とにかく書いておかないと

すぐに忘れてしまうことを、書き残しておきます。

2022年に見た映画

2022-12-30 12:56:59 | 映画
 今年もコロナのためにほとんど遠出できなく、映画をたくさん見ることになりました。今年見た映画は以下の通りです。

1 Sayonara America
2 チャサンオポ
3 クライマッチョ
4 スパイダーマン ノーウェイホーム
5 コーダ あいのうた
6 フレンチディスパッチ
7 ドライブマイカー
8 ウェストサイドストーリー
9 前科者
10 ドリームプラン
11 シラノ
12 ブラックボックス
13 テレビで会えない芸人
14 偶然と創造
15 スティルウォーター
16 パワーオブザドッグ
17 ベルファスト
18 シネマ歌舞伎 桜姫東文章上の巻
19 アネット
20 英雄の証明
21 金のいと
22 ゴヤの名画と優しい泥棒
23 シネマ歌舞伎 桜姫東文章下の巻
24 マイニューヨークダイアリー
25 教育と愛国
26 トップガン
27 わたし達はおとな
28 ナワリヌイ
29 オフィサーアンドスパイ
30 エルヴィス
31 わたしは最悪
32 ntlive ロミオとジュリエット
33 ntlive プライマ・フェイシイ
34 サバカン
35 ボイリングポイント
36 さかなのこ
37 アプローズアプローズ
38 ヘルドッグス
39 原発を止めた裁判官
40 窓辺にて
41 ミーティング・ザ・ビートルズ・イン・インド
42 ブリティッシュロック誕生の地下室
43 アムステルダム
44 アイアムまきもと
45 アフターヤン
46 デリシュ‼
47 ソング・フォー・ドレラ
48 ケイコ 目を澄ませて
49 ザ・ファースト・スラムダンク
50 ホイットニー・ヒューストン
51 セールスマン

 以上からベスト5を選ぼうと思ったら、6つになりました。とても順番はつきません。今年は日本映画にいいものが多かったという印象です。いつもながら、明日選べば別のものを選んでしまいそうです。

5 コーダ あいのうた
7 ドライブマイカー
11 シラノ
33 ntlive プライマ・フェイシイ
44 アイアムまきもと
48 ケイコ 目を澄ませて

 来年もいい映画にであうことを期待しています。
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『吾輩は猫である』の読書メモ①「第一章」

2022-12-28 09:39:41 | 夏目漱石
 『吾輩は猫である』を読んだ。第一章だけは国語の教科書で読んだような記憶がある。おそらく中学校だった。おもしろかったという記憶だけが残っている。第二章以降、読もうとしたことはあったが、文字だらけですぐに挫折した。この年になり、再度挑戦した。様々なことを考えた。この小説についてもっと深く考察したいと考えている。

 そこで、さらに再読しながら、気になったことをメモしていきたい。

 今回はその1回目。第一章を読んでの雑感。
 
【猫の視点】
 夏目漱石自身をモデルとしたと思われる人物である「主人」(「くしゃみ先生)のことだが、第一章ではくしゃみ先生という名前はまだ出てきていない。)と、その家族、そして「主人」の友人を猫が描写するという形をとっている。

 この方法によって夏目漱石は自分自身のことを客観的に描こうとしていることが伺われる。自分を描くということは、題材としては一番書きやすい。しかし自分の思い込みで描いたのでは自分勝手な解釈で自分を描くことになる。近代小説において必要なのは客観的な視点である。自分の視点で自分自身を描けば、近代的な客観的な視点を失ってしまう。しかも恥ずかしい。そこで猫の力を借りたということなのだろう。

 しかし生まれたばかりの猫が人間社会のことをそんなにわかっているはずがない。猫がそんなに理屈っぽく考えるはずもあるまい。

 しかしそれを非難するような小説でもない。これは気楽に自分を使って遊んでみた小説なのだ。言ってみれば落語の感覚の小説である。「セリフ」があり、その「セリフ」のやり取りについて批評する「語り」がある、そんな小説なのだ。いい加減だから理屈とは合わないようなちょっとしたずれが生じる。それを真剣にとらえる読者もいない。だからこそ楽しめるのである。

【写生】
 夏目漱石をモデルにした「主人」が猫を描写する場面がある。絵としての描写である。猫は絵のモデルとしてじっとしていながら、「主人」を描写している。この両方向性はおもしろい。絶対的な視点はないということなのかもしれない。

【猫の世界】
 「吾輩」はただ単に人間を描写しているだけではない。自分も活動する。「車屋の黒」との会話はたわいのないものだ。鼠を捕まえたことのない「吾輩」もけっこう意地っ張りだ。そこには語り手の個性も描かれている。

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映画『ホイットニー・ヒューストン』を見ました。

2022-12-25 17:12:03 | 映画
 ホイットニー・ヒューストンの半生を描いた伝記映画、『ホイットニー・ヒューストン』を見ました。人間の強さと弱さがしみてくる深い、いい映画でした。
 
 この映画でホイットニー・ヒューストンはとても繊細な心をもった人物として描かれます。ステージにあがりソロで歌うことに恐れ、体の具合が悪くなるほどです。しかし彼女の実力は自信を与えます。その自信はさらに彼女を強く魅力ある人物にしてくれます。その自信こそが彼女をスターにしてくれます。

 しかし一方ではその自信は彼女を苦しめます。うまくいかなかった場合の不安がつねに付きまといます。いやなことから逃げるように麻薬に溺れてしまいます。麻薬の力ですばらしいステージを作り上げますが、それがさらに彼女を追いこんでしまいます。

 これは人間誰もが理解できます。何かを成し遂げるためには自信が必要です。しかしその自信は、時がくれば自分を苦しめる原因にもなってしまいます。ホイットニーの苦しみはすべての人間の苦しみです。

 麻薬は人間を壊します。その麻薬に落ちたホイットニーを非難することは誰にでもできます。しかしそのホイットニーの姿は自分自身と重なるはずです。

 繊細さと強さ。ふたつの中で苦しむ人間の姿を見つめるいい映画でした。
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源氏物語を読む⑳「朝顔」

2022-12-21 07:35:15 | 源氏物語
 「源氏物語を読む」シリーズの20回目、「朝顔」です。自分の備忘録として書き残しておきます。

 光源氏32歳の秋から冬の話。

・源氏を拒否し続けた「朝顔」
 式部卿宮が死去したので、その娘、朝顔は賀茂斎院を退いて邸にこもっています。それをチャンスと光源氏は朝顔のもとに出向きます。しかし朝顔はそれをやはり拒みます。こうなると源氏はさらに朝顔に熱心になります。となると紫の上の気持ちはおだやかではありません。さすがに「いい加減にしてほしいよ、この男。」と思ってしまいます。朝顔は源氏を拒み続けた女性として、特筆すべき人物です。

・源の典侍
 色好みおばちゃまの源の典侍が、色好みおばあちゃまとして再登場します。朝顔と対照的な女性として登場し、さらに笑いの要素にもなっています。目立ちすぎです、このばあさん。

・藤壺の夢
 光源氏が紫の上にこれまでの女性のことを話して過去を振り返ると、その夜源氏の夢に死んだ藤壺があらわれ、自分の過ちが死後の世界でばれてしまい苦しんでいると言ってうらみごとを言います。
 源氏は、これまでは自分の罪を理屈では理解していたかもしれませんが、心の底では理解できていなかったと思います。しかしこの巻では自分の罪を理解せざるをないようです。源氏はどう変わっていくのでしょう。


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映画『ケイコ 目を澄ませて』を見ました。

2022-12-19 11:41:09 | 映画
 映画『ケイコ 目を澄ませて』を見ました。耳が聞こえない人を丁寧に描写し、自分が耳が聞こえなかった場合を想像させ、そしてその状況で生きることを実感させてくれる映画でした。いい映画です。

 小笠原恵子さんの自伝「負けないで!」を原案にした、耳が聞こえないボクサーの実話をもとに描いたということです。

 丁寧な描写がこの映画のすばらしいところです。それによってさまざまなことが共感できます。耳が聞こえない人を描いた映画は最近多く見られます。その中でもこの映画は、さまざまな場面を丁寧に描写しています。聞こえないことの苦労も、逆に聞こえないで過ぎていくことによって助かる部分も描かれます。しかし、本当に助かっているのかもわかりません。周りの人々の気の使い方も様々です。それにどう対応するのかも面倒になっていきます。そこで生まれるフラストレーションも共感できますし、そこで生まれるあきらめのような気持ちも共感できます。

 主人公は様々な感情の間で揺れ動きながらもひたむきに生きていきます。その気持ちを受け止めながら、周りの人たちもひたむきさに答えようとします。感動します。

 一方では歴史のあるボクシングジムが経営できなくなり、人情も消えていく近年の日本社会が象徴的に描かれ、一方ではだからこそ人情を大切にして生きていく人々が描かれます。本当にいい映画でした。

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