても、「既にさまざまな加算が付いたものに、さらに5、6割付けている」と批判した。中央社会保険医療協議会の薬価専門部会で議論が進んでいる薬価制度の抜本改革については、「当局も制度の問題について何か感じたのだろう」と推測。薬価算定の透明化を謳っていることから、「期待している」と述べた。>
朝日新聞「診療・入院料引き上げへ 報酬改定、薬価下げ財源」(http://www.asahi.com/articles/ASKD24TN6KD2UTFK007.html?iref=com_apitop)。<以下引用>
<来年度の診療報酬改定について、政府は診察料や入院料などの公定価格となる「本体」部分を引き上げる方針を固めた。薬代の「薬価」の引き下げで、高齢化に伴う社会保障費の自然増の抑制目標達成にめどが立ち、財源が確保できる見通しとなったためだ。診療報酬は2年に1度見直される。引き上げれば医療機関の収入が増え、財源の公費や保険料、原則3~1割の患者の窓口負担も増える。政府はすでに、本体と薬価から成る診療報酬全体はマイナスとする方針を決めており、医師らの人件費などに回る本体の扱いが焦点となっていた。政府は来年度予算で、社会保障費の自然増を5千億円ほどに抑える目標を掲げる。達成には1300億円ほど削る必要があり、薬価の引き下げでどれだけ財源を確保できるか精査してきた。薬は仕入れ値が徐々に下がるため、薬価は改定のたびに下がる。直近の調査で実勢価格が公定価格より10%前後低く、1千数百億円捻出できるとわかり、達成が確実となった。本体の引き上げは6回連続で、具体的な改定率は年末までの予算編成作業で決める。1%上げるには約1200億円の国費が必要で、患者の窓口負担も約600億円増える。前回2016年度改定の0・49%が一つの基準となりそうだ。本体をめぐっては財務省や医療費を払う側の保険者団体などが引き下げを要求。一方、医療団体は厚生労働省の昨年度の調査で病院の利益率がマイナス4・2%の赤字だったことや、安倍政権が財界に3%の賃上げを求めていることから引き上げを求めている。政府は本体の引き上げで、安倍政権を支持する日本医師会に配慮する思惑もあるとみられる。>
薬価専門部会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-chuo.html?tid=128157)の「薬価制度の抜本改革について(案)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000185617.pdf)p5「5.外国平均価格調整の見直し;○ 現在、新薬の薬価算定の際、米・英・独・仏の4か国の医薬品価格を参照して、薬価を調整しているが、米国については、現在参照している価格リスト(Red Book:メーカー希望小売価格)は参照しないこととし、米国の公的制度(メディケア・メディケイド)で用いられている価格リスト(ASP/NADAC)を参照する。」は意外に大きいかもしれない。資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000186107.pdf)p47「最高価格の除外規定の見直し」は「最高価格が最低価格の2.5倍を上回る場合に、最高価格を除外することとする。」とあるが、もっと引き下げられないのであろうか。以前、全国保険医新聞(http://hodanren.doc-net.or.jp/iryoukankei/shinbun/160905.pdf)では「「オプジーボ」の薬価は英国に比べて日本は約5倍に上る」とあったが、同じ薬で日本だけ極端に薬価が高いのは変である。経済財政諮問会議(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/)の資料「予防・健康・医療・介護のガバナンス改革」(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2017/0412/shiryo_04.pdf)p1医療費の「高齢者の増加等以外の影響;薬剤等+9%」と突出しており、薬価制度の抜本改革にもっと関心を持つべきと感じる。ところで、平成28年国民生活基礎調査の概況(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa16/index.html)の資料(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa16/dl/03.pdf)p15「貧困率の年次推移」が出ているが、「子どもの貧困率(相対的貧困率)2015年13.9%は、韓国7.1%の2倍近くで、主要36カ国で24位にとどまる」(http://www.asahi.com/articles/ASK6V4DZBK6VUTFK002.html?iref=com_apitop)ことは強く認識しておきたい。