ケネス・ブラナーの幼少時代の自伝的な映画『ベルファスト』を見ました。前半はなんとなくダラダラとした苦しい展開でしたが、後半に動き始め、最後は感動を与えてくれました。すばらしい映画です。
監督 ケネス・ブラナー
出演 ジュード・ヒル、カトリーナ・バルフ、ジェイミー・ドーナン、ジュディ・デンチ、キアラン・ハインズ
この映画はアイルランド紛争時の北アイルランドの都市ベルファストを舞台にしています。宗教の違いによって町は分断され、主人公一家の生活は脅かされていきます。生きるために生まれ育った町を出ていくか、古くからの友人、知り合い、親戚のいる思い出のつまった町に残るか選択を迫られます。
生まれ育った町で生きるか、そこを出ていくかは大きな選択です。現代は経済が優先され、都会に移り住む人が多くなり、「故郷」は壊れていきます。しかし少し前までは生まれ育った町のコミュニティが人間を作っていたのです。経済よりの人のつながりが人生を作っていたのです。
主人公の少年が中心に描かれますが、その親や、祖父母もその土地で生まれ育ってきたことがよくわかるように描かれます。家族みんなの苦しみと悲しみが伝わってきます。後半は家族の絆を描く場面、コメディ的な場面、ノスタルジックな場面が畳みかけるように続きます。祖母が見るめる中でバスが出ていくラストシーンには様々な感情が入り混じった感動が襲ってきました。
感動しました。