勝手に映画評

私の見た映画を、勝手に評論します。
基本的に、すべて自腹です。

ジーン・ワルツ

2011年02月05日 | 邦画
海堂尊の医療ミステリーシリーズの映画化。海堂尊の名を世に広めたバチスタシリーズとは違う系列の物語。もっとも、世界は繋がっていて、東城大学や帝華大学、極北市など、海堂尊の物語に出てくる大学・地名がこちらでも出てきている。

この映画の原作は、一応『ジーン・ワルツ』と言う事になっていますが、映画化に際して、原作の設定が一部改められています。大きい改変が、極北市で起きた産科医逮捕事件の医師が、実は三枝茉莉亜の息子であり、且つ、理恵や清川と交流があったということ。『極北クレイマー』では、その辺りの事も書かれていますが、『ジーン・ワルツ』では描かれていなかったと思います。まぁ、映画にするとしたら、そうやってうまく話に取り込んだ方が良いのかも知れません。合わせて、マリアクリニックに通院する妊婦も、1名減っています。また、そのサイドストーリーの『マドンナ・ヴェルデ』の話も一部入っていませんか? 山崎みどりに関する背景の描写は『マドンナ・ヴェルデ』に依るもののような気がしました。

バチスタシリーズでは、ドタバタとコミカルに進行していきますが、こちらは、シリアスに静かに進行していきます。産科医にまつわる様々な問題に焦点が当たるようになっていたなと言うのが、正直な印象。結構メッセージ性が強いです。原作では、それほどのメッセージ性は感じませんでしたが、映像化するに際して、その辺りを強化した様に思えました。

菅野美穂の曾根崎理恵ですが、“クール・ウィッチ”と言う事が、描ききれていない感じです。あまり冷徹と言う感じがしませんでした。清川も、軽妙洒脱で面倒事は好まないと言う性格が描ききれていなかった気がします。

この映画、産科医を取り巻く環境と代理母問題が主人公ですね。海堂尊が、その辺りに問題意識を持っているということがよく判りました。

タイトル ジーン・ワルツ
日本公開年 2010年
製作年/製作国 2010年/日本
原作 海堂尊『ジーン・ワルツ』
監督 大谷健太郎
出演 菅野美穂(曾根崎理恵)、田辺誠一(清川吾郎)、大森南朋(三枝久広)、白石美帆(甘利みね子)、音尾琢真(甘利健司)、桐谷美玲(青井ユミ)、濱田マリ(妙高みすず)、西村雅彦(屋敷教授)、片瀬那奈(田中美紀)、南果歩(荒木浩子)、大杉漣(荒木隆)、風吹ジュン(山咲みどり)、浅丘ルリ子(三枝茉莉亜)

[2011/02/05]鑑賞・投稿


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