保健福祉の現場から

感じるままに

組織横断的な認知症対策

2014年10月03日 | Weblog
認知症高齢者等にやさしい地域づくりに係る関係省庁連絡会議(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-rouken.html?tid=169920)が9月25日に開催(国保情報9月29日号)されており、資料が出ればみておきたい。厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000052532.pdf)p14で示されているように、現在策定中の各自治体の第6期介護保険事業計画では、地域包括ケアシステム構築のための重点取組事項として、認知症施策;認知症初期集中支援チーム、認知症地域支援推進員(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000035rce.html)が打ち出される。医療・介護・福祉施設従事者、行政関係者は、認知症の基礎、アセスメント、支援チームの具体的取り組み等について、医師会等による研修のほか、認知症のシリーズでの解説(http://www.caretomo.com/carezine/article/19/130/)、「認知症初期集中支援チーム」テキスト(http://vexon-intnl.com/dasc/h25text.pdf)、認知症初期集中支援チーム員研修資料(http://dasc.jp/)(http://dasc.jp/wp-content/uploads/2014/05/c3dff154bb1efd88c140ccc28a66d035.pdf)(http://dasc.jp/wp-content/uploads/2014/05/6f0f6c627d0dab6b66d88dcca7183aa7.pdf)等のネット資料を活用したい。6月23日の認知症初期集中支援推進事業実施市町村・都道府県担当者会議において、「今年6月20日時点での実施状況は、地域支援事業44市区町村、地域支援事業以外64市区町村で全体108市区町村で実施」(保健衛生ニュース7月7日号)とされているように、試行は一部の市区町村に留まっている。さて、今年度、全国各地の自治体で実施されている日常生活圏域ニーズ調査(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/osirase/hokenjigyou/06/dl/s1-1.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/osirase/hokenjigyou/06/dl/s1-2.pdf)をみれば、認知リスクを有する高齢者がいかに多いか把握でき、資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000047999.pdf)p3にある認知症ピラミッドが実感されるであろう。しかし、各市町村において、生活機能評価やニーズ調査を通じて、認知リスク低下高齢者の実態が把握されても、初期段階で適切な診断・治療と対応にどれほど結びついているであろうか。警察庁「平成25年中における行方不明者の状況」(http://www.npa.go.jp/safetylife/seianki/H25yukuehumeisha.pdf)p3の原因・動機別で、認知症による行方不明者10,322人(対前年+715)とあったように、ある程度進行して表面化しているのが実態であろう。とにかく、認知症は、介護保険・高齢者福祉、医療(医療計画の精神疾患)(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/)(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000036ff1-att/2r98520000036fkg.pdf)だけではない。厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12201000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu-Kikakuka/0000046397.pdf)p5「1年以上精神病床に入院している75歳以上の精神疾患患者の47.3%が認知症」とあり、そもそも精神病床が施設の代用になっている状況にある。資料(http://dasc.jp/wp-content/uploads/2014/05/6f0f6c627d0dab6b66d88dcca7183aa7.pdf)p29では、認知症疾患を主傷病名とする入院患者の病床別割合で平成23年には精神病床が69%とあるように、認知症対策は精神医療改革(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/kaisei_seisin/index.html)とセットで推進されなければならない。すなわち、①市町村域を超えた広域的連携、②精神医療改革との連動、③医療計画(精神疾患)との連動の観点から、認知症対策においても、市町村と保健所の連携・協働がもっと強調される必要があるように感じる。そういえば、日本精神神経学会が「患者の自動車運転に関する精神科医のためのガイドライン」(https://www.jspn.or.jp/activity/opinion/car_crash_penalty/guideline.html)を公開しているが、認知症が含まれるのはいうまでもない。先月、「認知症等高齢者の消費者トラブルが過去最高になった」(http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20140911_1.html)と出ていたが、消費者保護も重要であろう。「何でも市町村」は時代錯誤といえるかもしれない。
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ヘルスケアリートと自治体病院

2014年10月03日 | Weblog
9月26日の「病院等を対象とするヘルスケアリートの活用に係るガイドライン検討委員会」(http://www.mlit.go.jp/totikensangyo/totikensangyo_tk5_000040.html)が出ている。資料(http://www.mlit.go.jp/common/001055952.pdf)p4に示されるように、「日本再興戦略」改訂2014や健康・医療戦略において、「ヘルスケアリートの活用に向け、高齢者向け住宅及び病院(自治体病院を含む)等の取得・運用に関するガイドラインの整備、普及啓発」が打ち出されている。「Jリートは公募増資等により豊富な民間資金を集め、優良な賃貸不動産を取得し、適切に維持管理をしつつ、第三者に賃貸の上、長期間保有し、その賃料収益等を分配する法人。」とされるが、医療従事者にはどれほど認知されているであろうか。資料(http://www.mlit.go.jp/common/001055950.pdf)p3にあるように自治体病院も念頭に置かれ、p4では病床機能分化に対応するための施設改修費用も含むことが示されている。一方で、不動産投資証券を発行する投資法人であるリート(Real Estate Investment Trust)は、集患力に優れる医療機関の事業拡大に投資が集中する可能性があり、医療機関の二極化が懸念されている(医事新報10月4日号)ことは知っておきたい。
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ストレスチェックの行方

2014年10月03日 | Weblog
厚労省労働政策審議会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-rousei.html?tid=126972)の資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12602000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Roudouseisakutantou/0000059863.pdf)の「労働安全衛生法改正の施行スケジュール」に出ているように、「ストレスチェック制度の創設」は平成27年12月1日施行である。ストレスチェック項目等に関する専門検討会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-roudou.html?tid=203931)では9月26日に中間とりまとめ(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000058948.html)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11201000-Roudoukijunkyoku-Soumuka/0000058947.pdf)が出ているのであるが、「簡略化した調査票の例」「「職業性ストレス簡易調査票」を使用する場合の選定基準とすべき具体的な数値」などがはっきりしない。また、施行は12月で年度途中であり、平成27年度の取扱いが早急に示される必要がある。ICTを活用したストレスチェックの実施も認められており、普遍化するかもしれない。
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睡眠

2014年10月03日 | Weblog
睡眠時無呼吸症候群(http://www.sleep.or.jp/)(http://www.nms.ac.jp/nms/4med/sas/)については、睡眠医療プラットフォーム(http://sleepmed.jp/platform/)もみておきたい。日本精神神経学会が「患者の自動車運転に関する精神科医のためのガイドライン」(https://www.jspn.or.jp/activity/opinion/car_crash_penalty/guideline.html)を公開しているが、睡眠障害のウエイトも小さくないであろう。ところで、既に、健康づくりのための睡眠指針(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000042800.pdf)があるが、睡眠習慣については、文部科学省「中高生を中心とした子供の生活習慣が心身へ与える影響等に関する検討委員会」(http://www.mext.go.jp/a_menu/shougai/katei/1351209.htm)で協議されているように、早い段階からの対応が必要と感じる。
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保健事業のインセンティブ

2014年10月03日 | Weblog
キャリアブレイン「健康ポイント付与、6市で社会実証開始へ- 健康寿命延伸や医療費抑制狙う」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/43916.html)。<以下引用>
<岡山市や千葉県浦安市など全国6市で、健康を増進するための活動に応じて市民にポイントを付与する大規模社会実証がスタートする。ポイントを市民の自助努力の誘引とすることで、健康寿命を延伸し、医療費の抑制につなげるのが狙い。参加者は、一定の歩数以上歩いたり、指定の運動プログラムに参加したりするとポイントがもらえる。貯めたポイントは、共通ポイントサービス「ポンタ」や商品券などと交換が可能。12月から来年3月までの実施期間で、1人最大9000円相当のポイントが得られる。みずほ情報総研やみずほ銀行、筑波大などは2日、東京都内で記者会見し、このプロジェクトの概要を発表した。同実証は総務省の委託事業。参加者が装着する歩数計のデータが管理システムに自動送信され、一定以上の歩数だとポイントを付与。また、筋力トレーニングや社会貢献活動など約200のプログラムへの参加や、健康診断データの改善などにもポイントを与える。参加できるのは6市に住む満40歳以上の市民で、みずほ情報総研などは期間内に1万人の参加を目指すとしている。6市は岡山市と浦安市のほか、栃木県大田原市、大阪府高石市、福島県伊達市、新潟県見附市。会見に出席した伊達市の仁志田昇司市長は、これまで全国のさまざまな地域で導入されたインセンティブ制度について、「意識の高い一定数の市民には効果があったが、大衆運動にならなかった」と指摘した。筑波大大学院の久野譜也教授も、「市民の約7割とされる“岩盤”のような無関心層。これを切り崩すための社会技術を開発する必要がある」と述べ、同実証事業の意義を強調した。成果が得られれば、参加自治体数を大幅に増やす予定だ。>

「日本再興戦略」改訂2014-未来への挑戦」(http://www.kantei.go.jp/jp/headline/seicho_senryaku2013.html)の本文(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/pdf/honbun2JP.pdf)p94~「個人に対するインセンティブ;医療保険各法における保険者の保健事業として、ICTを活用した健康づくりモデルの大規模実証成果も踏まえつつ、一定の基準を満たした加入者へのヘルスケアポイントの付与や現金給付等を保険者が選択して行うことができる旨を明示し、その普及を図る。あわせて、個人の健康・予防に向けた取組に応じて、保険者が財政上中立な形で各被保険者の保険料に差を設けるようにすることを可能とするなどのインセンティブの導入についても、公的医療保険制度の趣旨を踏まえつつ検討する。」「糖尿病が疑われる者等を対象として、ホテル・旅館などの地元観光資源等を活用して行う宿泊型新保健指導プログラム(仮称)を年度内に開発し、試行事業等を経た上で、その普及促進を図る。「保険者に対するインセンティブ;後期高齢者医療への支援金の加算・減算制度について、保険者の保健事業の取組に対するより一層の効果的なインセンティブとなるよう、関係者の意見や特定健診・保健指導の効果検証等を踏まえ具体策を検討する。」、「経営者等に対するインセンティブとして、以下のような取組を通じ、健康経営に取り組む企業が、自らの取組を評価し、優れた企業が社会で評価される枠組み等を構築することにより、健康投資の促進が図られるよう、関係省庁において年度内に所要の措置を講ずる。・ 健康経営を普及させるため、健康増進に係る取組が企業間で比較できるよう評価指標を構築するとともに、評価指標が今後、保険者が策定・実施するデータヘルス計画の取組に活用されるよう、具体策を検討・ 東京証券取引所において、新たなテーマ銘柄(健康経営銘柄(仮称))の設定を検討・ 「コーポレート・ガバナンスに関する報告書」やCSR報告書等に「従業員等の健康管理や疾病予防等に関する取組」を記載・ 企業の従業員の健康増進に向けた優良取組事例の選定・表彰」とある。保健事業における「実効性を伴うインセンティブ付与の仕組み」は検討課題の一つであることは知っておきたい。そういえば、朝日新聞「山口)がん検診デビューを 周南市が2人組みに商品券」(http://apital.asahi.com/article/news/2014052100002.html)、朝日新聞「岩手)がん検診してポイントためよう 遠野市」(http://apital.asahi.com/article/news/2014042200004.html)の報道もあった。例えば、比較的単価の安い、集団健診・がん検診を受診した場合等であれば、個別の健診・がん検診単価との差額を考慮すれば、ある程度のインセンティブ付与でも財政的に無理はない気がする。なお、厚労省「平成25年度市区町村におけるがん検診の実施状況調査集計結果」(http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=147922&name=0000013913.pdf)p8に、各がん検診の自己負担額が出ており、市町村によって、自己負担額は大きな違いがあるが、集団と個別では委託単価にかなり幅がみられるはずである。ところで、「平成24年度地域保健・健康増進事業報告の概況」(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/c-hoken/12/index.html)の資料(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/c-hoken/12/dl/kekka2.pdf)p16に「表10 平成23年度がん検診受診者における要精密検査の受診状況」が出ており、「要精密検査者のうち、がんであった者の割合」は、胃がん検診1.78%、肺がん検診2.22%、大腸がん検診3.08%、子宮がん検診4.35%、乳がん検診3.82%で、精密検査受診率は、胃がん検診80.5%、肺がん検診77.9%、大腸がん検診63.0%、子宮がん検診68.0%、乳がん検診84.4%であり、精密検査の未受診者が少なくない。気になるのは、精密検査未把握率で、胃がん検診9.9%、肺がん検診13.1%、大腸がん検診19.8%、子宮がん検診18.2%、乳がん検診10.1%とある。厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=147922&name=0000013913.pdf)p2に出ているように、集団検診に比べて単価の高い個別検診の方が情報管理が悪いことは問題である。
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