徒然なるままに ~ Mikako Husselのブログ

ドイツ情報、ヨーロッパ旅行記、書評、その他「心にうつりゆくよしなし事」

書評:佐藤さとる『コロボックル物語全6巻』(講談社文庫)

2018年08月28日 | 書評ー小説:作者サ・タ・ナ行

有川浩の『だれもが知ってる小さな国』を読んでからオリジナルのコロボックル物語シリーズを読むなんて、激しく順番を間違えている感は否めませんが、私は今まで児童文学とは無縁で、有川浩のファンですから、まあ仕方ないです。

さて、このオリジナルシリーズは1959年発行の『だれも知らない小さな国』に始まり、1985年に書かれた『小さな人のむかしの話』(講談社文庫では『コロボックルむかしむかし』に改題)で終わるシリーズ化の予定なく不定期に書かれてきた小説群です。

講談社文庫の『コロボックル物語』シリーズの面白さは、初版から様々な文庫化に際しての作者あとがきが集められている点と、コロボックルの熱烈なファンである作家による解説が載っている点です。本編と同じくらい興味深いと思いました。

主人公は後に「せいたかさん」の愛称で知られることになる「ぼく」が子どものころ偶然見つけた自分だけの素敵な場所「ぼくの小山」を手に入れ、コロボックルたちの国作りの土台を築く話です。作者の本来書きたかったファンタジーは2巻『豆つぶほどの小さないぬ』の方で、この1巻はコロボックルの世界を成立させるためのプロローグという位置づけのようです。「鬼門山」と呼ばれる小山が高速道路のために潰されることを阻止するために取られた作戦が素晴らしい!www

2巻『豆つぶほどの小さないぬ』では、コロボックルの世界が全開します。電気技師のせいたかさんから電気を教わり、コロボックル仕様のトランジスタを作ったり、コロボックル通信社が発足し、印刷所が作られ、壁新聞が制作される様子が生き生きと描かれます。こうした中で、昔のコロボックルが飼いならしていたという「マメイヌ」を見つけ出して捕まえ、再度飼いならす作戦が練られます。コロボックル通信の創刊号はこのスクープでwww 語り手はコロボックル通信編集長のクリノヒコ=風の子。

3巻『星からおちた小さな人』は、前作2作とは異なり、客観視点で語られる「一応完結編」。コロボックル用の飛行機の飛行テストで仲間を助けるためにモズに体当たりして転落し、人間の少年の手に落ちてしまうミツバチ坊や。彼を救うため、全力で仲間を探すコロボックルたちの冒険譚。人間側で活躍するのは意外にもせいたかさんではなく、その娘の「おチャメちゃん」。最初捕まえたコロボックル(宇宙人?)でお金儲けをしようとしていたおチャ公がだんだん心を変えて、コロボックルを好きになり、もっと知りたい、友達になりたいと願うところがピュアで魅力的な展開。

4巻『ふしぎな目をした男の子』ではつむじ曲がりの老学者「ツムジイ」が登場し、コロボックルのおきてが変わって、だれもが人間の「トモダチ」を一人持つことが許されるようになるなんてけしからん!と国を出て人間の街に出てしまう、かなりユーモラスなまがりっぷりを発揮します。街に出た途端に2歳の男の子に目撃されてしまうという失態も。実はその男の子タケルが「ふしぎな目をした」子、つまり動体視力に優れた子で、敵にすると厄介なのでコロボックルのトモダチにしてしまおうということになり、見つかってしまった本人のツムジイがその子のトモダチになるというお話。トモダチ作るのに反対して国を出たのにねえ...

タケルが成長して、潰されていく田んぼや汚染されていく池を嘆き、コロボックルたちと共に池を救出するエピソードなど、時代を先取りしたエコ感覚がいいですね。

5巻『小さな国のつづきの話』では、かつてハチミツ坊やを捕まえて困らせた末にトモダチになったおチャ公ことイサオとせいたかさんの娘おチャメちゃんことチャムが成長して登場しますが、脇役です。主人公は「変わった子」とずっと言われてきた杉岡正子。チャムの高校時代の親友で、高校卒業後は公立図書館勤務。そして、世界中を旅することを夢見るおてんばコロボックル、ツクシンボ。この二人が出会って紆余曲折の末にトモダチになるお話。チャムの弟ムックリくんが活躍?します。

この『つづきの話』ではコロボックル物語の本が4冊すでに発行済みで、それをすべて読んでコロボックルのことを知っている人とトモダチになるということはどういうことか、みたいな現実がファンタジーに割り込み、作者が作中に登場してしまうという奇妙な違和感を残す感です。語り手は作者自身で、作者視点が前面に出され過ぎている感が否めません。

この巻で本編は終了ということになります。「語るべきことはすべて語った」のだそうで。

6巻または別巻『コロボックルむかしむかし』(旧『小さな人のむかしの話』)では、コロボックルのむかし話やおとぎ話がツムジイが提供した資料を元に、ツムジイ覚書を交えて紹介されます。コロボックル視点の日本昔話という感じで、非常に興味深いです。

この巻でのツムジイはそんなにつむじ曲がりではありませんwww

6冊一気読みしてしまいましたが、個人的には4巻と6巻がお気に入り。特にツムジイが(笑)

長く愛されるだけのことはある文学作品ですね。

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

書評:恩田陸著、『EPITAPH東京』(朝日文庫)

2018年08月26日 | 書評ー小説:作者ア行

久々に恩田作品を手に取りました。『EPITAPH東京』は先月文庫化されたので買っておいたもの。

刻々と変貎する《東京》を舞台にした戯曲「エピタフ東京」を書きあぐねている筆者Kが書く日記のようなエッセイのような作りで、どこぞのバーで出会った自称吸血鬼の吉屋と友人B子との交流体験を綴りながら、大都市として記号化された《東京》とそこで生きる人たちや都市伝説についての考察が進んでいきます。また、戯曲「エピタフ東京」のシーンも3回登場します。かなりシュールな設定で、確かに東京の都市伝説に相応しい感じがします。完成した戯曲をぜひ読みたいと思わせるだけのアイディアが詰まっていると感じました。

所々で吉屋の吸血鬼としての視点が「僕」と言う一人称で語られるエピソードが差し挟まれているのですが、それも都市伝説的な要素の一つという印象を受けます。常野物語3部作の不思議能力を受け継ぎながら市井の人たちに混じって生きている一族に相通じる設定のようです。

Kの綴るエッセイの中ではいくつかの東京または都市を題材とした作品に言及されますが、小野不由美の『東京異聞』はなぜかスルーされていましたね。奇妙な魑魅魍魎が跋扈する東京の話という意味ではこの恩田作品に通じるものがあると思うのですが。大分前に読んだ作品なのでもうおぼろげにしか覚えていないのが残念ですが、逆に言えば、記憶に残るほどのインパクトがなかったということですね。

この『EPITAPH東京』も、時が経てば記憶の底にうずもれて行くに違いない作品の1つとなることでしょう。そこそこ興味深い視点や考察が提示されるものの、さほどのインパクトは残らない、作品として完結しておらず、エッセイなんだか劇中劇なんだか分からず、またゴジラが上陸するエピソードが挿入されていて「いきなり」感が半端ないところもあり、なんというのか、作家の雑多な構想メモを見せられたような中途半端な印象を受けます。

  • 人気ブログランキング
  • にほんブログ村

三月・理瀬シリーズ

書評:恩田陸著、『三月は深き紅の淵を』(講談社文庫)

書評:恩田陸著、『麦の海に沈む果実』(講談社文庫)

書評:恩田陸著、『朝日のようにさわやかに』(新潮文庫)

書評:恩田陸著、『黒と茶の幻想』上・下巻(講談社文庫)

書評:恩田陸著、『黄昏の百合の骨』(講談社文庫)

関根家シリーズ

書評:恩田陸著、『Puzzle』(祥伝社文庫)

書評:恩田陸著、『六番目の小夜子』(新潮文庫)

書評:恩田陸著、『図書室の海』(新潮文庫)

書評:恩田陸著、『象と耳鳴り』(祥伝社文庫)

神原恵弥シリーズ

書評:恩田陸著、『Maze』&『クレオパトラの夢』(双葉文庫)

書評:恩田陸著、『ブラック・ベルベット』(双葉社)

連作

書評:恩田陸著、常野物語3部作『光の帝国』、『蒲公英草紙』、『エンド・ゲーム』(集英社e文庫)

書評:恩田陸著、『夜の底は柔らかな幻』上下 & 『終りなき夜に生れつく』(文春e-book)

学園もの

書評:恩田陸著、『ネバーランド』(集英社文庫)

書評:恩田陸著、『夜のピクニック』(新潮文庫)~第26回吉川英治文学新人賞受賞作品

書評:恩田陸著、『雪月花黙示録』(角川文庫)

劇脚本風・演劇関連

書評:恩田陸著、『チョコレートコスモス』(角川文庫)

書評:恩田陸著、『中庭の出来事』(新潮文庫)~第20回山本周五郎賞受賞作品

書評:恩田陸著、『木曜組曲』(徳間文庫)

書評:恩田陸著、『EPITAPH東京』(朝日文庫)

短編集

書評:恩田陸著、『図書室の海』(新潮文庫)

書評:恩田陸著、『朝日のようにさわやかに』(新潮文庫)

書評:恩田陸著、『私と踊って』(新潮文庫)

その他の小説

書評:恩田陸著、『蜜蜂と遠雷』(幻冬舎単行本)~第156回直木賞受賞作品

書評:恩田陸著、『錆びた太陽』(朝日新聞出版)

書評:恩田陸著、『まひるの月を追いかけて』(文春文庫)

書評:恩田陸著、『ドミノ』(角川文庫)

書評:恩田陸著、『上と外』上・下巻(幻冬舎文庫)

書評:恩田陸著、『きのうの世界』上・下巻(講談社文庫)

書評:恩田陸著、『ネクロポリス』上・下巻(朝日文庫)

書評:恩田陸著、『劫尽童女』(光文社文庫)

書評:恩田陸著、『私の家では何も起こらない』(角川文庫)

書評:恩田陸著、『ユージニア』(角川文庫)

書評:恩田陸著、『不安な童話』(祥伝社文庫)

書評:恩田陸著、『ライオンハート』(新潮文庫)

書評:恩田陸著、『蛇行する川のほとり』(集英社文庫)

書評:恩田陸著、『ネジの回転 FEBRUARY MOMENT』上・下(集英社文庫)

書評:恩田陸著、『ブラザー・サン シスター・ムーン』(河出書房新社)

書評:恩田陸著、『球形の季節』(新潮文庫)

書評:恩田陸著、『夏の名残りの薔薇』(文春文庫)

書評:恩田陸著、『月の裏側』(幻冬舎文庫)

書評:恩田陸著、『夢違』(角川文庫)

書評:恩田陸著、『七月に流れる花』(講談社タイガ)

書評:恩田陸著、『八月は冷たい城』(講談社タイガ)

エッセイ

書評:恩田陸著、『酩酊混乱紀行 『恐怖の報酬』日記』(講談社文庫)

書評:恩田陸著、『小説以外』(新潮文庫)

書評:恩田陸著、『隅の風景』(新潮文庫)


書評:アガサ・クリスティー(Agatha Christie)著、『Endless Night(終わりなき夜に生まれつく)』(HarperCollins)

2018年08月25日 | 書評ー小説:作者カ行

『終わりなき夜に生まれつく(Endless Night)』(1967)はアガサ・クリスティーの晩年の作品の1つ。たくさんある中でなんでこの作品を選んだのか自分でもよく分からないのですが、読んでいてすごく違和感を感じました。なぜなら200ページを過ぎても誰も死ななかったので。ウェールズの湿地帯にある「Gipsy's Acre」と地元の人たちが呼ぶ不吉な土地でMikeことMicheal RogersがEllieことFenella Gutemann(アメリカの富豪の相続人)に出会い、恋をして、その土地に家を建てることを夢見、ついに結婚して、彼らの夢を実現するストーリー。彼ら、特にエリーを「ここから出て行かないとひどい目に合う」と近くに住むジプシーの老女に脅かされるなど、不吉な影が付きまとっているものの、彼らがいかに幸せに暮らしていたかが延々と語られるので、ミステリーと言うよりは悲恋物語のようです。そしてついにと言うべきか、ある朝エリーがいつものように乗馬に出かけ、そのまま帰らぬ人となってしまいます。落馬事故にしては大した死に至るようなケガもなかったので、「ショック死」ということで処理され、彼女の遺言によりマイクは莫大な遺産を相続することになります。彼は妻の死がショックで抜け殻のようになり、妻の秘書兼世話役を務めていたグレータがすべてを取り仕切り、なぜエリーがグレータに依存していたのかが分かったと語られるので、エリーの死はジプシーの老女と関係があるのか、彼女の乗馬友だちだったClaudia Hardcastleがなぜか彼らの家が売却されるならぜひ買いたいと言い出したことと関係があるのか、あるいは彼女の元夫でエリーの管財人の一人Stanford Lloydが何か企んだのかなどと読者を混乱させ、まさかマイクとグレータが実は数年前から恋人同士で、最初から計画していたとは思い至らないため、驚きの種明かしとなります。

マイクがアメリカから戻り、エリーと最初に出会った場所で、いるはずのないエリーを見て、彼女には自分が見えていないことに気づいて嫌な気分になり、実は彼も本当はエリーをふりではなくて実際に愛していた(こともあった)と気づいて後悔します。なのでやはり悲恋物語のような印象を受けます。

タイトルの『Endless Night』はWilliam Blakeの詩「Auguries of Innocence」から来ています。その一部をエリーがギターを弾きながら歌うシーンがあります。

Every night and every morn,
Some to misery are born,
Every morn and every night,
Some are born to sweet delight.
Some are born to sweet delight,
Some are born to endless night.

いないはずのエリーの姿を見た後でマイクはこの詩を思い起こし、エリーはSweet delight(甘やかな歓喜)に生まれつき、自分こそはEndless Night(終わりのない夜)に生まれついたのだと考え、他の道を行くことはできなかったのか自問しますが、結局自分はそうするしかなかった的な運命論のようなものを出すので、後悔はしても本当の意味では反省していない感じで、「なんだこいつは?」という腑に落ちない感覚が残ります。


書評:アガサ・クリスティー(Agatha Christie)著、『And Then There Were None(そして誰もいなくなった)』(HarperCollins)

書評:アガサ・クリスティー(Agatha Christie)著、『Endless Night(終わりなき夜に生まれつく)』(HarperCollins)


ポワロシリーズ

書評:アガサ・クリスティー(Agatha Christie)著、『Murder on the Orient Express(オリエント急行殺人事件)』(HarperCollins)

書評:アガサ・クリスティー(Agatha Christie)著、『The ABC Murders(ABC殺人事件)』(HarperCollins)

書評:アガサ・クリスティー(Agatha Christie)著、『Murder in Mesopotamia(メソポタミアの殺人)』(HarperCollins)

書評:アガサ・クリスティー(Agatha Christie)著、『After the Funeral(葬儀を終えて)』(HarperCollins)

 

ミス・マープルシリーズ

書評:アガサ・クリスティー(Agatha Christie)著、『The Mirror Crack'd From Side To Side(鏡は横にひび割れて)』(HarperCollins)

書評:アガサ・クリスティー(Agatha Christie)著、『Sleeping Murder』(HarperCollins)


ドイツ:難民の就業状況(2018年7月)

2018年08月22日 | 社会

ドイツ連邦労働庁が8月に発表した難民の就業状況に関する統計によると、予想よりも就業者が多く、30万人以上となり、前年同期比で88,000人増加しました。社会保険料を払う義務のある仕事に就いている難民は、23万8,000人。

求職者・失業者

「求職中」と労働局に登録されている難民は2018年7月末時点で48万2,000人で、うち実際に失業しているのは18万7,000人、ドイツ全体の失業者の約8%を占めます。数は昨年から横ばいです。「求職中」で「失業していない」人たちは、職業訓練プログラムや語学コース、社会統合コースに通っているために統計上「失業者」カテゴリーに入っていません。この統計の取り方は難民に限ったことではなくドイツ全体の失業者統計がそうなっています。

下のグラフは、難民の統計の取り方を2016年7月に変更したため、それ以前の部分は薄い色で表示されています。

失業中の難民はほとんどが若い男性で、言葉の障壁があまり問題ならない清掃や運送あるいは飲食店のキッチンヘルパー(食器洗いなど)の業種で主に求職活動をしているようです。

第二種失業手当受給者

第二種失業手当(俗に「ハルツ4」と呼ばれる就業可能者のための生活保護)を受給している難民は61万7,000人で、全受給者423万人の約15%を占めます。仕事をして社会保険料を払っている難民が23万8,000人ですから、社会保障の観点からだけで見た場合、かなりの赤字ということになります。もちろん人道的な理由で彼らを受け入れているわけですから、そうした経済的観点のしかもほんの一部だけで判断することはナンセンスですが。短期的に見れば社会保険への払い込みが増えなくても明らかに国内消費は増加し、彼らの社会統合のために発生した需要(ドイツ語教師や社会生活の講師、移民難民局の職員、住宅建設関連業など)による求人も増加しているため、それなりの経済波及効果があります。長期的に見れば、難民の大部分がドイツに定住した場合、第2・第3世代の社会統合率は格段に高くなるため、社会保障の点でもバランスが取れる可能性は高いです。

就業率

2018年5月の時点での難民の就業率は27.2%で、外国人全体の就業率49.3%に比べてもかなり低い水準です。ドイツ人の就業率は68.3%です。

主要8か国からの難民の就職先

下のグラフは2017年5月から2018年4月までの間に失業状態から就職できた主要8か国からの難民の就職先を業種別に分類したものです。それによるとおよそ3分の1が派遣会社に就職しています。

就職できた難民はトータル80,100人で、うち68,700人が社会保険料を支払う義務のある就職先です。派遣会社への就職は23,300人、派遣を除くサービス業9,000人、接客業8,800人、流通及び自動車などの修理・整備6,900人、製造業5,700人、その他14,900人。

難民の失業者が就職できる成功率は、前年同期比ではわずかに向上しているものの、依然として低い水準の4.4%。

 

難民申請者

2018年7月の新規難民申請者数は過去1年間で最も低い水準の13,000人、決定数(認可及び拒否)は15,000人でした。

 

2016年~2017年度の難民申請者は、男性が60%、35歳未満が83%(16歳未満が39%、16歳以上~35歳未満が44%)で、若い男性が大部分を占めています。

学歴は高卒が最も多く、40%。中卒の割合も31%で多いですが、全体の39%が16歳未満ですから当然と言えば当然の結果ですね。

出典:

グラフや統計の数字はすべてドイツ連邦労働庁の2018年7月の報告書「Fluchtmigration」からの引用です。

にほんブログ村 ニュースブログ 海外ニュースへ
にほんブログ村

にほんブログ村 海外生活ブログ ドイツ情報へ
にほんブログ村


海外ランキング

 


ドイツ:2017年度難民申請&認定数統計~申請総数186,644件

ドイツ:2016年度難民申請&認定数統計~新規入国者は28万人

ドイツ:ブレーメンで不正難民認定スキャンダル


抗がん剤治療終了9か月後の超音波検査(がん闘病記27)

2018年08月21日 | 健康

抗がん剤治療が終了してから9か月後の2018年8月21日、がん専門医のところへ行き、いつもの血液検査を受けました。

血液値に異常なし

その後超音波検査室に回されて検査を受けました。ここで超音波検査を受けるのは初めてのことでした。

結果は「再発・転移の気配なし」。

「胆石あるけど、痛くないの?」と聞かれたくらいです。小さい胆石があることは、去年の7月に子宮体がんの摘出手術前に撮ったCTですでに発見済みでしたが、幸い「ただあるだけ」の状態が続いています。

今回の受診ではこれだけでした。担当の医学教授は胆石の件を除いて「様子はどうか」みたいなことは全然聞いてくれませんでした。まあ、実際私も特に話すようなことはないので、たとえ聞かれたとしても「何も問題有りません」しか言うことなかったと思いますが、それでも全然聞かれないというのはなんというか、必要なやり取りを省略された感じがしないでもないですね。

閑話休題。

次は、11月にまたCT撮影が予定されています。CTはボンの放射線科ネットワークのうちの1つである「Haydnhaus(ハイドン・ハウス)」というところで撮影します。

このネットワークは正式には「Gemeinschaftspraxis für Radiologie und Nuklearmedizin(放射線医学と核医学の共同診療所)」といい、7か所の診療所が一括して予約管理を行うようになっています。このため、個別の診療所に連絡をとることができず、共同電話番号にかけて、自宅近くの診療所の予約を取ることになります。主治医などからの紹介状が必要です。

私の場合、その予約はがん専門クリニックの事務方が代行してくれます。

妙なシステムだと思います。患者にとっては一か所で済ませられない煩わしさがありますが、診療所同士が緊密な連携をすることで情報の流れが最適化され、2重検査などを回避する一方、医師チームの学際的協力によって様々な症例や疑問に対応できることがネットワークの趣旨のようです。

がん闘病記28


唐突ながん宣告~ドイツの病院体験・がん患者のための社会保障(がん闘病記1)

化学療法の準備~ドイツの健康保険はかつら代も出す(がん闘病記2)

化学療法スタート(がん闘病記3)

抗がん剤の副作用(がん闘病記4)

え、緑茶は膀胱がんのもと?(がん闘病記5)

ドイツ:傷病手当と会社からの補助金(がん闘病記6)

抗がん剤投与2回目(がん闘病記7)

抗がん剤投与3回目(がん闘病記8)

医者が満足する患者?(がん闘病記9)

マリア・トレーベンの抗がんハーブレシピ(がん闘病記10)

抗がん剤投与4回目(がん闘病記11)

化学療法の後は放射線治療?!(がん闘病記12)

抗がん剤投与5回目(がん闘病記13)&健康ジュースいろいろ

抗がん剤のお値段とがん代替治療の死亡率(がん闘病記14)

抗がん剤投与6回目&障碍者認定(がん闘病記15)

化学療法終了…その後は(がん闘病記16)

放射線腫瘍医との面談(がん闘病記17)

放射線治療の準備(がん闘病記18)

放射線照射第一回(がん闘病記19)

放射線治療の経過(がん闘病記20)

放射線治療半分終了~副作用キター!(がん闘病記21)

直線加速器メンテナンスのため別病院で放射線照射(がん闘病記22)

放射線治療終了(がん闘病記23)

段階的復職~ハンブルク・モデル(がん闘病記24)

経過観察(がん闘病記25)

抗がん剤治療終了半年後のCT撮影(がん闘病記26)

リウマチ性関節炎の記録


書評:池井戸潤著、『下町ロケット ゴースト』(小学館)

2018年08月20日 | 書評ー小説:作者ア行

池井戸潤の『下町ロケット』シリーズ第3弾『ゴースト』は前編書下ろし。文庫化まで待てなかったので、電子書籍で買ってしまいました。

大田区の町工場「佃製作所」にまたもや暗雲が垂れ込めます。いまや佃製作所のシンボルとなったロケットエンジン用バルブシステムの納入先である帝国重工の業績悪化により、ロケット打ち上げのための「スターダスト計画」プロジェクトが打ち切りになる見込み。
また、農機具のための小型エンジンの納入先であるヤマタニからはトップ交代と方針転換により、新型エンジン開発の打ち切りが通告されます。佃製作所のエンジンは一部の高級機向けに限定し、今後販売戦略のメインとなる汎用モデルには「ダイダロス」という低価格メーカーのエンジンが採用されるという。このヤマタニからトランスミッションのメーカー「ギアゴースト」を紹介され、新たにトランスミッション用のバルブを開発することになります。
一方、経理部長の殿村は、父が病に倒れたため実家の農業を手伝うことに。

比較的資金が潤沢な優良企業である佃製作所も納入先の大企業が経営戦略やコストの見直しをすればすぐに赤字の危機に陥ってしまうという中小企業の悲哀が漂ってますが、それでも人情家の佃社長は「まっとうな商売」にこだわり、社員を大切にするところがとても魅力的です。ブラック企業が山ほどある現実の日本社会においては、この佃製作所の「まっとうさ」だけでもすでにカタルシス効果があるのではないでしょうか。

さて、この第3弾はストーリーとして完結しておらず、読んだら第4弾が待ち遠しくなるという構成です。「帝国重工」、「ギアゴースト」そして「ダイダロス」の問題が続編に繰り越されます。この巻で謀略に巻き込まれたのは佃製作所自身ではなく、新規取引先となる予定の「ギアゴースト」でしたが、謀略自体は前作と比べると軽めな感じがするかもしれません。

新たなキャラとして登場した「天才エンジニア」と呼ばれる女性・島津裕(しまず ゆう)、ギアゴースト副社長が個人的にお気に入りです。

人気ブログランキング

にほんブログ村


書評:池井戸潤著、『七つの会議』(集英社文庫)

書評:池井戸潤著、『アキラとあきら』(徳間文庫)

書評:池井戸潤著、『架空通貨』(講談社文庫)~江戸川乱歩賞受賞作品

書評:池井戸潤著、『シャイロックの子供たち』(文春文庫)

書評:池井戸潤著、『かばん屋の相続』(文春文庫)

書評:池井戸潤著、『株価暴落 』(文春文庫)

書評:池井戸潤著、『BT’63 上・下』(講談社文庫)

書評:池井戸潤著、『民王』(文春文庫)

書評:池井戸潤著、『金融探偵 』(徳間文庫)

書評:池井戸潤著、『ルーズヴェルト・ゲーム』(講談社文庫)

書評:池井戸潤著、『銀行仕置人』(双葉文庫)

書評:池井戸潤著、『鉄の骨』(講談社文庫)~第31回吉川英治文学新人賞受賞作

書評:池井戸潤著、『果つる底なき』(講談社文庫)~第44回江戸川乱歩賞受賞作

書評:池井戸潤著、『ようこそ、わが家へ』(小学館文庫)

書評:池井戸潤著、『花咲舞が黙ってない 』(中公文庫)

書評:池井戸潤著、『銀翼のイカロス』(文春文庫)

書評:池井戸潤著、『下町ロケット ガウディ計画』(小学館文庫)


書評:アガサ・クリスティー(Agatha Christie)著、『Murder in Mesopotamia(メソポタミアの殺人)』(HarperCollins)

2018年08月19日 | 書評ー小説:作者カ行

『Murder in Mesopotamia(メソポタミアの殺人)』(1936)は、出版されたのは『オリエント急行殺人事件』より後の14作目ですが、話の時間軸は前になります。Hercule Poirot(エルキュール・ポワロー)がシリアに滞在した後にイギリスに帰ろうとイラクに立ち寄ったところで殺人事件の解決を依頼されます。

語り手はバグダッドに来ていた看護婦の Amy Leatheran(エイミー・レザラン)で、アッシリア遺跡の発掘長であるスウェーデン人の Erich Leidner(エリック・ライドナー)に、「誰かに殺される」と怯えている妻 Louise(ルイーズ)の付き添いを頼まれます。遺跡の発掘メンバーの間には、不自然な緊張がありました。ルイーズは、死んだ先夫から脅迫状が届いているとミス・レザランに告白します。見せられた匿名の手紙の筆跡がルイーズの筆跡に似ていたため、ミス・レザランは彼女の自作自演か分裂症的なものを疑いますが、彼女は実際に殺されてしまいます。発掘隊の住居には中庭に続くアーチからしか入れず、中庭を囲むように配置された部屋の入り口はそれぞれ一つで、中庭からしか入れず、窓は人が出入りできるような大きさの物はない、という「密室」的な構造で、入り口付近にいた小間使いのイラク人たちは「誰も外から入ってこなかった」と証言したため、謎が深まります。そこで(第15章で)名探偵エルキュール・ポワローの登場となります。

「Murder is a habit(殺人はくせになる)」というポワローの言葉通り、ルイーズ殺人の手がかりを偶然掴んでしまったらしいライドナーの長年の同僚 Anne Johnson(アン・ジョンソン)が殺されてしまいます。彼女の最後の言葉は「The window...the window 」。これが手がかりとなってポワローが真相に辿り着くことになります。

さすがに殺人トリックまでは分かりませんでしたが、真犯人の見当はつけられました。妖しい人物が他にもいて、実はそいつは殺人犯ではなくて別件の犯罪者(泥棒)だったというのもなかなか面白いオチでした。


書評:アガサ・クリスティー(Agatha Christie)著、『And Then There Were None(そして誰もいなくなった)』(HarperCollins)

書評:アガサ・クリスティー(Agatha Christie)著、『Endless Night(終わりなき夜に生まれつく)』(HarperCollins)


ポワロシリーズ

書評:アガサ・クリスティー(Agatha Christie)著、『Murder on the Orient Express(オリエント急行殺人事件)』(HarperCollins)

書評:アガサ・クリスティー(Agatha Christie)著、『The ABC Murders(ABC殺人事件)』(HarperCollins)

書評:アガサ・クリスティー(Agatha Christie)著、『Murder in Mesopotamia(メソポタミアの殺人)』(HarperCollins)

書評:アガサ・クリスティー(Agatha Christie)著、『After the Funeral(葬儀を終えて)』(HarperCollins)

 

ミス・マープルシリーズ

書評:アガサ・クリスティー(Agatha Christie)著、『The Mirror Crack'd From Side To Side(鏡は横にひび割れて)』(HarperCollins)

書評:アガサ・クリスティー(Agatha Christie)著、『Sleeping Murder』(HarperCollins)



書評:アガサ・クリスティー(Agatha Christie)著、『Murder on the Orient Express(オリエント急行殺人事件)』(HarperCollins)

2018年08月14日 | 書評ー小説:作者カ行

アガサ・クリスティーのあまりにも有名な『Murder on the Orient Express(オリエント急行殺人事件)』(1934)、ポワローシリーズの10作目ですが、タイトルしか知らなかった作品の1つです。

シリアでの仕事を終えたポワローは、イスタンブール発カレー行きのオリエント急行に乗り、イギリスへの帰途に就きます。一等車両にはポワローの他、様々な職業、国の出身者が乗り合わせ、季節外れなのに満席。その中の1人、アメリカの富豪サミュエル・ラチェットがポワローを知り、話しかけてきます。彼は脅迫状を受け取っており、身の危険を感じてポワローに護衛を依頼しますが、ポワローはラチェットにいい印象を抱かなかったので、「あなたの顔が気に入らない」と言って(!)断ります。 列車がヴィンコヴツィとブロドの間で積雪による吹き溜まりに突っ込んで立ち往生したまま迎えた翌朝、ラチェットの死体が彼の寝室で発見されます。彼は、何らかの刃物により全身を12か所に渡ってメッタ刺しにされて殺害されていました。現場には燃やされた手紙が残されており、そこから解読されたのは「小さいデイジー・アームストロングのことを忘れ」という言葉。ラチェットはかつて、富豪アームストロング家の令嬢である幼いデイジーを誘拐して殺害した犯人カセッティだった。最初に容疑者と目されたデイジーの子守り役の少女は投身自殺し、妊娠中だったアームストロング夫人が事件のショックで早産して母子ともに死に、夫のアームストロング大佐も夫人の後を追って自殺した事件のことはポワローもよく知っていました。ラチェットの正体を知ったポワローは捜査を始め、友人で国際寝台車会社(ワゴン・リ)重役であるブックと、乗り合わせた医師コンスタンチンと共に事情聴取を行います。雪に閉ざされた列車からは犯人は逃げられないはずですが、乗客たちのアリバイは互いに補完されており、誰も容疑者に該当しない状況。現場に残された鍵は、「パイプクリーナー」、「Hの刺繍の入った高級ハンカチ」、ラチェットのパジャマのポケットから出てきた「12時45分で止まっている時計(犯行時間?)」。

車両の乗客全員の事情聴取と荷物検査の後、ポワローはみんなが嘘を言っている可能性に気づき、真実を推測し、もう一度関係者に確認を取ることで核心に迫りますが、結局犯人の特定には至らず、2つの推論を提示します。一つ目は殺人時間は時計が示す時間よりもずっと早く、犯人は最後に泊った駅で下車して逃亡したというもの、もう一つは、乗客全員が共犯関係者というもの。ブックは一つ目の推論をユーゴスラビア警察に伝えることを決めます。

逃亡した犯罪者に私的制裁を加えることを肯定する内容ですが、その判断が正しかったかどうかは議論が分かれるところでしょう。ユーゴスラビアの警察及び司法が信頼できない前提であれば、犯罪を「見逃す」選択肢が妥当かとは思いますが。

緻密に計算された証言と物証の提示とそのわずかに開いた穴を見出す作業は、正直疲れるもので、それほどワクワクドキドキ結末にむかって読み進むという感じではありませんでした。それでも意外な結末は「おおそう来たか」と感心するもので、苦労が報われるような気にはなれましたが。(笑)


書評:アガサ・クリスティー(Agatha Christie)著、『And Then There Were None(そして誰もいなくなった)』(HarperCollins)

書評:アガサ・クリスティー(Agatha Christie)著、『Endless Night(終わりなき夜に生まれつく)』(HarperCollins)


ポワロシリーズ

書評:アガサ・クリスティー(Agatha Christie)著、『Murder on the Orient Express(オリエント急行殺人事件)』(HarperCollins)

書評:アガサ・クリスティー(Agatha Christie)著、『The ABC Murders(ABC殺人事件)』(HarperCollins)

書評:アガサ・クリスティー(Agatha Christie)著、『Murder in Mesopotamia(メソポタミアの殺人)』(HarperCollins)

書評:アガサ・クリスティー(Agatha Christie)著、『After the Funeral(葬儀を終えて)』(HarperCollins)

 

ミス・マープルシリーズ

書評:アガサ・クリスティー(Agatha Christie)著、『The Mirror Crack'd From Side To Side(鏡は横にひび割れて)』(HarperCollins)

書評:アガサ・クリスティー(Agatha Christie)著、『Sleeping Murder』(HarperCollins)


書評:アガサ・クリスティー(Agatha Christie)著、『After the Funeral(葬儀を終えて)』(HarperCollins)

2018年08月08日 | 書評ー小説:作者カ行

『After the Funeral(葬儀を終えて)』は1955年の作品。名探偵ポワローシリーズの31作目です。私の読んだHarperCollinsの電子書籍版には、ポワローシリーズを書き継ぐ許可を得たSophie Hanna(ソフィー・ハナ)の書評と彼女の『モノグラム殺人事件』(2014)も収録されています(まだ読んでませんが)。

『After the Funeral(葬儀を終えて)』は、Abernethie(アバネシー)家の当主リチャードの葬儀から始まりますが、第1章は一族の紹介的な章なので読むのに少々辟易します。巻頭に家系図があるので、それをプリントアウトして誰が誰かを確認しながら読むとかなり手間がかかります。葬儀が終わって一族が一堂に会して遺言書が公開された際に、リチャードの末娘Cora Lansquenet(コーラ・ランスケネ)が「だって、リチャードは殺されたんでしょう?」と唐突に発言し、みんなからにらまれて発言を引っ込めます。そしてその翌日、彼女は自宅のコッテージの寝室で斧で殺されてしまいます。彼女の死により、リチャードの死にも疑問を抱いたリチャードの旧友にして遺言執行者の弁護士Entwhistle(エントウィッスル)が、私立探偵エルキュール・ポワロに事件解明の依頼をします。依頼するまではエントウィッスルが独自捜査をするので、ポワローが登場するのは第6章になってからです。

さて、二人の死は関係あるのか偶然なのか。コーラの遺言により姪のSusan Banks(スーザン・バンクス)が家具や絵画などを相続することになり、コーラのコッテージを訪ねた際に、コーラの同居人兼家政婦Gilchrist(ギルクリスト)に正体不明のウェディングケーキが贈られ、彼女はそれを食べてヒ素中毒になり、夜中に病院に運ばれます。ギルクリストは死にはしませんでしたが、「連続殺人?」を思わせるような事件です。

リチャードの姪たちスーザンとローザムントそして彼女の夫たちも皆なぜかエントウィッスルが「コーラが殺された日にどこにいたか?」という質問に嘘の答えしか言ってなかったことが徐々に明らかになり、彼らが多かれ少なかれお金を必要としていたことから、「遺産配分を増やすための殺人?」が疑われる運びとなります。

ポワロは身分を偽り、屋敷売却前の形見分けと称して一族をリチャードの屋敷に集めます。一種の罠ですが、意外なのが引っかかります。

真犯人は結局全然違うところにいたわけですが、登場人物がみんな疑わしい感じなのが面白いです。


書評:アガサ・クリスティー(Agatha Christie)著、『And Then There Were None(そして誰もいなくなった)』(HarperCollins)

書評:アガサ・クリスティー(Agatha Christie)著、『Endless Night(終わりなき夜に生まれつく)』(HarperCollins)


ポワロシリーズ

書評:アガサ・クリスティー(Agatha Christie)著、『Murder on the Orient Express(オリエント急行殺人事件)』(HarperCollins)

書評:アガサ・クリスティー(Agatha Christie)著、『The ABC Murders(ABC殺人事件)』(HarperCollins)

書評:アガサ・クリスティー(Agatha Christie)著、『Murder in Mesopotamia(メソポタミアの殺人)』(HarperCollins)

書評:アガサ・クリスティー(Agatha Christie)著、『After the Funeral(葬儀を終えて)』(HarperCollins)

 

ミス・マープルシリーズ

書評:アガサ・クリスティー(Agatha Christie)著、『The Mirror Crack'd From Side To Side(鏡は横にひび割れて)』(HarperCollins)

書評:アガサ・クリスティー(Agatha Christie)著、『Sleeping Murder』(HarperCollins)